ゼビウス[AC版]で遊んでみた(レビュー71) | バーチャルコンソールクエスト

バーチャルコンソールクエスト

ゆるゆるゲームブログ

不定期でお送りしておりますバーチャルコンソールレビュー。
71回目の今回はアーケード版のゼビウスをお送りします。
それでは

ゼビウスは1983年にナムコから発売されたシューティングゲームです。

デモのクレジットは1982年となってますがこれはロケテストの時のもので
正式には1983年2月リリースだと記憶してます。
アーケードの作品はこういうの多いですよね。

そうそう、そういえばロケテストについてここで触れた事あったっけかな。
まあ、今でも行われてるんで知ってる人も多いかと思いますが軽く説明しましょう。
ロケテストってのは完成間近の作品を、実際にお客さんに遊んでもらうことで
この結果を受け難易度調整やデバッグ等最終調整して出荷。
というのがアーケード製品発売までの流れでしょうか。
各メーカーの直営店で期間限定で行われる事がほとんどですね。
僕が贔屓にしてたお店はセガ直営だけどロケテにぶちあたったことはなかったなあ。
ただ、大型筐体でいち早く遊ぶ事は出来ましたな。
アフターバーナーとか、ギャラクシーフォースとか。
で、見つかった問題点を改修してアフターバーナーⅡとかギャラクシーフォースⅡとか
直ぐさまリリースされたから実質ロケテですなw



それにしても1983年、中一か、中二病発症直前だなwww
じゃなくて。
あの、僕ですね、中学の最初の身体測定で記録した身長が130㎝なかったんですよ。
128㎝だったかな。
今家にいる10歳児でも130越えてるからなあ。
相当ちびっ子ですねwww
小学校の修学旅行で長崎のアイスクリン売りのおばはんに
「はあ、最近は幼稚園も修学旅行にくるんだね」と
真顔で言われた屈辱は今でも忘れないわ。
そんなちびっ子だったんで、ゲーセンに行くのは相当勇気が入りましたねえ。
といっても友達と毎日のように行ってましたがw
だってさ、小学生のような体格で急にレベルが上がる部活なんて出来っこないぜ。
文化部にも全然興味ない僕は早々に帰宅部確定w
ヤンキー文化花盛りの世代でもありますがあっち側の世界もほど遠く
これといって勉強ができる訳でもなく
つねに気配を消して生きる日々だったなあ。
怯えながら通ったゲーセンが数少ない、唯一と言っていい僕の居場所でした。
だから未だにゲームの話して恩返ししとる訳ですwww
もうあの時代には絶対戻りたくないけれども
あの頃のゲームセンターにだけはまた、もし行けるなら行ってみたい。
あの頃の僕が何を見てたのかちょっと確かめてみたい。

えー、そんなちびっ子だった僕ですがなんか25歳位まで身長が伸びたお陰で
なんとか人並みに成長しておりますwww



おいっ、ゼビウスの話はどこ行った!!!

失礼しました。
だって今更ゼビウスの話したって仕方ないじゃない。
プロが散々書きなぐってるよ。
もういいよ、ここでいいよ、もうおしまい。




という訳にも、行きませんねwww
ちゃんとやりましょう。



1983年当時のゲーセンってのはインベーダーハウス崩れの
テーブル筐体で埋め尽くされたものがほとんどだったんじゃないでしょうか。
アップライトはデパートの屋上とか遊園地とかでしか見かけなかったなあ。
稼働してたゲームもインベーダーからポストインベーダーの時代に生まれて来たもので
グラフィックとしては黒い背景に原色のギラギラしたキャラが動くグラフィックのものが
体勢を占めてましたかな。
ディグダグの横にコピー基盤のZIGZAGが普通に並んでたりするカオスの時代でもあったw

