最終話 偽作 シンデレラ 17 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

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「 お前たち なんとしても この牢獄から 逃げ出すんだよ ! 」

「 どうしたら良いかしら ? 」

「 メガ豚パンチで 壁に穴をあけてみな ! 」


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「 だめだわ ~ レンガは砕けても

  ぶ厚い鉄板で 補強してあるわよ  」

「 じゃぁ 鉄格子を クニャリと曲げてみな 

  普段バカ食いしてるんだから 馬鹿力を出すんだよ ! 」

「 う~ん ! うりぃやぁああ ~ ! 」

「 うおぉぉおお ! どぅりゃぁぁあああ ~ ! 」

「 ぜぃぜぃ ぜぃ ~

  ここの鉄格子は そこいらの留置場とは作りが違うわ

  普通の鋳鉄じゃなくて 特別製の鍛鉄の高炭素鋼みたい 」  

「 普通のなら 簡単に曲げられるのに駄目だわ

  お母様 やってみてよ ~ 」

「 お前たちで曲げられないなら 誰がやっても同じだろうさ 」

「 じゃぁ どうすればいいのかしら ? はぁ はぁ 」

「 そうだ 看守を色仕掛けでたぶらかしてしまいな 

  お前たちの得意技だろう いっちょう やってみな ! 」

「 うっふ~ん ♡ ちょいと そこの色男さん~ ♪ 」

「 ねぇ~ 素敵な 制服制帽の看守さ~ん ♡ 

  あそびましょうよぅ ~ ♡ ♪ 」

「 けけけっ その調子 スケベな男ならイチコロさ 

  ここから出たら 何としても

  あのガキと バカ王子の結婚式を妨害して

  メチャクチャのギタギタにしてやるよ ! 

  てめえだけ幸せになるなんて

  世間が許しても あたしが許さないよ ~! 

  不幸のズンドコに 叩き込んでやる ~!

  そうそう 国際犯罪捜査機構の 

  あの捜査官たちも 忘れちゃいけないよねぇ

  みっちりと復襲してやる 

  倍返しだ いや 百倍返しだ ~! 

  首を洗って待っていろよ うひうひうひぃ ♪ 」

「 そこの極悪人たち 私語は謹みなさい ! 

  ここを どこだと思っているのですか !

  そして そのグロテスクな邪気を放つ媚態は

  私には通じませんよ 」

「 えぇぇ ? 細マッチョのハンサムさん 

  そんな堅いこと 言わないでさぁ ♪ 」

「 真面目なのね おにいさん~♪ 

  あたしぃ~ 堅い男の人 好きよ ♡ ♪ 」



























「 御期待には 沿えません! 

  私は これでも 女ですから ! 」

「 えぇぇ~ ? 」
「 えぇぇ~ ? 」
「 えぇぇ~ ? 」

「 いったい どこに目を付けているんだか

  失礼な連中 ムカつく 、、

  しばらく飯抜きにしてやるわよ 」

「 ひぇ~ それだけは ごかんべん~ 」

「 一日 5食は食べないと ~ 」

「 やせ細っちゃうわ ~ 」

「 三人とも 一年ぐらい食べなくても

  大丈夫そうだけどねぇ あはははっ ♪ 」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



「 えぇ ? 冬の賞与が 満額出ないんですか ~? 」

「 すまんなぁ 国際犯罪捜査機構も 

  国際的通貨危機や 各国の財政悪化の煽りを受けて

  超緊縮財政なもので 勘弁してくれ 」

「 私たち 賞与を当てにして 

  念願の 結婚式を挙げようと思っていたのにぃ 」

「 そうですよ あの極悪母娘を やっと逮捕して 

  心置きなく 式を挙げる予定だったんですよ !

「 安月給で 蓄えも乏しいのに

  くやしい 、、、、 」

「 どうしてくれるんですか !

  捜査では 持ち出しも多いのに 」 

「 まぁ そう言うなって 

  それに 他にも話があってなぁ ~ 」

「 なんですか ~?

