不定期でお送りしておりますバーチャルコンソールレビュー。
72回目の今回はファミコン版ゼビウスをお送ります。
それでは
ファミコン版ゼビウスはオリジナル登場から約1年半後の
1984年11月8日に発売されました。
ハドソンのナッツ&ミルクを皮切りにサードパーティがファミコン市場に参戦。
アーケードで人気メーカーの地位を確立していたナムコは
1984年9月にギャラクシアンでファミコンデビューしまして
家庭用にリリースする際はナムコットというレーベルで出してました。
11月2日にはパックマンをリリースし
その1週間後に出したゼビウスはナムコットのファミコンソフト第三弾であります。
すごいペースだw
まあ、なんといいますか、人気作買うならこれもいっしょに買えよ!
という抱き合わせ商法が横行していた時代、
ギャラクシアンとパックマンは抱き合わせ商材として常連でしたし
(うちの近所のおもちゃ屋では)
作ったら売っとけ、みたいなゲームメーカーのスタンスは
今も昔もそんなに変わってないのかも知れないですなあwww
さてさて、ファミコンの歴史を見ていきますと、そうだなあ…
やっぱスーパーマリオとドラクエか。
1985年後半辺りからファミコンオリジナルタイトルの名作が登場し始め、
ファミコンでしか遊ぶ事の出来ない、ファミコンじゃないとだめだ!
と、ファミコン人気が大爆発しましたが
(ゲームには無縁そうな女子や親までもが遊びだしましたからね)
それ以前のファミコンと言えばアーケードタイトルや高価なパソコンしか遊べないパソゲーを
安価で提供してくれるハード、といった印象でした。
ドラクエ以前は特にその傾向が顕著、というかスーマリ等任天堂タイトルと
バンダイが出してたキャラゲー以外はほとんどが移植作でしたよね。
ファミコンの存在意義は、プレイするのにお金の掛かるアーケード作品や
金持ちのボンボンの家でしか遊べないパソゲーを
いつでも好きな時に好きなだけ遊べるという一点にあったと行っても過言ではないでしょう。
グラフィックが劣化してようが容量の関係でステージが削られようが
とにかく家で好きなだけ遊べるってのは大きかったですなあ。
とはいえ移植の善し悪し、そしてゲーム自体の風化なんかもありまして
全部が全部大満足、という訳にはいきませんで痛い移植も沢山ありました。
ナムコットレーベルはどれも移植度は高いんだけど
ギャラクシアンやパックマンはゲーセンで常に新しい刺激を受けてた僕らには
ちょっともの足りませんでした。
しかし、ゼビウスはねえ。
前回アーケード版について書きましたが
とにかく事件と言っていい歴史的傑作ですから
作品自体の風化はあり得ない。
発売から1年以上経っててもその人気は絶大でした。
そのゼビウスがファミコンで遊べる。
特に僕のような怖いお兄さんに怯えながらゲーセンに通ってた
単にゲーム好きだった青少年にはこれ以上無い朗報でありました。
いよいよ発売日を迎え、我が家にやって来たゼビウス。
昔は紙のパッケージにビニール一枚被せただけの超簡易包装でしたね。
エコですよ、エコwww
しかしほんとにぎっちぎちの作りだったんで
乱暴に扱うと外箱破れたりしてね。
今はその辺にゲーム山積みにしてても平気になっちゃいましたが
当時はゲームは宝、汚すとか破るとかもってのほかだったので
それを、はやる心を抑えつつゆっくり開封。
そして…
有野、オーンwwwww
目の前にゼビウスがあります。
今冷静に見ると、相当劣化してる…
というか、Wiiのチャンネルでアーケードとファミコン版並べて眺めてましたけど
ファミコンのタイトルの劣化っぷりは酷すぎますなw
そこまで容量が回らなかったんですよね、分かります、分かりますともwww
タイトルはほんとにあれなんですが
いざスタートしてしまえば、そんなことはどうでもいいです。
ゼビウスで実際に遊べている。
この感動はこれまた凄かった。
画面比率がまるで違うとか、アンドアジェネシスが固定砲台状態とか、
ナスカの地上絵が無いとか、その他諸々アーケードより劣る面は沢山ありましたが
敵の動きや操作性、音楽、そして隠し要素なんかはばっちり移植されてました。
ゲームの移植かくあるべき。
今でも過去の名作が移植されることはよくあります。
マシンパワーは格段に上がってるので完全移植問題ないでしょ?
