CRISIS CORE 15th mission(プレイ日記) | Trashy Discovery

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『それでもソルジャーか?そんな情けないソルジャーはいらない』

ザックスの耳に響くアンジールの声。

それが羽ばたきの音と共に遠ざかります。


アンジール!!

待ってくれ!



ザックスは両手を伸ばし、空を見上げます。


舞い落ちてくる一枚の白い羽。










その翼―― 俺にもくれよ






パリーンッ!!




実験室からガラスの割れたような音が聞こえてきました。

不思議に思った研究員が中に入ると、動けない筈のザックスが魔晄カプセルの外に出ていました。


研究員がおそるおそる近付くと・・・

ザックスがユラリと立ち上がり、研究員に当て身をくらわせ気絶させました。







セフィロスを倒したあと、ザックスとクラウドは宝条によって神羅屋敷の実験室に運び込まれたのでした。

高密度の魔晄に浸され、S細胞を受け継ぐサンプルにする為に・・・


目を覚ましたザックスは、クラウドと共に神羅屋敷からの脱出を図ります。

ですが・・・クラウドは、高密度の魔晄に長時間浸された事によって、重度の魔晄中毒にかかっていました。

話しかけても意味不明な音を発するばかり・・・

廃人同然になってしまったクラウド・・・


それでもザックスには、クラウドを見捨てて自分だけ逃げようなどという気は露ほどもありません。

魔晄漬けの服を脱がせ、神羅屋敷にあったソルジャーの制服に着替えさせます。


「結構似合ってるぞ」

反応の無いクラウドに笑いかけるザックス。


ザックスが自分のポケットを探ると、一枚の紙が出てきました。

エアリスのささやかな希望が書かれた紙。


『ささやかな希望は23個

でもザックスはきっと覚えきれないから 一つにまとめます

もっと一緒にいたいです』


「な、クラウド・・・俺、ミッドガルへ行かなくちゃ。お前も一緒に行くよな?」




この日から、ザックスは神羅の全てを敵に回す事になってしまいました。

対外的には殉職扱い・・・

機密を知りすぎたザックスを、生かしてはおけないという事なのでしょうか。

自分が歩く事でさえ辛いはずなのに、クラウドを抱えながらの逃避行です。


いつ果てるともない、追っ手を振り払いながら・・・



神羅から派遣された追っ手は、一般兵やソルジャーばかりではありません。

追っ手の中には、タークスの・・・シスネの姿もありました。


任務と自分の想いとの狭間で揺れるシスネ。

シスネのザックスに対する想いは、恋というはっきりした形を取っていなくても、淡い思慕はあるでしょう。

そしてエアリスの存在も・・・

タークスとしてエアリスを監視して来たシスネは、ザックスにとってエアリスがどれほど大切な存在であるか知っているはずです。


シスネは自分の感情を表に出すのが苦手みたいだし・・

こういう女の子に弱いんです、自分(ノ∀`)

