偽作 シンデレラ 11 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい




  女性は 上着の内ポケットから 何かを取り出しました

「 何じゃ それ ? 」

  と 継母 


「 私たちは 国際犯罪捜査機構 ( 架空 )の 捜査官です 」

  彼女は そう言うと身分証明書を見せつけました

  男性も 同様に身分証明書を提示しました


「 えぇ ! 

  昨日の女性と男性は 国際犯罪捜査機構の人たち

  どういう事なの ? 」

  娘は 驚きました 


  良い魔法使いか 天使かと思っていた彼女たちが

  実は 国際犯罪捜査機構の捜査官で 

  その捜査官が なぜ我が家に来て

  自分を仮面舞踏会に出席させてくれたのか

  まったく理解できませんでした


「 ふ~ん そうかい 

  でっ その捜査官が 私たちに何か御用かい ? 」

  継母は しらばっくれて言いました

「 え~ぇ ? どなたかと お間違えじゃぁないのぅ ~? 」

「 いやだわ 虫も殺さない 私達なのにぃ ~ 」

  義姉たちも とぼけました

「 夫殺しの容疑で 逮捕状が出ています !

  今日 朝一番で この国の裁判所に申請し

  速やかに受理されました

  いままで何度 逃げられたことか 

  でも もう逃げられないわよ 」


「 年貢の納め時が 来たようだな 」

  と 同行の男性捜査官


「 名前を変え めちゃくちゃ厚塗り化粧で 

  別人のように顔まで変えて

  各国で 遺産狙いの殺人を重ね

  逃げ回っている 極悪非道の女三人組も

  もう これで最後よ ! 」


「 まぁ いやだぁ ~!

  こんな見目麗しい 淑女三人なのに 

  何という言い草かしら とんだ濡れ衣だわぁ  」

  と 継母


「 こんな か弱い美女なのに

  失礼だわ ! ふん ! 
 
  私たちの美しさが 妬ましいのね 」


「 冤罪を作るつもり ?

  無実の者の冤罪が問題になったりしてるけど

  ほんとに そんな事が我が身にふりかかるなんて

  信じられなぁ~い ! 」

  と義姉たち


「 なんて ケバくて厚かましい 身の程知らずの女どもだ 

  お前たちからは プンプンと 

  ドブ川の臭いや 腐敗臭が漂ってくるようだぜ 」

  男性捜査官が 吐き出すように言いました


「 あなた方は 金持ちの男を狙い後妻に入り

  夫になった者には 毒物を飲ませ死に至らしめて

  財産を せしめるという犯罪を繰返していましたね ! 」

  女性捜査官が きつく問い詰めました


「 今回も 成功したようだが 

  思ったほどの財産は無かったようだな 」

  と 男性捜査官が言いました


「 今回は 土地家屋が大部分でしたね

  あなた方は 財産を処分するまでは

  この娘さんを こき使い

  処分の めどがついた暁には娘さんの父親と同じように

  始末してしまおうと考えていたんでしょう 」


「 だったら どうした ? へへへ~んだ ! 」

  継母が うそぶきます


「 私たちは必死に内偵を重ね ようやく探し当て 

  あなた方が 仮面舞踏会に出席する事を知り

  出かけた隙に 家中を捜索して証拠を調べました 」


「 そのため この お嬢さんにも 

  仮面舞踏会に 出席してもらったんだ 

  全員の留守の間に 家探しするためにな 」
 

「 危険毒物や 過去の犯罪に関係する品も見つけました

  ずいぶんと几帳面だったようね 

  財産目録 犯罪日時 場所 手口 被害者名 

  使用薬物まで書いたノートも 証拠品として押収しました 」


「 しまった ~! 」

  と 継母

「 なんで そんなモノ 書いておいたの ? 」

「 そうよ 証拠残すなんて バッカじゃないの ? 」

「 うるさ~い ! 

  いつか手記か ピカレスクロマンを書いて 

  印税生活しようと思ってたんだよ ~ ! 」


「 あなた方の顔を知る 被害関係者に

  舞踏会へ 密かに出席してもらいました

  そうとう 飲み食いしたようね

  あなた方が 仮面をはずして ばかばかと 

  意地汚く食べていた姿を見てもらっています 」


「 しっかり 首実検してもらったんだぜ

『 あんな大食いをする下品な人間は

  あいつらに間違いない

  豚のほうが よっぽど優雅で愛らしい

  連中は最低最悪の人間だ 絶対に容疑者に間違いない 』

  とさ  」


「 あらぁ 失礼だわ ! 

  わたしの美しい姿を 勝手に見てたのね 」

  と 継母


「 んまぁ 私たちのテーブルマナーに ケチつける気 ? 」

「 ちゃんとキレイに 皿までベロベロなめましたよ~だ ! 」

  と 義姉たち


「 ふん 下品な 親娘たちだ !

  あちこちの不動産関係者から 土地売買の情報を入手し 

  分析していたんだぜ 早く売れと不動産屋を 

  ずいぶん すごんで脅かしたらしいじゃないか 」

  と 男性捜査官


「 例の不動産屋に あなたの話をしたら 

  まるで 悪魔にでも睨まれたように

  真っ青な顔をして 震えていましたよ

  かわいそうに 」

  と 女性捜査官


「 今回も まんまと財産を相続したな

  結婚から 間もなく夫が死亡するのは

  お前らの いつもどおりの手口だな

  不況の影響で 物件が売れずにいて助かったぜ 」


「 この家の周りは この国の警吏に包囲されています 

  もう逃げられません 逮捕します ! 」


「 お前たちには黙秘権がある お前たちの発言は

  不利な証拠として使われることがある ! 」


「 ふ~ん だったら弁護士を呼んでもらおうかね

  ギャハッハハハ ~! 」

  そう言うと継母は 手にしていた暖炉用の 

  鉄製の火かき棒を ブンブン振り回しました


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「 捕まえられるもんなら 捕まえてごらんよ オラオラオラ~! 」

  継母は 巧みな棒さばきで 鉄製の火かき棒を高速回転させ

  上下左右 ブンブンと音を立て振り回し捜査官たちを牽制します

  少しでも触れたら肉が裂け 骨が砕けてしまうでしょう


「 おとなしくしなさい ! さもないと ! 」

  と 女性捜査官


「 あたしゃぁ フェンシングの免許皆伝なんだよ

  ガキの頃から 暗黒街の連中相手に

  修羅場を何度も くぐり抜けてきたのさ 

  三銃士にだって 負けやしないよ 

  アラミスや ダルタニアンが相手だって

  赤子の手をひねるようなもんさぁ

  かかってきな ! ぎゃぁはっははは ! 」


「 往生際の悪い 性悪女め ! 」

  と 男性捜査官


「 こうなりゃぁ テメェらのドタマ

  カボチャのように かち割って 

  脳漿や脳髄 飛び散らし ぶちまけてくれるわ ! 」

  そう言うと継母は 火かき棒を高く振り上げました


「 幸か不幸か この話を読むものは ほとんどいないのさ

  この場の お前らを始末さえすれば証拠隠滅もかんたん 

  一瞬で始末してやる 覚悟しな ~!

  ちゃんと熟れてるかなぁあ ? 

  季節は もうすぐハロウィ~ン 

  かぼちゃランタンをつくろうかねぇ 楽しいねぇ 

  ぎゃ~っははは ~♪ ハッピ~ハロウイン ♪ 」


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