「 ちきしょうめ ~!
まだまだ野望の途中なのにぃぃいい ~!
こうなったら、証拠を残さぬように、
お前ら全員、まるっと、まるごと、一人残らず、
皆殺しにしてやる ~! お~ほっっほほほほ ! 」
マリスボマーは 着ていた、どす黒いマントを、
こうもりの羽のように 左右に大きく広げました。
内側の 真っ赤な血潮のような裏地には、
沢山のポケットがあり、何かが入れられていました。
そして、マリスボマーは、それを一つ取り出して、
高々と掲げました。
「 これが何か、お前らに分るかぁ~い ? 」
「 なんだろうねぇ ? 」
「 なんでしょうなぁ ? 」
「 黒くて丸くて 紐が付いているねぇ 」
マリス、ボマーを捕縛しようと近づいた
城の使用人達が 言いました。
「 わかんないだろうねぇ、
では、教えてあげましょう
お~ほっほほほほっ ♪ 」
「 食い物かなぁ ? 」
「 お菓子かなぁ ? 」
「 チョコパイじゃぁないよねぇ ? 」
「 食い物じゃぁないよ !
極秘裏に開発した試作品、
破壊力抜群、爆薬たっぷりの、新型爆弾だよ !、
みんな 吹き飛ばしてやる ~! 」
マリスボマーは 火刑のための、松明を手に取り、
爆弾の導火線に 火をつけました。
導火線は燃え、短くなりました。
「 くたばりやがれぇぇえ ~! お~ほっっほほほほっ ! 」
「 危ない ! 」 「 避けろ ! 」 「 伏せろ ! 」
<<< ズド~~ン ! >>>
爆弾が投げられて爆発し、炎と爆風が襲いました。
三人の騎士たちは とっさに、城主と妹と子供達を、、
自分達の身を呈して守りました。
爆発の衝撃波と 爆風によって飛ばされた石つぶてが、
甲冑を着た身体と盾に、激しく容赦なく当たりました。
「 チョロチョロするんじゃぁないよ ! この小汚いカラス共めが ! 」
また、爆弾の導火線に火がつけられました。
「 おりゃぁ~ ! 」
<<< ズ ド ~~ ン ! >>>
炸裂する爆弾、炎が飛び散り、土煙も上がります、
吹き上げられた土砂が、雨のように降り落ちます。
城の者達は大慌てで逃げ惑い、
阿鼻叫喚の戦場、地獄絵図のようです。
「 まだまだよ ~ ♪ おかわりは、いかがかな ~?
大盛りサービスだ、遠慮は要らないよ !
あぁ ~ 愉快 愉快 ♪ お~ほっほほほほっ ♪ 」
マリスボマーは、複数の爆弾を続けて投げつけました。
<<< ズド~~ン ! >>>
<<< ズド~~ン ! >>>
<<< ズド~~ン ! >>>
あちこちで爆風に転倒する者がいます、
「 くわぁぁ ~! 」
「 どっひゃぁあああ ~! 」
「 やられた~ぁぁぁああ ~! 」
負傷者も出てしまいました。
「 大丈夫か ~ ? 」
「 物陰に 隠れるんだ ! 」
「 動ける者は 遠くに逃げるのだ ! 」
三人の騎士は負傷者をかばい
逃がす事に精一杯で反撃ができません。
バイロンも妻と子供達を守って 遠くに避難していました。
マリスボマーは血走った眼で、あたりを見渡し、
砂埃の中、老婆に眼をつけました。
「 おやぁ 薄汚い 老スパイめ、
まだ しぶとく生きているのかいぃ ?
もういい年なんだから
あの世とやらに 送ってやるよぉぉお 、
これが、地獄行きの片道通行手形さ !
オッホホッホホ~ ! 」
老婆めがけ、大きく振りかぶり
爆弾を投げつけようとしました。
「 危ない~! おばぁさ~ん~ ! 」
ショールが叫びました 。
続 く