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「 き ゃ ぁ ぁ ぁ あ ~ ! 」
お城の使いの人が 目を手で覆いながら叫びました
「 外野は うるさいぞ !
このガキ 覚悟しな !
ギタギタの フランケンシュタインの作った
怪物のような顔にしてやるわ
今年のハロウィンはこれからだ
今から用意させてやるよ ! 」
と 義母
「 お前 ハロウインの主役 間違いなし ~ ! 」
「 羨ましいわぁ ぎゃっははは ハッピ~ハロウイン ♪ 」
と 義姉たち
「 ま ち な さ い ~ ! 」
その時 ドアを 勢いよく開けて
昨夜 カボチャの馬車で舞踏会に娘を送り出してくれた
あの女性と男性が現れました
娘は さっと避けるように後ろに下がります
継母の持った火かき棒は 振り上げられたままでした
「 誰だ ! お前らは ~!
邪魔すると お前らもぶん殴って
フランケンシュタインの怪物面にしてやるぞ ~! 」
「 その娘さんへの乱暴は 私が許しませんよ 」
「 ふん ! この こ汚いガキは
外出するなという 親の言いつけを守らず
ガキのくせに色気づいて 夜遊びをしてやがったんだ
何処からか ドレスやガラスの靴など くすねてきてね
こいつは聞き分けのない 自分勝手な自堕落な悪い娘なのさ
きつく 体に教え込まないと分からないのさ !
串刺しにして 暖炉で丸焼きにしてやりたいぐらいだ
他人は うちの教育の事 ほっといてもらおうかねぇ ! 」
継母は 言いました
「 そうは 行かないぞ !
未成年を さんざんこき使って
しつけの名を借りて
暴行まで働こうなど 許せるものか ! 」
と 男性
「 よく聞きなさい !
そのハイヒールは 私が貸し与えたものです 」
と 女性が言いました
「 ほう そうなのかい
でも このガキには必要のないものさ
余計なことをしゃがって ! 」
「 そもそも その娘さんにも
舞踏会の 紹介状が届いていたはずです 」
「 へぇ ~ そうだったかねぇ ? 」
「 あなたが その招待状で
娘さんの代わりに 舞踏会に出たのでしょう 」
「 あたしだって独身だ 出たっていいだろう ! 」
「 適齢期の女性にだけ 招待状は出されたのです
自分の 歳を考えなさい !
そして図々しく ガラスの靴まで履こうとして 」
「 歳で差別するのか !
エイジ・ハラスメントじゃないか ! 」
「 知らねぇよ そこは本質と関係ないだろう ! 」
と 男性
「 足が入れば お后になれるんだろ ?
そりゃぁ 誰だって試しに履くにきまってんだろ ! 」
「 その靴は ガラスと特殊記憶形状樹脂で出来ているため
履いていた彼女の足のサイズと形で 形成されています
他の人では ぴったりとは合わないのです
高温熱処理して 再加工しない限りね 」
「 なんなんだ ~! お前らは ~~!
なんだか言い訳めいた
無理やりの つじつま合わせの
時代考証が適当な こじつけ説明が長いぞ ~! 」
継母が重箱の隅をほじるように 矛盾点を指摘しました
「 そうよ あんたら だれぇ ~ ?
邪魔しないでくれっかなぁ
これから このガキを しつけするんだから
げほひひほひひ ♪ 」
「 ボッコボコの グシャグシャにしてやる !
私らの 昨夜の屈辱を晴らしてやる ~! ぐひひひ ! 」
「 あんたらぁ ここいらじゃぁ見たことない顔だぁねぇ ? 」
義姉たちが 言いました
「 なんなら 住居不法侵入で 訴えたっていいんだよ ! 」
と 義母
その時 女性は上着の内ポケットから 何かを取り出しました
続 く