偽作 不思議の国のアリス 2 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


   アリスは 下へ、下へ、下へと まだまだ落ちています。


 「 いままで もう何キロメートルくらい 落下したんだろう ? 」

   と アリスは声に出して言いました。

   暇なので 髪を手櫛ですいたりしましたが

   風圧で乱れてしまいます。


 「 ガーリーな ゆるふわにしたいのに

   オールバックになっちゃうわ

   途中に 美容室ないかしら 」

 
   まだまだ落ちて行きます。

 
「  こんなに長く落ちてれば

   そろそろ 地球のまん中くらいに来たはず。

   え~っと、概算で 6000キロメートルくらい

   落ちたことになるぅ ~ のかな ? 

   でも それだと緯度や経度はどこらへんだろう ? 」


   しばらく考えてアリスは また しゃべりはじめました、

   とかく女の子は口から先に生まれたと 

   揶揄されるほど おしゃべりなのです。


 「 このまま地球を ズドンッ ! とつきぬけて落ちちゃうかも ~ !

   地球の裏側で 地球にぶら下がって歩く人たちの中に出たら、

   すっごく 変な光景でしょうねぇ 

   そこって どこ ? 地球の裏側って どこ ? 」


   まだまだ アリスは落ちていきます。


 「 でも、GPS付きスマホ持ってないから 

   国の名前は 誰かに聞かないといけないわ、

 『 あのぉ 奥さま、ここってニュージーランドでしょうか ?

   オーストラリアでしょうか ? 』

   なんてぇ事を 聞いたりしたら

   そしたら その方、


 『 まぁ そんなことを聞くなんて、

   近頃の若い娘は 常識も無いのかしら ?

   きっと地理の成績が悪いんだわ 

   ゆとり教育のせいかしら ? 落ちこぼれなのかしら ?

   いやねぇ 関わるとバカが移るかも お~ほっほほほほ ♪ 』

  
   なんてぇ あたし きっと 

   すごくバカでマヌケな女の子だと思われちゃうわ ! 

   だめだめ、そんなこと聞いちゃ、

   あたしの 気高いプライドが ゆるさないわ。

   どうせ どっかに 道路案内図かなんかあるわ 」


   下へ、下へ、もっと下へ アリスは落下していきます。

   暇なので、アリスは また しゃべりだしました。


 「 今夜、ダイナは あたしがいなくて さびしがるでしょうねぇ 

   ちなみに ダイナは 猫よ、

   平成▽ルトラマンの仲間じゃないのよ。

   ティータイムに ダイナにミルクを あげるのを

   忘れないでくれるといいけど、

   そうじゃないと きっと いじけちゃうわ。

 『 基本的な 飼い猫の生存権を侵害するニャ ~!

   許せニャイニャ~! 』 てね。

   あぁあ 一人で落下しているのは ヒマだわ、

   ダイナ ここに おまえが いたらいいのにぃ !

   この空間には ネズミは いないみたいだけれど、

   コウモリが つかまるかもしれないわ、




   コウモリって すごく ネズミみたいなんだから。

   古代ローマの博物学者のプリニウスは、コウモリのことを

 『 翼持つネズミ 』 と呼び、鳥類に分類していたのよ。

   近代分類学では 哺乳類に分類されていたけど、

   近年 コウモリ目は 食肉目( ネコ目 )

   鯨偶蹄目、奇蹄目( ウマ目 )

   有鱗目( センザンコウ目 )などと共に、

   ローラシア獣上目の系統に属するらしいのよ

   でも猫って コウモリ食べるのかな ? 」


   アリスは つぶやき続けました。

 「 猫って コウモリ食べる ?

   猫って コウモリ食べるのお ? 」

   アリスは 誰に聞いているのでしょう ?

   もちろん 誰もいませんから誰も答えてくれません。


   アリスは うつらうつらしてきて、

   ダイナといる夢を見はじめました。

 
 「 さぁ ダイナ、正直におっしゃい !

   あんた、コウモリ食べたことあるの ? 」 

   と夢の中で 猫に詰問しました。


 「 愚問だニャァ

   そんなもの食べたことニャイニャ~ 

   アタイ グルメだニャァ~ 

   ネズミやコウモリより カリカリや

   猫缶のほうが 美味しいニャァ~ 」


   夢の中のダイナが 面倒くさそうに答えました。


 「 あんた タダ飯食らってばかりいないで

   ネズミくらい 獲りなさいよ ! 」 


 「 アタイは 平和主義だニャア

   残虐な行為は 嫌だニャア 」 


        続 く



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