世界迷作劇場 偽作 三羽の鴉 9 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい







 「 ちきしょうめ ~! 

   まだまだ野望の途中なのにぃぃいい ~!

   こうなったら、証拠を残さぬように、

   お前ら全員、まるっと、まるごと、一人残らず、

   皆殺しにしてやる ~! お~ほっっほほほほ ! 」



   マリスボマーは 着ていた、どす黒いマントを、

   こうもりの羽のように 左右に大きく広げました。

   内側の 真っ赤な血潮のような裏地には、

   沢山のポケットがあり、何かが入れられていました。

   そして、マリスボマーは、それを一つ取り出して、

   高々と掲げました。



 「 これが何か、お前らに分るかぁ~い ? 」






 「 なんだろうねぇ ? 」



 「 なんでしょうなぁ ? 」



 「 黒くて丸くて 紐が付いているねぇ 」



   マリス、ボマーを捕縛しようと近づいた

   城の使用人達が 言いました。




 「 わかんないだろうねぇ、

   では、教えてあげましょう 

   お~ほっほほほほっ ♪ 」





 「 食い物かなぁ ? 」


 「 お菓子かなぁ ? 」


 「 チョコパイじゃぁないよねぇ ? 」




 「 食い物じゃぁないよ !

   極秘裏に開発した試作品、 

   破壊力抜群、爆薬たっぷりの、新型爆弾だよ !、

   みんな 吹き飛ばしてやる ~! 」



   マリスボマーは 火刑のための、松明を手に取り、

   爆弾の導火線に 火をつけました。

   導火線は燃え、短くなりました。



 「 くたばりやがれぇぇえ ~! お~ほっっほほほほっ ! 」



 「 危ない ! 」 「  避けろ ! 」 「 伏せろ ! 」






  <<< ズド~~ン ! >>>






  爆弾が投げられて爆発し、炎と爆風が襲いました。

  三人の騎士たちは とっさに、城主と妹と子供達を、、

  自分達の身を呈して守りました。

  爆発の衝撃波と 爆風によって飛ばされた石つぶてが、

  甲冑を着た身体と盾に、激しく容赦なく当たりました。



「 チョロチョロするんじゃぁないよ ! この小汚いカラス共めが ! 」



  また、爆弾の導火線に火がつけられました。



「 おりゃぁ~ ! 」



 <<< ズ ド ~~ ン ! >>>





  炸裂する爆弾、炎が飛び散り、土煙も上がります、

  吹き上げられた土砂が、雨のように降り落ちます。

  城の者達は大慌てで逃げ惑い、

  阿鼻叫喚の戦場、地獄絵図のようです。





「 まだまだよ ~ ♪ おかわりは、いかがかな ~? 

  大盛りサービスだ、遠慮は要らないよ ! 

  あぁ ~ 愉快 愉快 ♪ お~ほっほほほほっ ♪ 」


  マリスボマーは、複数の爆弾を続けて投げつけました。




 <<< ズド~~ン ! >>>



 <<< ズド~~ン ! >>>



 <<< ズド~~ン ! >>>




  あちこちで爆風に転倒する者がいます、




「 くわぁぁ ~! 」


「 どっひゃぁあああ ~! 」


「 やられた~ぁぁぁああ ~! 」



  負傷者も出てしまいました。



「 大丈夫か ~ ? 」


「 物陰に 隠れるんだ ! 」


「 動ける者は 遠くに逃げるのだ ! 」



  三人の騎士は負傷者をかばい

  逃がす事に精一杯で反撃ができません。



  バイロンも妻と子供達を守って 遠くに避難していました。




  マリスボマーは血走った眼で、あたりを見渡し、

  砂埃の中、老婆に眼をつけました。




「 おやぁ 薄汚い 老スパイめ、

  まだ しぶとく生きているのかいぃ ? 

  もういい年なんだから 

  あの世とやらに 送ってやるよぉぉお 、

  これが、地獄行きの片道通行手形さ ! 

  オッホホッホホ~ ! 」



  老婆めがけ、大きく振りかぶり 

  爆弾を投げつけようとしました。



「 危ない~! おばぁさ~ん~ ! 」


  ショールが叫びました 。














    続 く