偽作 シンデレラ 10 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい



「 き ゃ ぁ ぁ ぁ あ ~ ! 」












  お城の使いの人が 目を手で覆いながら叫びました


「 外野は うるさいぞ !

  このガキ 覚悟しな ! 
 
  ギタギタの フランケンシュタインの作った

  怪物のような顔にしてやるわ

  今年のハロウィンはこれからだ

  今から用意させてやるよ ! 」

  と 義母

「 お前 ハロウインの主役 間違いなし ~ ! 」

「 羨ましいわぁ ぎゃっははは ハッピ~ハロウイン ♪ 」

  と 義姉たち



「 ま ち な さ い ~ ! 」


  その時 ドアを 勢いよく開けて

  昨夜 カボチャの馬車で舞踏会に娘を送り出してくれた 

  あの女性と男性が現れました

  娘は さっと避けるように後ろに下がります 

  継母の持った火かき棒は 振り上げられたままでした


「 誰だ ! お前らは ~!  

  邪魔すると お前らもぶん殴って

  フランケンシュタインの怪物面にしてやるぞ ~! 」

「 その娘さんへの乱暴は 私が許しませんよ 」

「 ふん ! この こ汚いガキは

  外出するなという 親の言いつけを守らず 

  ガキのくせに色気づいて 夜遊びをしてやがったんだ

  何処からか ドレスやガラスの靴など くすねてきてね

  こいつは聞き分けのない 自分勝手な自堕落な悪い娘なのさ

  きつく 体に教え込まないと分からないのさ !

  串刺しにして 暖炉で丸焼きにしてやりたいぐらいだ 

  他人は うちの教育の事 ほっといてもらおうかねぇ ! 」

  継母は 言いました


「 そうは 行かないぞ ! 

  未成年を さんざんこき使って 

  しつけの名を借りて

  暴行まで働こうなど 許せるものか ! 」

  と 男性


「 よく聞きなさい !

  そのハイヒールは 私が貸し与えたものです 」

  と 女性が言いました


「 ほう そうなのかい

  でも このガキには必要のないものさ 

  余計なことをしゃがって ! 」


「 そもそも その娘さんにも

  舞踏会の 紹介状が届いていたはずです 」


「 へぇ ~ そうだったかねぇ ? 」


「 あなたが その招待状で

  娘さんの代わりに 舞踏会に出たのでしょう 」


「 あたしだって独身だ 出たっていいだろう ! 」


「 適齢期の女性にだけ 招待状は出されたのです

  自分の 歳を考えなさい !

  そして図々しく ガラスの靴まで履こうとして 」


「 歳で差別するのか !

  エイジ・ハラスメントじゃないか ! 」


「 知らねぇよ そこは本質と関係ないだろう ! 」

  と 男性


「 足が入れば お后になれるんだろ ?

  そりゃぁ 誰だって試しに履くにきまってんだろ ! 」
  

「 その靴は ガラスと特殊記憶形状樹脂で出来ているため

  履いていた彼女の足のサイズと形で 形成されています 

  他の人では ぴったりとは合わないのです

  高温熱処理して 再加工しない限りね 」


「 なんなんだ ~! お前らは ~~! 

  なんだか言い訳めいた

  無理やりの つじつま合わせの

  時代考証が適当な こじつけ説明が長いぞ ~! 」

  継母が重箱の隅をほじるように 矛盾点を指摘しました


「 そうよ あんたら だれぇ ~ ?

  邪魔しないでくれっかなぁ 

  これから このガキを しつけするんだから

  げほひひほひひ ♪ 」

「 ボッコボコの グシャグシャにしてやる !

  私らの 昨夜の屈辱を晴らしてやる ~! ぐひひひ ! 」 

「 あんたらぁ ここいらじゃぁ見たことない顔だぁねぇ ? 」

  義姉たちが 言いました

「 なんなら 住居不法侵入で 訴えたっていいんだよ ! 」

  と 義母


  その時 女性は上着の内ポケットから 何かを取り出しました 



       続 く