南伊豆検証 - 番外編
先の釣行記で、一日の釣りの中で、場所替えた点について触れました。
その中で、本文では触れていなかった、エサトリの種類による期待度について
少し書いてみたいと思います。
先日の釣行では、最初竿を出していた場所のエサトリは、磯ベラ、
オハグロベラ、ハマフエフキでした。対する場所替え後は、チャリコ、
ボラ、キンギョ(ネンブツダイ)などです。
パッと比較して、この魚種群をどう捉えますでしょうか?
実は、先日の展開において、最初の場所は、磯ベラが一番最初に釣れ、
その後に、オハグロとハマフエフキが交互に釣れる形になっていました。
で、場所移動後は、そろそろ場が出来そうと感じてから、最初に釣れて
きたのがチャリコでした。で、暫くしてからボラ。
こんな流れです。
エサトリはエサトリじゃねーの?と言えばそれまでですが、
この両者には大きな違いがあります。
まず、前者では磯ベラが最初に釣れている所がミソです。
ベラという魚は、ただの外道と思われがちですが、紀州釣りを展開する
流れの中では非常に重要な役目を果たしています。
ベラの動きに変化が出た時が実は大チャンスだったりします。
それまでグレが釣れていたのに、ベラが釣れ出した・・・こんな時は
リーチ突入です。但し今回は、自分的にその指標と感じている
磯ベラが最初に釣れてそれっきり。後に続くのがオハグロベラなので、
「こりゃ駄目だ」となった訳です。ボラやヘダイが来てくれたら場所移動なんか
しなかったんですけどね。試行錯誤して他魚種の呼び込みを試みましたが
失敗に終わっています。
移動場所の展開は、絵に描いたような右上がり。外道にチャリコは
最高の展開です。しかも、その後にボラが続いていますが、もうチヌが
居なかったらおかしいとも思う様な状況です。
逆にチャリコの後に、暫く間を置いて、ボラではなくグレが連発したら
どうでしょうか?これはもう、最悪の展開です。
チヌ釣りではこんな形で、釣れる魚種や順番により、実はその後の
展開を左右する部分があったりします。また、その魚種・展開になった理由が
団子の締めや配合が影響している可能性が大です。
釣りの流れを感じながら、釣れそうなのか、そうではないのか?私が釣りを
展開する中では、チヌの気配を感じる前段階で、こういった部分からその後の
展開を予想して次の一手を打つ様にしています。
南伊豆検証
2週間前、良い結果の出た南伊豆に、今回はその時の判断状況が
正当だったのか否か、検証を行うべく伺いました。
今回のメンバーは5名。皆、それぞれ永易流に真剣に取り組んでいる
方々ばかり。
で、まず状況から。
今回の釣行を取り巻く環境は以下の感じでした。
①南西の強風(10m前後の強風)
②何故か2週間前と比べて異常に軽い潮
③低活性
これらの悪条件を打破する必要がありました。これらは以下に簡潔に
まとめます。
①の風については、竿を持っていられるレベルであれば、強風でも特に
問題有りません。むしろ、風の問題点は釣りにくいという釣り人側の都合よりも、
風で仕掛けが引っ張られサシエサを止める操作を行いにくくなる事です。
②の異常に軽い潮には頭を抱えました。2週間前は濃い部類に感じた
程の潮で、ウキもSSで十分耐える程だったのに、今回は信じられない位軽く、
今まで経験した中では、秋田の船形沖堤に次いで軽かったです。道糸は
どんどん沈むし、ウキはMを使いたい所なのですが、Mだと満足なアタリが
出ない。ましてSSなんて使い物にならない・・・このバランスの取り方が異常に
難しく感じました。
③低活性
一般的には、既に紀州釣りはオフシーズンですから、魚全体の活性が
低い事は当然かもしれません。どうしても2週間前の状況と比較してしまいますが、
オキアミすら毎回齧られない位活性が低い為、攻め方を色々模索する必要が
