京都の旅、二日目。
この日も、朝早くから寺院巡りです。
地下鉄東西線「醍醐駅」から歩く事10分。
団地の並ぶ住宅街を抜けた先にあったのが、
京都の誇る世界遺産の一つ、醍醐寺。
平安時代の西暦874年、弘法大師・空海の孫弟子にあたる聖宝によって開かれた、真言宗醍醐派の寺院です。
歴代天皇の庇護を受けて栄えた醍醐寺ですが、室町時代、京都全体で繰り広げられた応仁の乱の戦火によって大部分の建築物を焼失してしまいました。
安土桃山時代の終盤、天下統一を果たした豊臣秀吉が、1000人もの招待客を招いた盛大な花見の宴『醍醐の花見』を開催。
それをきっかけに、失われたままだった金堂など多くの建築物が再建され、荒廃していた境内は再び活気を取り戻す事となりました。
『醍醐の花見』を開催するにあたり、醍醐寺の敷地全体には700本以上の桜が植えられ、その華やかに咲き誇る姿は現在も観られます。
現在も観られる…のですが、当然、それは春の時期だけ。
前日訪れた仁和寺の「御室桜」と同様に、こんな9月に訪れても、木々に生い茂る緑しか見られません。
やっぱり、京都を訪れるのは、桜の春か、紅葉の秋だよなぁ…。
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入り口の門を潜ると、すぐ左側に大きな門が。
平安時代から歴代座主(住職の最高位)が居住してきた「三宝院」。
ここも応仁の乱で一度は焼失しましたが、安土桃山時代に再建されました。
桃山時代の建築様式を色濃く残す「表書院」が国宝に指定されているのに加え、建物の大部分が重要文化財となっています。
表玄関で靴を脱ぎ、建物の中へ。
写真撮り放題だった仁和寺の「御殿」と違い、こちらは国宝や重要文化財とあって、表書院などの建物の内部は撮影禁止でした。
よって、四季の自然などが描かれた襖絵などは実際に見るしかありませんが、庭園は撮影しても構わないという事なので、さっそく撮影開始。
庭園にカメラを向けていたら、係員のオバチャンに話かけられました。
「ガーデン、オンリー、フォトグラフ…オッケー?」
完全に、外国人観光客と間違えられました(笑)。
自分では、純日本人の風貌だと思っているんですけどね~。
『醍醐の花見』が開催された時、豊臣秀吉によって縄張り(庭内の各種配置)が決められ、秀吉の理想を実現する作庭工事が行われました。
秀吉の死後にも、彼の遺志を引き継いだ庭師たちによって改良が繰り返され、現在まで残る美しい庭園となっています。
庭園の中心、池の中に立っている「藤戸石」。
この石は豊臣秀吉の住居だった聚楽第から移されてきたものですが、元々は織田信長の屋敷にあった石なんだそうです。
まさに、権力の象徴。
松を中心とした木々、多くの石組みと大きな池で構成された庭園は、昭和27年、文化財としての庭園としては最高の格付けとなる「国の特別史跡および特別名勝」に指定されました。
(醍醐寺 中編に続く)
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<2017年夏 京都旅>