  まさか 給料遅配じゃぁないでしょうね ! 」

「 困ります 死活問題です ! 」

「 実はね 、、、 」
               
「 なんでしょう ? これ以上悪いことが ? 」
























「 とある王室から 君たちに 金一封が出ている 」

「 ええっ !? 」 「 ほんとに !? 」

「 王子様と お妃候補の御結婚が決まり 

  その謝意と言うことだ

  休暇届けは早めに頼むよ 君たちの式の招待状もな 」

「 わぁぃ ♪ じゃぁ 結婚式が挙げられる ~♪♪♪ 」

「 たっぷり ご祝儀はずんでください お願いしますよ 」

「 あぁ 、、、それは ちょっと無理かも

  上司とはいえ わしも安月給で家のローンもあるしぃ

  飲み屋のツケも たまってるしぃ 

  女房も ギャアギャア うるさいんでね 」

「 それじゃぁ まぁ しかたないですなぁ 」

「 しかし 君たちは恐ろしいくらいに 

  あの母娘の逮捕に 熱心だったなぁ

  何か 執念めいたものが感じられたが 」

「 おい 君の身の上話を聞いてもらいな 」

「 えぇ 実は 私 、、、 」



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



< ぺた ぺた ぺた >


「 あ~ら お母様 何なさっているの ~? 」

「 シ ~! 

  塩分の強いスープを 鉄格子に塗りつけているのさ 」

「 それで どうなるの ? 」

「 少しずつ 錆びさせて脆くする 

  そこを お前らが引きちぎるのさ 」

「 まだ あきらめてないの ~? 」

「 しっこい性格ねぇ ここでも三食

  食えるからいいんじゃないの ~? 」

「 バカか お前たち ! 

  やがて あたしらには 極刑の判決が下るんだよ ! 」

「 あらぁ ~ それは困るわ ~ 」

「 それって 御飯食べられなくなるってことなの ~? 」

「 うるさい !

  黙って よく聞きな ! 

  この話は 美人が幸せな良い目に遭う 

  そんな凡庸な夢物語の お伽話じゃぁないんだよ ~!

  あたしらの クライム・ストーリー なのさ !

  悪は滅びず また赤々と燃え盛るのさ !

  古今東西 悪は栄える 

  正直者はバカを見る バカが見る豚のケツ

  ってね それが世の習い !

  そんな事は 誰だって薄々感づいてるだろうよ  

  今は このお話 ほとんど読む人もいないから

  あたしらの犯罪を 知る人は少ないけど

  ここまでは前振り いつか世の中を騒然とさせてやる ~!

『 1人 コロせば 犯罪者

  10人 コロせば 大悪人

  100万人 コロせば 大英雄 』

  なんだよ ~! コロコロコロ

  自分には関係ないと思っている連中 !

  いつまでも 枕を高くして寝ていられると思うなよ !

  平和な日々なんて 砂上の楼閣に過ぎないんだ !

  人生一寸先は闇 底なしの暗闇が待ってるんだよぉぉお !

  ぎゃぁ~っはっはっははっはははっはははは ~~~! 」

「 じゃぁ 早く逃げ出さないとね 」

「 憎い捜査官たちにも 復讐しなくちゃ 」

「 そうそう あの捜査官の女 

  どこかで見たことがあると思っていたんだが

  今 思い出したよ 」

「 誰だったかしらぁ ? 」

「 覚えがないわぁ ? 」

「 お前たち まだガキだったから憶えてないかもしれないが

  ずいぶん昔 他の国で後妻に入った時の

  亭主になった男の 一人娘だったよ 」

「 そうだったの ? 」

「 あちこちで 同じ事したもんね 覚えてられないわぁ 」

「 亭主を毒薬で亡き者にしたあと

  しばらくこき使って財産を売り払い 

  とんずらする時に邪魔で始末しようとしたら

  あたしの眼を盗んで 逃げ出しやがったんだ 

  あの時は まだまだ ほんのガキだったんだが

  今は ずいぶん大人になっていて気付かなかったよ

  だが面影は残っていた 気の強いガキだったね

  あの 『 シンシア 』 と良く似ているよ

  まさか 国際犯罪捜査機構の捜査官になっていたとはね 」

「 まぁ あたしたちに恨みが あったのかしらぁ ? 」

「 いやぁねぇ しつっこい人嫌いよぉ ~ 」

「 蛇みたいに 執念深い女よねぇ ~ 」

「 ストーカーみたい 粘着質って気持ち悪いわぁ ~ 」


「 いいか お前たち よ~く覚えておきな !
  
  あいつの 名は
























「 『  シ ン デ レ ラ  』  だよ ! 」

  


         完





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