ありました。
今回の釣行では、これら3点の問題点をクリアする為、あれこれ
試行錯誤を繰り返しました。
さて、実釣内容です。
今回、竿を出した場所は2箇所。堤防の外側と内側です。ポイント的には
前回と違う場所。最初、竿を出そうと思った場所は、今回の人数(総勢7名)では
キャパオーバー。下手すると全員共倒れになる可能性がある為、遠慮させて
頂く事にしました。
まずは外側から。外側を選択した理由は・・・紀州釣りのポイント的には、
パッと見悪く無いのですが、紀州釣り師が竿を出している場面を見た事が
無い為、どんな感じなのか確認したかった事。いざ、竿を出すと、これまた
エサトリの反応無し。まあ、予想通りですけど。あ、そうそう配合は青マッハ1袋、
緑マッハ1/3袋、細挽きさなぎ1000cc、アミエビ300ccチヌパワー400cc、
海水適量。とりあえず、こんな感じでまずはエサトリを集める事から開始。
ちなみに、エサトリを集めるにも、集魚材ではなく、団子の握りと水分量で
集めていきます。最初は反応無かった状況が、だんだんオキアミが齧られ、
頭が取られ・・・と、取られる状況が刻々と変化していけば、場の作り方としては成功。
釣れてくるエサトリは磯ベラ、フエフキダイの幼魚・・・そしてオハグロベラ。
どうも、このオハグロベラが釣れる時って、非常に良くない時が多い気がします。
ってか、オハグロベラ自体、釣れる場所がそう多くないのですが、過去の経験上
良い思いをした事がありません。どなたか、コレについて詳しい方がいらっしゃったら
ご教授頂きたく思います。
話を元に戻して続き。結局、外側はどうも釣りの流れが良くなく、チヌが釣れる
雰囲気が一向に漂わない為、内側に場所変えしました。14時30分位だったと
思います。まあ、その内側で1枚釣れましたが・・・今回の展開で一番
難儀だったのが、②の軽い潮と③の食い渋り。この2点は密接な関係がありました。
軽い潮と言うのは、具体的に言うと粘りのないサラサラとした潮。
潮が軽いが故に、道糸は思いのほか沈下が早く、早い沈下の為に
それに掛かる抵抗が大きい為、Sサイズのウキでさえシモリ気味になります。
状況が状況だけにMサイズのウキを使用したかったのですが、魚自体が
食い渋っている為に、ある程度のアタリは出ても餌を離してしまい、アワせる
タイミングが掴めません。つまり、ベストなバランスを保つには道糸の沈下を
上手くコントロールし、且つウキが潮にもっていかれない状態を作らなければ
いけない事になります。でも、今回巻いていた道糸はラインシステムの深ナジミ。
潮への馴染みが早い分、逆にラインの沈下を抑える事が出来ず、没投の連続。
そんな中でも、サシエサが齧られたりしています。
ココがポイントで、サシエサが齧られているのに、アタリが出ない。今回の
状況でアタリが出ないのは、潮の軽さが一つの要因だったと思います。じゃあ、
アタリが出る様にすればいいじゃん!となるのですが・・・コイツが難しい。
ま、色々思案して、最終的にサルカンを外して道糸とハリスを直結し、バランスを
見直した次の1投で食ってきました。アタリもちっちゃかったのですが、何とか
ワンチャンスをものにしようとした結果でした。
今回は以上の様な状況で釣れたのですが・・・ココで1つ。
上記はあくまでも、色々試行錯誤する中で釣れた結果の記載となります。
釣れた事には変わりありませんが、はたしてそれが正解だったのか否か、
1尾しか釣れていない為、分かりません。私自身も、「今日はこのパターンが
合っていた」と言い切るには最低2~3尾程度は同じパターンで釣れなければ
ならないと考えています。その為、今回の内容は、「こんなアプローチもあるんだ」
程度で流して頂けたら幸いです。
幼魚とはいえ、初めて釣った。フエフキの幼魚。
