コレね2018年7月11日フェイスブックページに書いた記事です。
ヤフーブログから引っ越してきて、ヤフーの方に書いてた記事は全部こっちに来てるんだけど、1年くらいヤフーに書いてなかったのでその間の記事をチョイチョイこっちに追加します。
日に1件アップしてたのですが、間に合わないので2、3件ずつアップします。


今でもあるのか知りませんが、昔、と言っても70~80年代くらいね、車やバイクの雑誌で「ロングランテスト」ってあったでしょ?
半年とか一年とか一台の車にズーッと乗ってレポートするヤツ。
ああ言うの、やります。
 

まずはイネです。
と、言っても、「◯月×日に播いたコシヒカリはドウしたコウした・・・」みたいなのは何時も書いてますからね。
そう言うんじゃなくて、タネと肥料の関係を試してみようと思います。


以前から気になってました。
タネをお買い上げいただいたお客様から、「生育が良い」とか「生命力がある」とかお褒めいただく事が頻繁にありました。
ウチでは何も特殊な事はやっていませんから、ただ単にタネが新しいと言うだけの事だろうと思って、「特別な事はいたしておりませんので、たまたま◯◯様の圃場環境にあっていたのだろうと思います」とお答えしていました。

自然農法だ、無肥料だってやると、他で大げさなホラ情報流してる人もいるので、中には思い込みの激しい方もおられて、ちょっとした発芽の良さなんかでも「生命力が」ってなるんじゃないかと、チョツト失礼ですけど冷めた印象もありました。

それくらいこのトコロの自然農法ブームはカルト的に変な方向に歪んでいる印象でしたからね。


ところが先日、ウチで長年採種を繰り返しているキュウリやカボチャと、同じ品種で他の種苗会社から購入したタネを無肥料用土に播いてみたら、購入品のタネはあまりにも生育が良くなかったので、「・・・・もしかしたら」ってなってしまいました。

別に肥料の事を調べようと思ったワケじゃくて、何年も同じ系統で種採りしていると品種ボケと言うか、形質が変わってくる場合があるので、ちょっと世間の品種と見比べてみようと思っただけだったのですが、以外な事が起こって困惑しています。


ウチのは何代もずっと、肥料はほとんど与えずに採種してますから、無肥料環境に順化されてるって事もあるのかな、と・・・


30年チョット前には、大学なんかでも「栽培環境によって遺伝子は変化しない」ってのが常識でした。
つまり突然変異や他系統との交雑がない限り、同じDNAを持っている純系品種は、みんな同じ特性を表すって考えられていたんですよ。
ところが、最近は「エピジェネティクス」なんて事も言われるようになって、まあ、俗に言う「遺伝子にスイッチが入る」って事ですけど、育った環境によって同じDNAを持ってる個体間でも発現の仕方が違ってくるって事ですね。

そう言う事もだんだん解明されてきているので、タネの採り方によって違ってくるのかな?ッてな可能性も否定できないと思っています。

篤農家の井原豊氏の本にも「多肥栽培して採種した種籾は肥料やらないと育ちにくい、逆に少肥栽培した種籾は多肥栽培で過繁茂、倒伏し易い」とか書いてありますからね。
ん、じゃ、まあ、チョット調べてみれば分かるかぁ、って事でバケツ稲に肥沃な水田の土を入れてコシヒカリを栽培して見る事にしました。

コシヒカリは少肥品種ですから肥料に敏感だろうと思うんですね。
今年、無肥料3年目の試験田にコシヒカリを植えてますしね。
そのうちから一株抜いてバケツに植えました。
肥えた田んぼの土だと全然違いますね。
植えて2日で水が藻類で緑色に変わりました。

コイツに更に肥料をどっさり与えて、葉色真っ黒けにして超窒素過多のメタボ状態にしてタネを採ってみようと思います。

無肥料で採ったタネとメタボのタネを来年無肥料で栽培して見てどんな結果が出るか?
試してみましょう。

これで無肥料のタネが多肥のタネより少ない肥料で育つって事になれば、慣行農法用と有機農法用と自然農法用で種採り栽培もそれぞれに合ったやり方が必要って事になるかもしれません。

ボチボチこんな栽培テストもやって行きたいと思っています。
今年はホンのお遊びですけどね。

(今年(2019)、この多肥栽培コシヒカリから採ったタネをテストしました。結果はコチラ↓)
https://ameblo.jp/fdsa233/entry-12533365779.html