CRISIS CORE 16th mission(プレイ日記) | Trashy Discovery

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ザックスがクラウドのもとへ駆けつけると、ホランダーは今にもその魔手をクラウドに伸ばさんとしていたところでした。


「クラウド、逃げろ!」

ザックスは叫びますが、クラウドに反応はありません。


くっ!

ザックスの距離はクラウドからまだ遠く、このままでは連れ去られてしまいます・・・


その時、一陣の風がザックスの横を通り過ぎました。


アンジール・・・?

白い片翼を羽ばたかせ、クラウドを守るように割って入ります。

ホランダーは分が悪いと悟ったのか、片翼の主を突き飛ばすと、一目散に逃走し始めました。


「逃がすか!!」

ザックスはホランダーを追いかけます。




ホランダー

とにかく卑怯なヤツ(笑)

「もの凄く臭い息」を吐いて、ザックスを様々な状態異常にしてきます。

気持ちの悪い芋虫を何匹も召喚したりするし・・・

「亜空間ミサイル」で、ザックスのHPを八割減らす攻撃もします。

リボンがあれば楽勝なんですけどね。



勝利すると、ホランダーの体は緑色の光を放ちながら掻き消えます。

ザックスは一瞬だけ哀れむような視線を向けると、クラウド達の所へ戻って行きました。






「久しぶりだな――フッ」

クラウドを救ってくれたその人物が、ザックスに声をかけます。

劣化のせいで髪の毛こそ白くなっていますが、その顔はまさしくアンジールその人でした。


「ハハッ・・何だよ、あんなのにやられるなんてさ!」

わざと憎まれ口を利くかのようなザックス。

ヤンチャな表情をして、手の上でバカリンゴを放り投げています。

もう会える事など無いと思っていた人に出会えた事で、嬉しさ、驚き、様々な感情が渦巻いているのでしょう。


「1stのようには戦えない。私はアンジールのコピー」

その人物は、自嘲気味に笑いながら首を振りました。


「コピー?」

どういう事だ・・・?

ザックスは眉を顰めます。


「ラザードだ」

立ち上がり、ザックスと向き合います。




ラザードは、神羅に対して深い憎しみを抱いていました。

復讐を遂げる為に、ホランダーを利用しようとしていたのです。

けれどその考えは甘く、ラザードはホランダーの罠にはまり、アンジールの細胞をコピーされてしまいました。

図らずも埋め込まれたアンジ-ルの細胞は、ラザードにある変化をもたらし・・・


「不思議な感覚なんだ・・・」

穏やかな表情で言うラザード。


「ん?」


「私の人生を支配していた復讐の事など忘れてしまった。

代わりにあるのは―― 君達を助けたい・・・ジェネシスを救いたい・・・

いや、もっと大きな気持ちだ。そう・・私は世界を救いたい」

何かを掴もうとするかのように、右手を伸ばすラザード。


ザックスはゆっくり歩き出すと、バスターソードを掲げました。


「不思議でもなんでもない、それがアンジールなんだから」

キッパリと言い切り、バスターソードを見詰めます。


ラザードは微かな笑みを浮かべますが、真剣な表情に戻り、

「ジェネシスは『女神の贈り物』を手に入れようとしている・・・しかし、それは何だ?いや、何であろうと阻止しないとな」

拳を握り締めます。


「俺にはアイツが言ってる事、さっぱり分からないんだ・・どうしたらいいんだ?」

ザックスはバスターソードを背中に戻し、首を振ります。


「アンジールが導いてくれる・・・かな」


「なるほど・・・そうだな、統括!」

肯いて笑顔を向けるザックス。


「ふっ、統括か。・・・なぁ、ザックス、夢は何だ?」

ラザードは、初めて会った時と同じ質問を投げかけました。


「え?・・・ああ、そうだな・・英雄になる事だな!」

迷いなく同じ答えを言うザックス。


「ふっ、叶いそうにない、いい夢だ」


「何言ってるんだよ、力を貸してくれよ!アンジールと一緒にさ!皆でやり遂げたら、俺達は英雄だ。少なくとも俺は認める!」

力強く拳を振るザックス。


「・・・さて、ザックス。ジェネシスの居場所は?」


「あ!」

ザックスは、握っていたバカリンゴを見て、何かを思い出したようです。

ラザードの目の前に差し出します。


「なるほどな」

意味を理解し、頷くラザード。


バカリンゴは、バノーラでしか育たない果実です。

ジェネシスは常にその実を持ち歩いていました。

・・・という事は、ジェネシスの居場所はバノーラ・・・!






「・・・随分変わったもんだ」

高台からバノーラ村を見下ろし、ザックスは呟きます。


いえ、もう村とは呼べないでしょう。

人の姿は無く、建物もあらかた崩壊し、地面は魔晄の光によって妖しく緑色に輝いています。

ザックスはクラウドをラザードに託し、ジェネシスを捜す事にしました。

村はずれに強烈な魔晄を放つ穴を発見し、その中に降り立ちます。


「ん?こんなところあったっけ?」

ザックスが降り立った穴の中は、工場の地下に続いていたようです。

まるで隠れ家のような部屋があり、小さな机がポツンと置かれていました。

周囲には写真やトロフィー・・・これは子供の学習机でしょうか。


ザックスは、机の上にあった1冊のスクラップブックに目を留めました。

開いてみると、古い新聞の切抜きが貼られていました。



『バノーラ・ホワイト・ジュース。全国農産物コンテスト・加工品の部・最優秀賞。』


「すげえよ・・・」

思わず感嘆の声を漏らすザックス。


『このジュースを考えたのは、バノーラ村のジェネシス少年。

ジェネシス少年のコメント:

「とても嬉しいです。でもジュースだけではなく、そのまま食べても美味しいんです。両親と一緒に、英雄セフィロスにリンゴをご馳走するのが僕の夢です。僕と同世代でもう活躍しているセフィロスに、僕の成果を見せたいからです」』


短いコメントの中に、少年時代の彼を窺い知る事が出来ます。

心優しく、大人しい文学少年・・・当たらずとも遠からずでしょう。


ジェネシスは、セフィロスに強い憧れを抱いていました・・・

セフィロスと同じ目線に立ちたい、セフィロスに認められたい・・・だからこそ、ソルジャーを目指したのかもしれません。

成長するに従って、純粋な憧れは形を変えていきます。

嫉妬、羨望、そして・・セフィロスを超えたいという強い欲求。

それらの感情が複雑に絡み合い、ジェネシスの心を支配していったのです。


ですが、今のジェネシスがとっている行動は、彼自身を苦しめるものでしか無い筈です。



「ジェネシス・・・」

ザックスはスクラップブックを閉じ、丁寧に机に戻しました。


「俺に出来る事はあるのか・・・?」