京都には4棟の五重塔が残されていますが、その中で最も古い時代に建てられたのが、醍醐寺の五重塔。

 

平安時代、朱雀天皇が父である醍醐天皇の冥福を祈り、五重塔の建築を祈願。

次の代の天皇である村上天皇の時代、西暦951年に完成しました。

 

それから1000年以上、一度も焼失や倒壊をする事無く、建築当時の姿を現在まで残す貴重な建築物で、当然ながら国宝に指定されています。

 

 

五重塔の周囲は空き地になっており、邪魔するものが無いので、非常に写真が撮りやすくて助かります。

 

同じ国宝の五重塔である羽黒山(山形)も、明王院(広島)も、法隆寺や興福寺(共に奈良)でも、五重塔の周囲には視界を遮る木々や建物が無かったように記憶していますが、、何か景観に関する特別ルールでもあるのでしょうかね?

 

 

鎌倉時代から南北朝時代、室町時代、戦国時代にかけての中世では、京都は何度も戦場となり、多くの寺院が焼き払われ、多くの建築物が焼失・損壊してしまいました。

 

特に室町時代に起きた「応仁の乱」は京都市街を主戦場として多くの寺院を巻き込み、この醍醐寺も大半の建築物が失われました。

 

そんな中、唯一、戦禍を免れ、現在まで残されてきたのが、この五重塔。

 

そして、京都府全体で考えても、この五重塔が最も古い木造建築物になります。

多少の修繕は繰り返してきたとしても、1000年もの時代を経てきた建築物として、この美しさと立派な姿には驚きです。

 

 

塔の高さは、約38メートルで、五重塔としては日本で4番目。

しかし、その数値ほど高さを感じず、重心がドッシリとしている印象ですね。

 

 

一番下の初層の柱や壁面には、真言密教の象徴である「両界曼茶羅」や「真言八祖像」といった壁画が描かれています。

それらは全て平安時代に描かれたままの姿で残っており、歴史的に貴重な絵画として国宝に指定されています。

 

特に、弘法大師・空海を描いた壁画は、現在残されている中では最も古いものだと言われています。
 

 

 

現存する日本最古の五重塔である奈良の法隆寺五重塔、室町時代に建てられた山口の瑠璃光寺五重塔と並び、「日本三名塔」の一つに数えられていますが、塔全体のバランス良いスタイルの美しさでは、この醍醐寺の五重塔を一番に挙げる人が多いそうです。

 

 

 

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<2017年夏 京都旅>

1、「つなげて!全国鉄道むすめ巡り」大阪モノレール

2、「つなげて!全国鉄道むすめ巡り」嵐電、嵯峨野観光鉄道

3、世界遺産「仁和寺」前篇

4、世界遺産「仁和寺」後編

5、仁和寺の五重塔

6、西京極スタジアム

7、世界遺産「醍醐寺」前編

8、世界遺産「醍醐寺」後編

9、醍醐寺の五重塔

 

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