「な、なんで…」
驚きにかすれた声で麻琴は呟いた。
―目の前にアメリカにいるはずの誠人がいる―
あんなに会いたくて会いたくて堪らなくて不安でいっぱいになっていたのに突然の再会に麻琴は息を詰まらせて次の言葉が出てこなかった。
「だからさっき説明しただろうが…。あ、教科書は新しいのになってるからちゃんと川本が見せてやれよ。まぁいい、早く席につけ。」
呆気に取られて溢れ落としそうなくらい丸い目を開けて口をパクパクさせる麻琴に高橋は面倒くさそうに手をヒラヒラさせて促した。
「あ……はい。」
麻琴は顔を赤らめながら腰を下ろし誠人も隣の席についた。
あの時と同じだ―
しかし確実に違うところが1つあった。
麻琴は隣に座る誠人に目を向けると誠人はクスっと小さく笑い優しく微笑み返した。
そして2人の無言の会話は視線に乗ってしばらく絡み合い溶けていった。
その日2人は授業中机を付ける度に同じ教科書を見ながらも、人目につかないところでどちらからともなく手を固く繋ぎあうとお互いの体温を確かめあった。
驚きにかすれた声で麻琴は呟いた。
―目の前にアメリカにいるはずの誠人がいる―
あんなに会いたくて会いたくて堪らなくて不安でいっぱいになっていたのに突然の再会に麻琴は息を詰まらせて次の言葉が出てこなかった。
「だからさっき説明しただろうが…。あ、教科書は新しいのになってるからちゃんと川本が見せてやれよ。まぁいい、早く席につけ。」
呆気に取られて溢れ落としそうなくらい丸い目を開けて口をパクパクさせる麻琴に高橋は面倒くさそうに手をヒラヒラさせて促した。
「あ……はい。」
麻琴は顔を赤らめながら腰を下ろし誠人も隣の席についた。
あの時と同じだ―
しかし確実に違うところが1つあった。
麻琴は隣に座る誠人に目を向けると誠人はクスっと小さく笑い優しく微笑み返した。
そして2人の無言の会話は視線に乗ってしばらく絡み合い溶けていった。
その日2人は授業中机を付ける度に同じ教科書を見ながらも、人目につかないところでどちらからともなく手を固く繋ぎあうとお互いの体温を確かめあった。
「席につけ。朝礼を始めるぞ。」
圭介に連れられて教室に朝礼時間ギリギリに入ってきた麻琴達は去年に引き続き担任の高橋の代わり映えのない言葉を聞きながら窓際の席についた。
『今日もいい天気だなぁ。』
朝礼そっちのけで麻琴は窓際の机に頬杖をつきながら校庭を見渡した。
校庭では葉をつけ始めた木々が初夏を告げようとしていた。
『そういえば速川に出会ったのもこんな時期だった気がする…』
麻琴はその新緑に目を細めながら誠人の姿をその瞳に浮かべた。
電車の中で誠人と出会い、その姿は鮮烈でヒーローがそこに佇んでいるようだった。
もしかしたらひとめぼれだったのかもしれない―
麻琴はそんな考えに行き当たり人知れず微笑んだ。
そして今日のように朝礼ギリギリで教室に入ってきたのを思い出した。
そこにはただただ日常の光景を過ごす麻琴の前に漆黒の瞳が麻琴を見ていた。
そう、こんな風に―
しかし麻琴の瞳には浮かぶ誠人の瞳と微妙に違う瞳が重なって映った。
優しく麻琴を見つめるその瞳が現実に存在するものだと気づいた瞬間、麻琴は勢いよく立ち上がった。
圭介に連れられて教室に朝礼時間ギリギリに入ってきた麻琴達は去年に引き続き担任の高橋の代わり映えのない言葉を聞きながら窓際の席についた。
『今日もいい天気だなぁ。』
朝礼そっちのけで麻琴は窓際の机に頬杖をつきながら校庭を見渡した。
校庭では葉をつけ始めた木々が初夏を告げようとしていた。
『そういえば速川に出会ったのもこんな時期だった気がする…』
麻琴はその新緑に目を細めながら誠人の姿をその瞳に浮かべた。
電車の中で誠人と出会い、その姿は鮮烈でヒーローがそこに佇んでいるようだった。
もしかしたらひとめぼれだったのかもしれない―
麻琴はそんな考えに行き当たり人知れず微笑んだ。
そして今日のように朝礼ギリギリで教室に入ってきたのを思い出した。
そこにはただただ日常の光景を過ごす麻琴の前に漆黒の瞳が麻琴を見ていた。
そう、こんな風に―
しかし麻琴の瞳には浮かぶ誠人の瞳と微妙に違う瞳が重なって映った。
優しく麻琴を見つめるその瞳が現実に存在するものだと気づいた瞬間、麻琴は勢いよく立ち上がった。