ということで、バーチャルコンソールレビュー49回目の今回は
僕が酔っぱらうゲーム、ソニック・ザ・ヘッジホッグをお送りします。
ええ~っ、ソニックが酔っぱらうゲームぅ(゜д゜;)
すんません、そのまさかです。
ソニック酔っぱらいます。
酔っぱらうっつうか、正確には目が回ると言いますか…
ソニック・ザ・ヘッジホッグ。
日本ではセガの看板キャラ、不遇なハードで独り頑張ってた青いハリネズミ。
ぐらいの評価かもしれません。
メガドライバーがどんなに絶賛しようともメガドラはやはり負けハードでしたから。
ほんとソニック以外にもいい作品色々あるんですけど。
でも仕方ないかなあ。
しかし海外に目を向けるとソニックはマリオに勝るとも劣らない
というかマリオより勝ってるかもしれない超人気キャラであります。
日本では冷ややかな目で見られていたような気がするソニックのスマブラX参戦も
海外では喜びの声で溢れてましたからね。
もともとソニックは北米でスーパーNES(海外版スーファミ)より
先行して発売されていたにもかかわらず苦戦していた
ジェネシス(海外版メガドラ)の起爆剤となるべく
打倒マリオを目指し準備された対北米市場用の作品だったりします。
発売日も北米版ソニックの方が日本より約1ヶ月早いですしね。
カートゥーン調のキャラクターに舞台設定、
いいゲームにはシステムやゲームデザインなど発明に近い見所があるのですが
ソニックは、ソニックというキャラクターを生み出した所に発明がありますね。
セガは過去にアレックスキッドのアレクを看板にしようとしてた時期がありますが
看板に据えるにはちょっと地味、しかもメガドラ版の出来がイマイチで
ゲーマーの信頼を失ってしまいました。
ファンタジーゾーンのオパオパにも白羽の矢が立った事があり
アニメ・赤い光弾ジリオンにちょうどガンダムのハロのような立ち位置で出演しましたが
マリオやパックマン等他社の看板キャラに並ぶにはちと役不足。
(ちなみにジリオンは超名作であります。僕はこの頃RPGプレイする時必ず
主人公の名前はジリオンの名敵役、バロン・リックスの名前を使ってました)
そんな感じで技術力は高いのにキャラや世界観はイマイチなものが多かった
セガ作品の中にあってソニックは突如表れた特異点でありました。
なんせゲームキャラという枠を越え、ぬいぐるみからTシャツまで
数多くのキャラクターグッズが生み出されましたもんね。
丁度UFOキャッチャーの人気と重なったという幸運もありますが運も実力のうち。
人気を獲得する時は意外にあっけなく、しかも一気に登り詰めちゃうような気がします。
こうして現在までセガの看板を背負う人気キャラは誕生したのでした。
キャラの人気もありましたが北米では日本ではあまり見られない比較広告で
実際にマリオワールドと比較してスピード感を強調するTVCMを流すなど
マーケティング部隊もフル稼働。
その甲斐あってか、ソニックは見事ジェネシスのキラーソフトになるという大役を果たし
またジェネシスも北米では任天堂と互角以上の戦いを繰り広げた人気ハードとなります。
いやほんと外国でのソニック人気はすごいですよね。
なんせVCにXBLA、そしてipod用のゲームとしてまで供給されてますから。
90年代にアニメやアメコミになってたりしますし。
どんだけ好きなんだとw
パックマンも擬人化されて日本人の想像を超えすごいことになってたりしますが
やっぱり分母の大きい海外市場で成功するということはすごいですね。
いやあ、ゲームのキャラクターがここまで支持されるとは
セガ自体も予想してなかったんじゃないかなあ。
さてさてさて、そんな感じで国内外ではかなり温度差のあるソニック人気ですが
肝心のゲーム内容はといいますとこれは素晴らしいの一言。
やっぱりゲームでありますからゲームが面白くないとね。
打倒マリオを目指し作られただけあってステージ構成や
リング集めなど一見するとマリオの亜流かと思われる内容であります。
ひょっとするとそう思ってる未プレイの若い人もいるんじゃないかな。
がしかし、これが遊んでみると全くの別物。
マリオが、隠されたギミックを見つける楽しさに溢れた作品だとすると
ソニックはその名の通り、音速の勢いでステージという名のレールを
一気に駆け抜ける爽快感に満ちたジェットコースターゲームであります。
マリオとソニックは楽しみ方がまったく違いますね。
操作は極めて簡単。
十字キーで移動、1ボタンでジャンプ、これだけ。
キーを入れれば勝手に加速していきますので
いつでも自由に音速の走りを楽しむ事が出来ます。
横スクロールアクションは基本覚えゲーであります。
コースを覚え、敵の配置、攻撃パターンを覚え、攻略。
その為には何回も何回も痛い目に会う事になります。
このトライ&エラーの過程を楽しめるかどうかが名作と凡作の分かれ道。
昔のゲームは敵に触れると一発即死のゲームが多かった中
ソニックは初心者にも易しいシステムを採用しておりました。
それがリングですね。
マリオにおけるコインは、1upのために集めるアイテム
