ブルーモーメント | ごめんそれほど好きじゃない

ごめんそれほど好きじゃない

好きだけどそれほど熱中してるわけじゃないんです。

ブルーモーメント(blue moment)は夜明け前と夕焼けの後のわずかな隙に訪れる、辺り一面が青い光に照らされてみえる現象。天気が良かった雲のほとんど無い、または全く無い空気の澄んだ日にだけ現れる。 

 

 

私はこの瞬間をずっと違う表現で呼んでいる。

かれこれ45年以上。

 

1976年、村上龍が書いた小説

「限りなく透明に近いブルー」

 

芥川賞を獲ったこの小説に私は心酔してしまった。

それまでの私は、真面目文学プラス星新一、みたいな

読書世界で生きてた。

芥川龍之介、夏目漱石、井上靖などなど、教科書にも

出てくるような「ちゃんとした」文学。

 

村上龍のデビュー作は、それまでの私の石の脳みそを

ガンガン叩き割ったんだった。

 

なかなかエロい小説で、当時はまだウブな子供の

私には実際分からない事もいっぱいあって、

サブタイトルもあったがまんま放送禁止用語で(笑)

かろうじてその意味もわかるかわからんか、ぐらい。

ウィキに乗ってるから興味のある方は見てね。

 

文体のスピード感、そして何より文章に色が見える。

感覚的な物言いで申し訳ないが、あんなにカラフルな

小説を読んだのは初めてだった。

別に文字に色が付いていた訳じゃないけど。

 

映画化もされた。

単館上映だったのでわざわざ大阪市内まで出た。

内容がエロ過ぎて18禁。私ら13歳。

だが強行突破した(笑)同級生の女友達2人と一緒に。

あの時代は自己申告で身分証明も要らなかった。

ひーひー言いながら観た。

だけど日活ロマンポルノみたいなエロさはゼロ。

三田村邦彦と、後に最初の妻になる中山麻理が

演じていた。すでに泥沼離婚してるけどな(笑)

三田村さんが嫌々演じてるのが

子供の目にもはっきりわかるほどの駄作だった(笑)

 

で、何が「限りなく透明に近いブルー」かと言うと。

 

ただれた暮らしの中で主人公が見た夜明けの、

まさにこの「ブルーモーメント」と同じ光景。

文中には唐突に現れる。

 

「限りなく透明に近いブルーだ。」と。

 

中学の時なんて試験前だけ詰め込むもんだから、

徹夜明けのこの景色はしょっちゅう見る。

当時住んでたのは団地の高層階だから窓から

見える空の配分も多い。

そのたびに「うぁ、限りなく透明に近いブルー」だ、

といちいち感激していた純粋無垢な私(笑)

 

さてと話を戻して。

ブルーモーメント、というタイトルのドラマが

放送中だが、良くも悪くも山Pとフジテレビの

カラーに染まってて、特に楽しみでもないが

流し見をしている。

どこで見ても同じ大走査線で踊ってる真矢ミキと、

回想シーンに登場するたび一瞬で全てをぶち壊す

本田翼の可愛らしい棒演技に頭がクラクラするので

真剣に見たことは一度もない(笑)

 

そしてここに出てくるブルーモーメントは

ずっとずっと爽やかなイメージ。

 

なんか違う(笑)