「 マリスボマー様は 御子様たちを亡き者にして、
血統を絶やそうと企てておりました 」
「 敵国と密かに 内通しておりました 」
「 領地を簒奪し、国王に反旗を翻そうとも画策していたのです 」
三人の騎士達が言いました。
そこに森の老婆が現れて言いました。
「 わたしは、国王陛下の命を受け 長年にわたり、
この地で諜報活動をしています、
色々と情報を掴んでいます、証拠、証人もいます。
色々と問題のある、ぷんぷんと悪臭漂う
” 悪意 ”の人物のようですね、
バイロン様の お父上様を亡き者にしたのも彼女です ! 」
「 なんと言うことだ !
たしかに 父上は 再婚してから
見る見ると 不健康な体になっていった
薄々、そうではないかと感じてはいたが。
そうか 分かった ! 義母を 捕縛せよ ! 」
城主バイロンは 命じました。
「 私への誹謗中傷の、
つ~ぅぅまらない話は、それで終わりかい ?
ウダウダと 説明が長いよ !
危うく 寝るところだったよ、
お~ほっほほほほっ ! 」
マリスボマーは、大笑いをすると、開き直りました。
「 そうかい、そうかい 、
バレちゃぁしょうがないねぇ、
一応、褒めてやろうか。
あぁ、そうだよ、あの無能の城主に
砂糖たっぷり、食塩どっさりで
高脂肪、高コレストロール、高トランス脂肪酸
思いっきり多量の料理を食わせ、
でっぷり太らせて 高血圧にして 運動もさせず
毎日、大酒を浴びるように飲ませ
その結果 心臓発作を起こさせ
まんまと 亡き者にしたのは
誰あろう 私だよ ~! 」
「 自らの罪を認めたな、この毒婦め !
わたしは、カマをかけたんだよ。
前城主様殺害の 確実な証拠は、
残念だが 見つからなかったんだよ
そうか 毒物を使用しなかったから
どうりで 何も 検出できなかったわけだ 」
森の老婆が言いました。
「 しまった、私としたことが、前言撤回するわ ! 」
マリスボマーは、発言を慌てて否定してみました。
「 そうはいくかい、この腐れ性悪 おしゃべり女め ! 」
森の老婆は 呆れ顔です。
「 ちきしょうめ ! まだまだ 野望の途中なのにぃぃいい !
こうなったら、証拠を残さぬように、
お前ら全員、まるっと、まるごと、一人残らず、
皆殺しにしてやる ~! お~ほっっほほほほ ! 」
マリスボマーは着ていた、どす黒いマントを、
こうもりの羽のように、左右にバサッと大きく広げました。
内側の真っ赤な血潮のような裏地には、
沢山のポケットがあり、何かが入れられていました。
そして、マリスボマーは、それを一つ取り出して、
高々と掲げました。
続 く