ol'55

生涯忘れる事のできないような素晴らしい一夜。
若かりし頃(無論若くなくても宜しいが)
胸を熱くし満ち足りた夢の様なひと時!
この歌はそんな経験が生んだ一曲である。
とっておきの話を披露するが、
その前に、写真は1955年式のbuickのロードマスター。
車に興味のない俺でもその優雅なフォルムには惹かれる。
tom waitsは一時期buickに拘り
2台のスペシャル、2~3台のセンチュリーそしてスーパー
を所有したがついにロードマスターを手にした、
そしてその感激が名曲ol'55を生む事になる。

1973年デビュー作の「クロージング・タイム」の一曲は
このころのトムの友人の逸話が色濃く影響している。
トム自身がストーリーテラーで明かしたその話はこういう具合だ・・・
「兎に角、彼(トムの友人)はその夜、
一生涯忘れる事の出来ない満ち足りた夜を
恋人の家で過ごしたのだ。
しかし、そういう時間は常にそうであるように
瞬く間に過ぎ去り、夜明け頃彼は家路につくことになる。
だが、何としたことか!彼所有のポンコツ車のギアが
バックレンヂからどうしても抜けなくなってしまったのだ!!
意を決した彼は何とバックし続けたままハイウエイを行く事にする。
当然、ハイウエイは大渋滞。
彼を抜き去る車はパッシング・ブーイングの嵐であるが
未だ昨夜の夢見心地にいる彼は一向に気にならない。
昇りつつある朝日と消えゆく星空、
引き連れた大渋滞のヘッドライトはさながらパレードの様・・・」
美しくも滑稽なイメージは俺を惹きつける!!
ストーンズが来日を果たしポールの再来日が決まったが
どうしても小さなハコでトムウエイツが観たいものだ。
K.イサヲ
冬の香り
雪舞う吹雪の中、
俺はトラックを横須賀から葉山へ走らせた。
時折トラックから降りては腹一杯「冬の香り」を嗅いだ。
長者ヶ崎でも潮の匂いさえ無く、
鼻から心臓の少し前に沁みる様に入って来る
ツーんと涙の香りに似た冷凍庫の空気の塊を全身で頂き。
「嗚呼、今はこれを楽しめ!という事なんだ」
と一人ごち、強張る指先に息を吐き掛けたりした。
最近、気になる話で
耳の聞こえない作曲家の話題がやたら取り上げられていて
我慢できづブログに取り上げる。
何やら現代のベートーベンが云々・・・という事だが
一番、違和感を感じるのは
ベートーベンは耳が聞こえないから素晴らしいのではなく
創った楽曲が素晴らしいからベートーベンなのだ!という事。
佐村何んとかさんもバックボーンはどうでもよろし。
ロックの世界だって共作・プロデュースなんて
いくらでもある話で、
前回も話したとおり「作ったもんが良けりゃそれで良いんだよ!」
何やら詐欺に遭った様に楽曲までもその評価を下げようとするのは
自らの見識のいい加減さを露呈するようなものだ。
オリンピックもNHKでさえメダルを取った日本人の
話を繰り返して放送する。
せめて金銀銅の選手のパフォーマンスくらい肌の色の違いに
係わらづ見せて欲しいものだ。
「見てくれ話題先行のAKB的メディア世界にはうんざりだ!」
前回「風の歌を聴け」の147ページの最後に
「あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
僕たちはそんな風にして生きている。」とあり、
前回ブログを書き終えてからも
俺の心に刺さったままであるので書き添える。
猛吹雪の中、僕達に出来るのは
その吹雪を楽しむしかないのである。
何故なら、その吹雪も必ず止んでしまうのだから。
大好きなtom waitsを歌ってみた。
ここにも「追求自体に意味がある、従って達成の瞬間に興味は無い。
情熱を燃やすのは追求し続ける事!」
と歌われている。
I karman
風の歌を聴け

誰しもあると想うが
記憶の根底にこびり付いた想いがあって。
それを呼び起こすのが匂いや音楽の仕業で
例えば「インクの匂い」に俺は小学校の地下にあった
「印刷室」を呼びこされるし、
レコードスプレイには幸せな中学校時代。
P floydのwallには安部工房の「壁」
Lou Reedのtransformerには太宰の「斜陽」。
若いころのそういう記憶は忘れえぬものがある!
果たして何十年ぶりの事だろうか!?
村上春樹のデビュー作を読みかえした。
題名のごとく掴みどころの無い断片のドラマは
このいい歳をしたオヤジの心にも吹き抜けるものを感じさせた。
ノーベル賞の時期になると今度こそ!と
マスコミが騒ぎたて出版社もカキイレドキとばかりの
売らんかな攻撃の展開はいい加減うんざりだ。
要は書いた本が面白けりゃいいんだよ!
勿論、好みの話だし
氏の作品を読破している訳でもなく、
むしろ数える程度が正直な話なので
氏の文学に精通している諸兄には叱られるかも知れないが。
トニカク、俺の読んだ彼の作品の中ではこれが良い!
スカスカ感が好き!
エピソードの連鎖に特別の解説は無く、
主人公もいたってクール。
(対照的なのが三島由紀夫だろう
三島は読者の想像力なんぞあてにしない
徹底的に解説を施す)
しかし、読み終わった後の感傷的ノスタルジアは
リアルタイムで読んだ時を遥かに超え、
俺の心の錆びついたタイムマシンを再起動させた。
そして、これを読むと思い出すのが
当時読みながら聞いていたのだろう・・・・
take offは好きなレコードで中でも
この曲は秀作だと想う。
イサヲKarman