要はトライ&エラーの回数を増やすアイテムでありますが
ソニックのリングは命綱でありました。
ソニックはリングを一つでも持っていれば敵に触れても
リングを落してしまうだけで済む仕様であります。
また落したリングは再び回収する事ができますので
敵に触れて死んでしまう可能性は極めて低くかったのです。
なのでクリアするだけならけっこう簡単かもしれません。
しかし命綱であるリングにはもうひとつ役割がありまして
50個以上保持してゴールするとスペシャルステージにワープ
スペシャルステージあるカオスエメラルドをすべて回収しないと
真のエンディングにたどり着けなかったりするので
ソニック道を極めるには簡単操作や初心者に配慮したシステムとは裏腹に
けっこうシビアなコントローラが要求されるのでした。
つまづきつまづきクリアしてもいいんですけど
それじゃ楽しくないんですよね、こいつは。
つまづきつまづきしながらコースを下見。
そして覚えたら一気に駆け抜けるべく走り込み。
慣れて来たらリング50個オーバーの壁へも挑戦。
この壁を超え、理想のルートを駆け抜ける事が出来た時の快感は
当時味わった事がないものでした。
そうだなあ、レースゲームのタイムアタックに似た快感があります。
そうそう、そういった意味ではソニックのライバルはマリオでなく
エキサイトバイクあたりだったかもしれませんなあ。
僕の勝手な予想ですがw
走りの気持ちよさには確かに相通ずものがありますよ。
細かい所にうるさかったメガドライバー目線でいうと
回転機能がないメガドラ上で、プログラムによって回転するステージを実現させた
中裕司氏の超絶プログラムに度肝を抜かれておりましたな。
セガ命な友人がもうしきりに技術方面で褒めちぎっていたことが
昨日の事のように思い出されます。
ぼくはそれよりもドリカムの中村正人氏がけっこうちゃんとした
素晴らしいゲーム音楽を手がけていた事に驚きましたけどね。
いい仕事するじゃないかと。
中村氏のソニックのお仕事は、ゲームをやった事無い人でも
聴いた事ある人は多いと思いますよ。
あの、ピンク色の筐体のUFOキャッチャーのBGMはソニックのBGMですから。
そんな感じでマリオとは違った魅力に溢れた
セガを、そして時代を代表する名作ではあるんですけど…
僕はそのスピード感溢れるソニックの走りに
目を回しちゃって心底楽しめませんでしたorz
面白さは十二分に理解したんですけどねえ。
うえー、また酔っぱらっちゃったー
という記憶ばかりであります。
本来ならもっと早くに取り上げるべきだと思うソニックですが
そんな理由で先送り、先送りして参りました。
しかし2年目突入しましたしそろそろ取り上げねば…
と意を決してダウンロードしてきた次第であります。
さあ、始めての出会いから18年近い月日が流れております。
僕も少しは酔いに強くなったかもしれません。
なんせこいつは2D、今のゲームの3D酔いに比べたら屁でもないはず。
と自分に言い聞かせながらプレイ開始。
冒頭の、セーガーの音声の懐かしさに涙しながら位置について、よーい、どん!!
ゾーン3で酸っぱいものが喉元まで上がって来たよorz
バカバカバカッ、酔い体質の僕のバカッ
しっかしあのスピード感酔うなあ。
そして目が回る。
映像酔いってやつですね。
ある意味、中さんの超絶プログラムが実現な
流れるようなスクロールのなせる技。
人を酔っぱらわせちゃうほどすごいスクロールスピード、
とも評せそうですが酔う身には辛うございます(ノ_-。)
この症状は先に書いたポケモン問題の話の、総務省のレポートで言うなら
モーションシックネスだと思われます。
最近だとアニメの手ぶれ効果を再現した演出もちょっと酔いますもんね。
3D酔いは気持ち悪くなるだけですがこっちは目が回るのでたちが悪い。
くっそう、面白いだけに悔やまれるなあ…
と思ったんですがそういやこれバーチャルコンソール版じゃないか。
目が回ったら中断すればいいじゃないか!!
一筋の光明が見えて参りました。
連続プレイは難しい僕ですがこつこつ1ステージずつクリアしていけば
真のエンディングにたどり着けそうですよ。
無印のソニックはミスったときの復活ポイントの一部に
復活が難しいポイントが見受けられます。
2以降はスピンダッシュが使えるようになりこの問題は解消されるのですが
本作はこれが使えないので少々しんどかったりします。
まあ無印故の荒削りな部分ですね。
なのでもしソニック未経験な方ならまずは2をおすすめしたい所ですが
ステージを駆け抜ける楽しさ、そしてDr.エッグマンとのバトルと
基本の楽しさは既に形となっておりますので本作にもいずれ触れて頂ければと思います。
いやほんと、中断機能あってよかったなあ。
自由に休憩取れるからほんと助かりますね。
ビバ!バーチャルコンソール!!
そしてビバ!ソニック!!
ソニック・ザ・ヘッジホッグ(セガ)
メガドライブソフト・2006年12月2日配信開始
DLに必要なWiiポイント:600
僕のおすすめ度 70%
(やっぱ酔っぱらうので)