そのような状況で出て来たゼビウスですが
まずは見た目が鮮烈でしたね、次元が違いすぎました。
明らかに異質というか、ゲーセンから完全に浮いてましたね。
ゼビウスの基盤が刺さったテーブルだけ、完全に空気が違いました。
ぱっとデモ画面見ただけでは、そこで何が起きてるのかちょっと分からなかった。
これはゲームなのかと思った。
スクロールするゲーム自体は既に登場して人気を博してたんです。
アイレムのムーンパトロールとか、コナミのスクランブルとか。
それでも、それらはまだ架空の世界の出来事というか
僕らの知ってる色使いの、当時としてはよく見かけたゲームらしいグラフィックでした。
けれどもゼビウスの画面は、普段目にしてるような森や海が広がってるんですよ。
これにはほんと驚いたなあ。


こういう異質のゲームは年長者から手を出すのが習わしでしょうかねw
ヤンキーの巣窟という一面を持ったゲーセンでしたが
ゼビウスの周りだけはちょっと違った。
賢そうな高校生や大学生らしいお兄さん達が群がっていたのもとても印象に残ってます。
つーか、ポストインベーダー世代のゲームは20円で遊べたんですが
ゼビウス100円だったんですよ、入って来た当初。
100円は大金でしたねえ、当時は。
これ1プレイに100円賭ける勇気はお年玉貰ったり臨時収入があったりとか
しない限りなありませんでした。
サスケvsコマンダー5プレイの方が僕には価値があったなw

それでも、やっぱ触りたいんで、友達と50円ずつ出して1機ずつ、
なんてことやってたのを今思い出したよw
3機目はじゃんけんwww


見た目の衝撃とは裏腹に、当時プレイした印象は実はそこまで良くなかったんです。
なんでかというと難しかった、当時の僕には。
地上物と空中物を別々に撃ち分けるというのが全く未体験の領域でほんと難しかった。
難しいと思ったもうひとつのは敵の美しさかな
今見ると簡単な関数で制御されたシンプルな動きだけど
グレースケールで表現されたメタリックな質感の敵のドットのアニメが
非常に有機的な印象を与えて活き活きと見えましたからねえ。
地上物破壊した後の残骸もリアルで、なんとなく焦げ臭い気にさせるものでしたし
ちょっと、敵に見とれてしまいプレイに集中できてなかったというのもありますw
なもんで、心惹かれつつもあんまし遊ぶことはありませんでした。
もっぱらギャラリー専門。
遊んだゲームというより眺めてその美しさにため息をつくゲームでした。



その後いろんな機種に移植されたゼビウス、今度はVCAに登場。
遊びますよ、今度は心行くまで遊びます。

操作は8方向レバーと二つの攻撃ボタン。
空中用のザッパーと地上用のブラスター。
ザッパーはそれまでのシューティングにもあった普通のショットで
昔は1画面に撃てるショット数に限りがありましたがゼビウスは1画面3連射まで。
そしてブラスター、中一の僕を悩ませた対地兵器。
ゲームの自機であるソルバルウの前方には四角い照準がセットされており
地上物をそれで捕捉し、その地点に爆弾を投下するという代物。
ばりばり撃ち落としていける空中物と違い
きっちり狙いを定める必要がある、プレイヤーの腕を要求する要素なんですが
それだけにここをきちんと使いこなせると敵を粉砕するだけのザッパーと違い
狙い通りのプレイが出来たという達成感を得られる要素でしたね。
しかし、縦スクロールシューティングではこの要素は段々姿を消しちゃいましたね。
地形も攻略要素として用意出来る横スクロールでは
2種類の撃ち分けは攻略するための装備として十二分に価値がありましたが
縦シューはトップビューでしたからね。
試みとしては面白いけど横シューと棲み分けるには
上下の撃ち分けよりも圧倒的火力で敵を粉砕するという爽快感に重きを置いた
進化をみせましたからなあ。
そして最後には避けることに快感を求めていきましたしw
もはやシューティングではないのかwww
振り返ると色々面白いものが見えますなw

