
なんとなくタイトルに惹かれ
『人生とは長い時間をかけて自分を愛する旅である』を手に取りました。
A5並型という大きないサイズ、
タイトルは長いものの、それをうまく伝えてくる
表紙デザインの妙、しかも440ページもの大作。
昨年の秋から冬はお役立ちに奔走しており時間もなく、
買ってからしばらく積読にしてました。
正月休みに時間がつくれたので、手に取り
第1面(全6面)を読んで、その面白さに一気に読みました。
第1面では、もともと投資銀行家で
株を活用して、いかに稼ぐかばかり考えてきた
著者の樋口耕太郎さんが沖縄のサンマリーナホテルの経営者となり、
愛を中心に据えることで再生させた実話が書かれています。
マネーゲーム、株主資本主義の経営に虚しさを覚え、
人を活かす経営に開眼したのは、
マッキンゼーなどのコンサルタントを経て
家電量販店経営でヒューマン・マジックに感動して
考えを改めたユベール・ジョリーと同じですね。
■資本主義の権化企業が集中するアメリカでの
人を大切にする経営者の持論『ハート・オブ・ビジネス』
2022.11.21
経営理念を
「いま、愛なら何をするだろうか?」
とし、その徹底によりわずか3年で
3000万円以上の赤字から1億2750万円の黒字にV字回復したというのです。
わが意を得たり!と
第2面も楽しみにして読み始めたら、なんと株主の
投資ファンドから樋口さんは社長を解任されたとのこと(TT)。
やっぱり雇われ経営者のデメリットですね。。
とはいえ創業オーナー経営者は大規模資本を持たないため、事業をスケールさせるのが困難だし。。ウーム。
30億円で買収したホテルが
60億円の価値になり売却されてしまったのです。
そのため僕が読みたかった愛の経営の実践ストーリーはなく、
以降、本で綴られていたのは
株主至上主義への怒りと愛による経営の提唱でした。
その詩的で感情を込めた言い切り型の文章から
樋口さんは、とても感受性が素晴らしく
自己暗示力の強い人なのだろうなぁ、と想像しました。
樋口さんは1989年社会人デビューで
なんだか僕の人生ともラップします。
40歳で離婚し、経営者のポジションもはく奪されてすべてを手放すも
現地沖縄のバー経営者・末金典子さんと再婚、
一人の男性のジェットコースター的半生にも惹きこまれました。
しかも、僕が光文社から
『勉強会に1万円払いなら、上司と3回飲みなさい』を出した際の
担当編集者であった、業界の風雲児・柿内芳文さんが
担当だとのことで、
他人とは思えない親近感を覚えたしだい。
おすすめの一冊です。
樋口さんの処女作も読んでいたことにも気づきました💦。
■『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』
減税で成り立つオリオンビールが象徴する国依存体質
2020.8.10
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・人間の力を信じて人間に任せる。これだけだ。
やらされた仕事ではなく、自分を活かす働き方をするとき、
人間は人間に対して、ごく自然な形で思いやりを向けることができる
・顧客を消費者としてとらえることをやめてみるのはどうだろう。
彼らは顧客以前に、人間だからだ
・あらゆることをオープンにするだけで、
少なく見積もっても組織の問題の半分は解決する
・開示できないものには、ほぼ例外なく嘘がある。
情報がオープンにされない理由は誰かが何かを隠したいからだが、
ほとんどの場合、それはその誰かが得をするためである
・論理的に考えて、経営活動が人間を傷つけないためには、
目的としての利益を手放す以外に方法はない。
すなわち、人間のための経営を行うとき、利益は事業の結果であり、
目的であってはならない、ということだ
・愛を目的にするために、人事考課基準を刷新すると同時に、
企業理念を定めた。
いま、愛なら何をするだろうか?
・職場の喜びは「何をするか」とは関係なく、
「何を目的とするか」によって決まるのではないだろうか
・人事考課の基準は2つだけ
どれだけ人の役に立ったか?
どれだけ人間的に成長したか?
・すべての新規プロジェクトも、この基準に沿うようにルールを改定
それは、人や社会の役に立つか?
それは、あなたが心からやりたいことか?
・人は変化が嫌いなのではない。
変化させられることが嫌いなだけだ
・私たちはなぜ、永遠に経済成長を続けなければいけないのだろう?
企業が利益を上げれば上げるほど、
従業員が苦しむのはなぜだろう?
・日本における国民一人当たりの実質GDPと生活満足度の推移

・人間はお金を欲しているのではなく、
お金を手段として、人を優越したいのである。
お金持ちになりたいというよりも、
他人よりお金持ちでいたいのだ
・世界中の人たちが、経済成長をここまで重大視して(させられて)
いる本当の理由は、複利で増殖する利子(と配当)にある、
というのが私の見解だ
・社会に激しい格差が生まれることは、お金が
複利で増殖する経済の必然である
・超富裕層の主な職業は
ストックオプションなどで多額の報酬を受け取れる
経営者、投資家、投資銀行家など
・事業が成功するほど「負債」が増えて改修するべき簿価が上がり、
従業員の負担が増加し、解雇される者もいる。
まるでブラックユーモアのようだが、
ホテルの従業員が日々相当な努力を強いられているのは、
自分と仲間の報酬と職を減らすためなのだ
・株式の上場とは、株主が莫大なキャピタルゲインを得る代わりに、
その額に等しい負債を従業員に押し付けること
上場に際して、創業者を含む株主が、
従業員の未来の稼ぎの大部分を会社から抜き取ってしまうからだ
・キャピタルゲインは、経済的な付加価値ではない
創業者が獲得した10億円のキャピタルゲインは、
自分が生み出した付加価値ではなく、
これから長い未来にわたって、全従業員が「返済」を
余儀なくされた10億円の負債の反対勘定だ
・国家の経済を測るGDP(国内総生産)には、
現場が生み出す売り上げのみが反映され、
キャピタルゲインはカウントされないのである
・地域経済から利益をごっそり抜き取っていくのが上場企業なのだ
・株主利益の最大化を至上目的とする
株主資本主義は、いわばカツアゲ経済である
・借入金による負債ならば利率も年限も決まっているが、
株主への「支払い」は複利で増加を続け、
企業の成長次第では天文学的な額になり、
一度出資を受けたら最後、永遠に完済することは不可能なのである
・株式上場とは絶対に返済できない-そして必ず破綻に至る-
借金を背負うことに等しい
・上場企業の経営者は、資本家に対して、
決して勝てない戦いを挑んでいる。創業経営者のゲームとは
利益が失速して約束が不履行になる前に会社を身売りするか、
勇退して手持ちの株を売り抜けるか、退出させられるかだ
・多くの場合は責任を取らされて交代し、
遅かれ早かれ会社は創業経営者から
資本家の手に渡っていく
・株式上場した時点で経営者が売却しているのは
株式ではない。従業員の未来であり、自分の魂だと
言ったら、言い過ぎだろうか
・他人を愛そうと心から願っても、
他人を愛せない人がいる。
それは、他人を愛する力がないからではない。
優しさに欠けているからでもない。
自分を愛せていないからだ。
・お金が介在しない経済の大半は、
①贈与的で、②関わる人を少しずつ幸せにし、
③極めて高い生産性を内包する
・利益やサービスや、顧客満足度のためではない
素朴な会話が、顧客の心を動かしてリピート客が創造された。
彼女の時給(当時680円)で、将来の売り上げ(5万円)を割ると、
147倍だった
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すべては、日本の上司を元気にするために。