偽作 不思議の国のアリス 28 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

、   


  白ウサギが 偉そうな態度で通り過ぎ、

  ハートのジャックが来ました。

  王様の王冠を、ビロードのクッションに乗せて運んでいます。

  そして行列の一番最後に、ハートの王と女王が来ました。


   アリスは、

「 あたしも 同じように

   地面に伏したほうがいいのかなぁ ? 」

  と 思いました。

  
「 でも、みんなが顔を下にして平伏してたら、

  誰も見ない行列なんか 意味無いじゃん ! 」

  アリスは、立ったままでいました。


  行列がアリスの近くにやって来ると、

  アリスの前で止まりました。


「 こやつは 誰じゃ ! 」


  女王が 声を上げました。

  ハートのジャックは、

  ぺこりと お辞儀をして言いました。


「 存じ上げません 初めて見る者です 」


「 たわけ者めがぁぁああ ~ ! 」

  女王は 怒号を上げます。

  そして アリスに向かい言いました。


「 そこの子ども、名前は なんと申す ? 」


「 はい女王様 あたすは アリスで ありんす 」

  と アリスは 一応へりくだって言いました。


” でも、こいつら ただのトランプじゃん、

  別に ビビる事ないわね ”

  アリスは 思いました。


「 して 小奴らは 誰じゃ ? 」


  女王は、バラの木の周りの庭師たちを指さし、

  アリスに尋ねました。


「 あたしが 知るわけないです、

  こいつら さっき会ったばかりなんだから 」


  背中の模様は 皆、同じなので、

  女王は それが 庭師か、兵士か、廷臣たちか、

  自分の子どもなのか、判別できなかったのです。


「 なんですか 一緒にいて 知らないのですか ?

  おまえは 物をしらぬ アホの子なのですか ? 」


  アリスは 女王の尊大な物言いに カチンときました。


「 あっしには 関わりのないことで ござんすから 」

  と アリス。


「 こやつの首を ちょん切れぇぇぇえええ ~~ ! 」

   女王は 怒り、アリスを睨みつけて大声で叫びしました。


「 ばかなこと 言うんじゃないわよぉお ~ !

  何の権利があって あたしの首を ちょん切るのよ ! 」

  と アリスは怒鳴り返しました。


「 うぬぬ わらわに口答えするとは 許せん ! 

  バラバラの肉片にして コトコト煮込んで、

  美味しくシチューにしてあげるわ ! 」

  女王は 怒りに 薄い長方形の体を

  プルプル震わせました。


「 妃よ、まぁ 良いではないか、

  この娘は まだ子どもではないか、

  アホな子は アホだから、

  ぁ ほ う っておくが良いぞ、

  怒っても腹減るだけだぞ うほほほほ ♪ 」
 
   王が 女王に言います。


   女王は ジャックに言いました。

「 じゃぁ こ奴ら三名を ひっくり返しておしまい ! 」

   ジャックは、三名の庭師を片足で蹴り上げ、

< ひょい > と ひっくり返しました。


「 その方達 立つのじゃ ! 」

  と 女王。

  庭師たちは飛び起き ぺこぺこお辞儀をしました。


「 やめなさい ! 模様がチラチラして 目眩がするわ ! 」


  と 女王が怒鳴りました。

  庭師たちは お辞儀を止めました。


「 ここで お前らは いったい

  何の作業をしていたのですか ? 」 

  女王は バラの木を見て言いました。


「 恐れ多くも賢くも女王陛下様 申し上げますぅ 」

『 2 』 が 片膝をついて言いました。


「 えぇっとぉ てっ 手前どもがしておりましたのはぁ 」


「 ふふっ なるほど ねぇ 」


  女王は、バラの木を注意深く観察しました。

  ペンキを塗った事が まるわかりです。


「 わらわを 謀ろうとしておったな !

  芳しく麗しいバラの香りではなく、

  有機溶剤の匂いが プンプンではないか !

  どこの世界に シンナー臭いバラがあるのじゃ !

  いい歳こいて 袋に入れて吸っていたけでもあるまい。

  兵士よ こ奴らの首を ちょん切れぇぇぇええ ~ ! 」


  兵士が三名、庭師たちを打ち首にしようとしました。


「 たっ 助けてぇぇぇええ ~ 」

  庭師たちは アリスの後ろに隠れました。


「 窮鳥 懐に入れば これを猟師も殺さず、と言うわ。

  全然関係ないけど 彼らの首は 切らせないわよ ! 」

  と アリス。



  兵士たちは 切れ味の鋭そうなサーベルを腰の鞘から抜き払い、

  高く掲げながらアリスに ずんずんと近づいてきました。




        続 く