心行くまで遊ぶようになったのはPSのナムコミュージアムからなんで
VCA版で大いに感動、と言う事は無かったけれど
やっぱ楽しいですわ、ゼビウス。
ナスカの地上絵とか出てくるとうれしいですね。
ゲームで遊んでるというよりも観光旅行してる気分ですw
あの、ここで世の中の多くの人が遊んでるであろうファミコン版とちょっと比較。
オリジナルはファミコン版より優しいと思います。
理由はソルバルウとブラスター照準の距離。
縦画面の縦スクロールシューティングを4:3のテレビ画面に移植したファミコン版は
どうしても狭く感じる。
ファミコン版しか知らない方にはその画面の美しさといっしょに
画面を広々と使える点にも驚くんじゃないかと思います。
照準との距離が長い、ということは死角が多い、と思われそうですが
敵の地上物は攻撃を仕掛けて来ますので
その点では照準が先にある方が敵の攻撃を回避しつつ狙うのが容易で
ファミコンではあれだけ苦労したアンドアジェネシスを
けっこうあっさり沈める事が出来たりします。
まあこれは、あくまでも僕のプレイした感想ですけどね。


ゼビウスといえば、作品の完成度の他に
遠藤雅伸氏が作り出した壮大な設定に魅了されるた方も多いかと思います。
侵略してくるインベーダーを倒すだけだった世界から
知性体ガンプ率いるゼビウス軍とそこに立ち向かう人類。
宇宙とかムーとか独自言語ゼビ語とか当時流行ってたオカルト雑誌の要素に加え
ゲーム中のキャラも当時流行っていた映画からパクッたインスパイアされた
デザインのもの多くそのオタク心をくすぐる世界観に
僕らより上の世代、高校や大学でゲーム同好会なんかやってた先輩ゲーマーたちは
大いに熱狂したんじゃないでしょうか。
エヴァほど世間を賑わす事はありませんでしたが
あの時代にゲームの同人誌まであったということを考えると
エヴァ現象に近い熱気があったんじゃないか、と思います。

熱狂と言えば、ステージに隠されてるソルとスペシャルフラッグ。
このふたつの存在もゼビウスを語る上では外せません。
パックマンのフルーツターゲットあたりから
ナムコの作品には隠しキャラに繋がる要素はあったんですが
ソルとスペシャルフラッグは隠しキャラ、というものを世間に認知させた存在だと思います。
現に、これ以降シューティングのみならずアクションでも
たくさんみられるようになりましたもんね。
VCAに積極的に作品リリースしてるテクモなんかモロそうですよw

そして、そんな隠し要素探しがエスカレートした結果生まれたのが
バキュラ256発破壊説。
今では笑い話ですが当時はだれもが挑戦した事あるんじゃないでしょうか。
テクモはここすらもスターフォースに盛り込んだので
どんだけゼビウス好きなんだと思ったり思わなかったりwww


うわさ話までもがのちのゲームに影響を与えるえらいゲームでした。
こんなゲーム他にはありません。
あ、スーパーマリオがあるか。
とにかく、ゲームの可能性を大いに見せつけてくれたゲームでした。
それまでなら映画とか、マンガとか、小説に流れていってたような気がする才能ある若者が
インベーダーでゲーム業界に注目し、
そしてゼビウスで本気になったんじゃないか、と思うのです。
それほどまでに、衝撃的でした。
今までゲーセンで沢山のゲームで遊んできましたけど
デモ画面で息を飲んだのはゼビウスが唯一だといってもいいかと思います。
これはほんと、人生観を変えるきっかけになり得るゲームだったと思います。
今はもう、なんていうんでしょう。
情報が溢れすぎてますんで人生観を変えるものに出会うにも
それなりの訓練が必要だと思いますがこの頃は何も無かった分
たったひとつのゲームのデモ見ただけで心から感動出来たんだろうなあ。
大変な事ばかりの10代でしたが
こういった感動に出会えた事実は素直に喜びたいと思いますw
リアルタイムでゼビウスに出会えてよかった。



ゼビウス
アーケード:バンダイナムコゲームス:2009年9月2日配信開始
DLに必要なニンテンドーポイント:800