偽作 不思議の国のアリス 1 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい




                    Alice in Wonderland (Scholastic Junior Classics)
                    Lewis Carroll (著), John Tenniel (イラスト)



  アリスと アリスのお姉さんが一緒にいます、

  しかし お姉さんは寝ていました。

  アリスは かまってもらえず  

  何もすることがないので 退屈していました。

  お姉さんの持っている本を 覗いてみました、

  しかし そこには絵も文字もないのです。

「 えぇ ~ ど~なってんの !

  絵や文字のない本なんて、

  何の役にもたたないじゃないの

  落丁本か ? 手抜きか ?

  もしかして ノートか ! 」 

  と アリスは思いました。

  本を読めないアリスは 思いっきり退屈です、

  そこでアリスは頭の中で 大好きな花摘みを想像しました、

「 お花摘み だぁ~い好き 根こそぎ抜いてやるわぁ ♪ 」

  それは アリスにとって とっても楽しいことなのです。

  女の子は 健気に生えている罪のない花を  

  無慈悲に 躊躇なく 残酷に ブチブチと

  引きちぎるのが 大好きなのです。

  あまつさえ それらをまとめて縛り上げ 

  乾燥させてミイラ化させて 身の周りに飾ったりもするのです。

  けれど 今 起きあがって何かをするのは、 

「 あぁぁ かったりぃぃい ~ なんか 面倒くせぇぇえ ~ 」

  と思ってしまうのです。

「 さて どうしようかなぁ ~ 」

  と アリスは考えました。

  なぜか いつもと違い とっても眠く 

  ぼ~っとした感じで 頭の回転が遅いのです。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



   アリスが ぼんやりしていると、

   ピンクの目をした 白ウサギが近くを走ってきました。

   この辺りはまだ 自然豊かで 野ウサギも生息しているのです。
 
   それだけなら、めずらしいことでもありませんでした。

   しかしアリスは そのウサギの


 「 やばいよ やばいよ ~! 遅刻しちゃうよ ~! 」

   と言う つぶやきを聞いたのです。


   さらに そのウサギが ベストのポケットから

   懐中時計をとり出し時間を確認したので 

   アリスは 驚きました。

   ベストを着るウサギは これまで見たことがないし、

   ポケットから 時計を出すウサギも見た事がありません。

   でもポケットから あれやこれや 色々なものを取り出して

   大騒動を引き起こす 迷惑な青い猫型ロボットならいたかも

   という事を思い出したのです。


 「 もしや そのロボットの仲間か ? 」


   そこで、好奇心を覚えたアリスは、

   ウサギの後を追っかけて野原を横ぎりました、

   ウサギが 茂みの下の大穴に 飛び込むのを見つけました。

   アリスも その後を追っかけて飛び込みました。
  
   ウサギの穴は、しばらくは水平に真っ直ぐで、

   ある所から突然垂直に下っていました。

   気がつくとアリスは 落っこちているのでした。


 「 ひゃぁああ ~! ゼログラビティ ~!

   いや ニュートンの万有引力 ~! 」


   長い距離を落ちていきます、

   アリスは落ちながら周りを見まわしていました。


 「 自由落下を続けているけど、 

   これから わたし どうなっちゃうんだろう ~? 」

   などと考えるだけの時間が たっぷりあるくらいなのです。


   まずは下を眺め、どこに落ちているのかを見ようとしました。

   でも暗すぎて何も見えません。

   それから落ちていく穴の 側壁を見てみました。

   すると そこは、なぜか食器棚と本棚だらけでした。

   生活感丸出しです。

   あちこちに地図や絵が 留め金に引っかけてあります。

   アリスは落ちていく通りすがりに、

   棚の一つから瓶を 手にとってみました。

 「 マーマレード 」 というラベルが 貼ってあります。


 「 らっき~! マーマレード好き ♪ 

   このところ マーマレードを食べていない気がするぅ ~ 」


   しかし、瓶は空っぽだったので、落胆してしまいました。

   落ちる通りすがりに、別の食器棚に それを置きました。


 「 陳列替え ~! 

   置き方一つで 売上倍増 倍返しだ ! 」


   アリスは思いました。

 「 でも こんなに落ちた後なら、

   もう階段をころげ落ちるなんて、なぁ~んとも思わないわよ ! 

 『 蒲田行進曲 』 の大階段落ちのスタントマンのヤスや

 『 ミッションインポッシブル 』 のトム・クルーズや 

 『 プロジェクトA 』 のジャッキー・チェンも顔負け ~ 

   みんな、あたしが 勇敢だと思うでしょうね ! 

   ええ、そうよ、 お家の屋根のてっぺんから落っこちたって、

   もう誰も 一言も文句を言わないはずよ ~ 

   うふ うふ うふふふふ ~ ♪ 」



      続 く