という時代でもなお、がっかりする事がよくあります。
グラフィックの移植はさほど問題ないのにがっかり、なんてことがよくあります。
ゲームとは見た目の情報以上にプレイした時の感覚、
フレームレートやゲームバランスの善し悪しの方が重要だという事なんだろうな。
ファミコン版ゼビウスは、画面比率の変化なども考慮しつつ
プレイした感覚を忠実に移植しようとしたんでしょう。
グラフィックの劣化なんて、ゲームとしての根幹がしっかり移植されてれば
すぐに気にならなくなります。
おー、ソル出たよー、スペシャルフラッグも出たよー!!!
と、喜々として遊び続けたもんです。
そして21世紀。
オリジナルとファミコン版が隣り合わせという凄い時代が来ました。
当然、遊び比べたくなりますよ。
と、わざわざ並べて、前回今回と連続レビューしてみようという事にw
アーケードは相変わらず最高だった。
ファミコン版はどうだろう…
こっちも最高だった。
いや、ほんとうにがんばって移植してます。
それはもう泣けてくるほどよく出来てる。
VCなんで交互に遊べたりしますからね。
記憶が鮮明なうちに遊び比べられますんで便利だw
にしても感心するなあ。
ファミコン版登場当初ハードも牽引したんじゃないかと思われるその実力は
20年以上立った今も健在でした。
オリジナルの偉大さがあってこそですが
スペックの劣るファミコンでここまでやってのけたこの事実。
これはこれでしっかり語り続けて行きたいところであります。
綺麗にまとまったw
これにて終幕。
と行きたい所ですが、ファミコン版ゼビウスにはどうしてももう一つ。
語っておきたい事があります。
ファミコン版ゼビウス登場からしばらくして、衝撃的なニュースが駆け巡りました。
ゼビウス無敵コマンド発覚!!!
タイトル画面でロゴのぴかっと光る部分が移動している間に
コントローラーIIのAを押しながら、右を9回・上を2回・左を2回・下を9回入力すると
画面に8桁の0が出るので一番左を1にしてリセットすると無敵。
といったものでした。
その昔裏技ブームというのがありまして仕込んであるものから
バグ技までいろんな裏技が発見されましたが
これはテストプレイ用のデバッグモードのコマンドが流出した形ですね。
一番最初に情報流したのなんの雑誌だっけ?ファミマガだっけか?
なんか周りでゼビウス無敵になれるってぜ!!!
と大騒ぎしてたのだけはよく覚えてるけど細かいとこを忘れちゃったなあ。
さてさて、こんな美味しい情報知ってしまったら実践せずにはいられません。
早速コマンド入力し無敵のソルバルウを体験。
被弾音がしても沈まないソルバルウ。
安藤君(アンドアジェネシスの愛称)も楽々撃破。
そして一度も到達した事がなかったエリア16にも楽々到達。
無敵最高だー
と、思ったのは最初の1回のみでした。
無敵はつまらん。
やっぱ、ちゃんと遊んだ方がゲームは面白いな。
実力で到達してこそだよな。
到達出来なくてもそこへ至る過程が楽しいんだよね。
自らゲームの面白さを放棄してなんになろう。
そんな手を使ってクリアする位なら詰んだ方がマシだな。
そんな、ゲームに対する価値観を覚えた中二の冬、いや中三の春?
あれは色んな意味で面白い体験でした。
ゼビウスという作品を印象深いものにしている理由のひとつ。
ゲーマーとしての心構えを教わった作品でもあったのでした。
ゼビウス(ファミコン版)
ファミコンソフト:バンダイナムコゲームス:2006年12月2日配信開始
DLに必要なニンテンドーポイント:500