チヌ32cm。
南伊豆
少し遅くなりましたが、先週末に釣行した南伊豆の模様を綴りたいと思います。
今回釣行した場所は、団子ではわりとメジャーな場所ですが、私はあまり好んで
伺う場所では有りません。メジャーであるが故に人も多く、自分のペースで釣りが
出来ないばかりか、盛期には場所取りが激しくて、真夜中から場所を抑えるなんて
事もありますから。ま、それなりに釣れるので、こんななんでしょうけどね。
今回の私のMissonは、同行のM君を永易流で洗脳(笑)する事。
かねてから、一緒に釣行を・・・との希望でしたが、何しろ、私が忙しくて・・・
なんとか、今回の釣行に漕ぎ着けた訳です。
ま、そっちの方は楽しく色々やりましたが、blogとしては、今回私が釣りを
展開する中で感じた事を書きたいと思います。
まずは団子、時期が時期なので軽い団子で攻めるつもりでしたが、サシエサを付けて
3投で団子を変えました。かなりエサトリが多く、団子の割れが早かった為です。
水分量も多目。パサ目はあまり良く感じませんでした。とはいえ、丸めて形になる
程水分が多い訳では有りません。キッチリ握る必要は有ります。
で、投点。今回は30m~35m程の遠目に投点を定めました。
これは、近投から探っていく中で、エサトリの案配が一番良く感じた場所になります。
また、若干深くなっていた事も理由の一つになります。
釣りの方ですが、午前中にポロポロっと釣れた何枚かと、夕方近くに釣れた
個体では、明らかに状況が違いました。
午前中の魚は、団子を触りにきて、モジモジと渋いアタリを繰り返しながら
ウキが入るのを待っているとそのうち離してしまってそれっきり。
つまり、チヌを捉えるには、ウキにアタリが出るなかで、一番大きなアタリで
あわせるか否か・・・判断が迷う所ですが、私が良くやるのは、モジモジしている中で
少し仕掛けを引っ張るパターン。すると、やっぱり乗りました。まあ、渋い時にありがちな
状況ですかね。
ちなみに、チヌは若干渋めでしたが、ヘダイは元気でした。
鬱陶しい程の多さではありませんでしたが、ちょっとコイツはかわすのが厄介。
とりあえず、自分はかわすのではなく、ボラを呼び込む事にしました。
ヘダイが釣れ出したらヘダイばかりなので、とにかくボラを呼び込み、
状況を変える作戦。ちなみにボラを呼び込むのは、集魚に頼るのではなく、
団子の水分量と握り加減。これで十分ボラを反応させる事が可能です。
ボラが寄っているときには、あまりヘダイの感じは無く、ボラが居なくなると
ヘダイの雰囲気。思った状況に持ち込んで、チヌが反応するまで我慢。
こんな状況で展開しました。
状況が一変したのは、午後。多分15時頃からだと思います。
群れが一気に入ってきた様子で、それなりに雰囲気があるけど、思った様に
食い込まない。どうも魚にヤル気が感じられず、試行錯誤を繰り返しました。
結果、分ったのはベタハワセで、団子が割れて暫くしてから、仕掛けの抵抗で
サシエサをズリズリとひきずり始めたら食ってくるパターンでした。
このサシエサが動くって所がミソですが、ただ動かせば良いという訳ではなく、
ウキをMにして、仕掛けを詰めた状態で動かすのはNGでした。
SSのウキでベタハワセ。その状態で団子が割れた後に少し動く感じですかね。
そんな攻め方が合っていた様に感じました。
あ、そうそう、大事な事を書き忘れてましたが、団子は締めすぎると駄目でした。
どうも、芯圧を抜いた方が良い感じでしたね。多分、サンバやヘダイが居たから
だと思いますけど。
結局、上記の事が分かるのに、丸一日を要して、チヌの釣果は6枚でした。
なんとなく、こうじゃないかな?って感じが分かりかけた気がしますので、
次回伺う際には、今回感じた事を最初から試し、検証したいと思います。