思ったことを素直に口に出せるエアリスとは対照的だけど、本当は優しくて女の子らしいんだよな・・・


シスネにはザックスを捕らえる事は出来ませんでした。

携帯を取り出し、ツォンに「ターゲットに逃げられた」事を報告します。

「そういう事だから、しっかり逃げなさいよ」

微かに笑みを浮かべ、シスネは去って行きました。




追っ手から逃れている内、いつしか故郷に辿り着いていたザックス。

危険な事は分かっていますが、一目だけでも両親に会いたいと思うザックスは、クラウドを安全な場所へ移動させると、実家に足を向けるのでした。

そこでシスネと再会します。


「全く・・・行動が安易ね。故郷で待ち伏せされるのは想像できたでしょ?」

咎めるような口調のシスネ。


「ふん」


「ご両親に会いたかった?」


「悪いかよ、普通の事だろ?」

ザックスは、シスネを睨みつけます。


「そう―― 」

憂いの表情を見せるシスネ。


「ま、でも・・・浅はかだった。あんたの言う通りだ。俺達行くわ」


踵を返し戻ろうとするザックスに、

「気を付けてね・・いつも以上に警戒が厳重よ。

あなた以外にも、この村に来てる人がいるらしいの」


「誰?」

思わず振り向くザックス。


「アンジール」


「・・・そうか」

シスネの言葉に、ザックスは複雑そうな表情を見せます。


「そうか?あなたが倒したんでしょ?驚かないのね」


「神羅屋敷から出られたのは・・・アイツのおかげかもしれない」


「なるほど・・・目撃情報は本当だったのね」

言いながら、シスネはザックスに歩み寄ります。


「でも、どうしてゴンガガなんかに来たんだろう」


「あなたに会いたがっている。それ以外、何があるの?」

真っ直ぐにザックスを見詰めます。


ザックスは、ハッとしたように周りを見回し、

「いるなら逃げろ、アンジール!タークスが見張ってるぞ!」


「10分だけ時間をあげるわ・・それを過ぎたら私はタークスに戻る」

そう言うと、シスネは後ろを向きます。


「戻る?」

怪訝そうな顔をするザックス。


「今は・・・そんな気になれない。ご両親に悲しい報告は出来ないもの」


「お袋・・・どうしてる?」


シスネはザックスの方へ振り向くと、

「心配してるわ。こんな事になってしまったら、もうお嫁さんは来ないんじゃないかって」


「なんだよ、それ」

呆れたように首を振るザックス。


「いいご両親ね。とってもお元気よ」

シスネは柔らかく微笑みます。


「そうか・・元気ならいいや」

上を見上げて、笑顔を浮かべるザックス。


「・・ほんと」


「あんたのとこは?」


「私は神羅に育てられたの・・」


マズイ事を聞いたな、とザックスはポリポリ頭をかきます。

「な、シスネ。お袋達の話し相手になってやってくれないか?」


「そうね、よろしくってよ」

腕を組みながら、茶化すような口調で答えるシスネ。


「嫁にどうだって言われると思うけどな」

ハハハと、力なく笑うザックス。


「もう言われたわ」

言いながら歩き出すシスネ。


「え!なんて答えたんだよ!・・・シスネ!」


「それ本名じゃないの」


「え?」


「ほら、あと5分よ!」

シスネは、そのまま立ち去って行きました。



ザックスがふと視線を横に移すと、木の陰から白い翼らしきものが見えました。

「アンジール!?やっぱりアンジール!」

ザックスが駆け寄ろうとすると、その翼の主は飛び立ってしまいました。

「待ってくれよ!」


やっぱりアンジールなのか・・・

行ってみるしかないな。





白い翼の主を追いかけるザックスの前に、ジェネシスコピーが立ち塞がります。


「S・・・細胞・・・・S・・・細胞・・・」

壊れた機械の様に、同じ言葉を繰り返すジェネシスコピー。


「んなもん、ねえよ!」

ザックスはバスターソードを構えます。


「そいつの細胞は役に立たん!」

しわがれた男の声が聞こえてきました。


ザックスが声のした方を振り向くと、そこにはホランダーとジェネシスの姿がありました。

ホランダーの姿は異質なものでした。

急激に老化したかのような白髪になっており、小さな黒い翼を左肩につけています。


「お前はそもそもソルジャーだった。細胞組織がすでに変質していたわけだ」

苦々しい表情で、ザックスを指差すホランダー。


「ホランダー・・・あんた、やったのか?」

眉を顰めるザックス。


「ああ、ジェネシスに殺されかけてな・・生き延びる為には仕方がなかった。ジェネシスの細胞を少し、な」

ホランダーは、視線を下に向け首を振ります。


「劣化してるぞ、あんた」

「その通り・・・しかし、悲観してはいない」


「女神の贈り物―― 純粋なS細胞さえあれば劣化など問題ではない」

目を瞑って2人のやり取りを聞いていたジェネシスが口を開きました。

手には、バノーラホワイト・・バカリンゴの実が握られています。


「純粋?」

訝しげに問うザックス。


「お前、2人で逃げていたな」

ジェネシスは鋭い視線をザックスに向けます。


「・・・!いや・・・」


「逃亡者は2人。元ソルジャーと一般兵だ」


「その一般兵こそが、最後の純粋S細胞の持ち主!」

ホランダーはそう叫ぶと、ジェネシスコピーを引き連れ、飛び立って行きました。

クラウドのもとに・・・


「おい!」

追いかけようとしたザックスを、ジェネシスが阻みます。


「最終章へつながる4章最後のフレーズを知っているか?」

「知るか!」

「いざ語り継がん、君の犠牲世界の終わり。

人知れず水面を渡る風のごとく、ゆるやかに・・確かに」


「犠牲とか終わりとか、うっとうしいんだよ!」

心底ウンザリしたように、ザックスはジェネシスを睨みつけます。


「この美しい詩を理解出来ないとは、気の毒だ」

哀れむようにザックスを見据え、言葉を続けます。


「まぁ、無理もない。俺でさえ理解出来ない部分があったからな。

女神の贈り物を手に入れる為の最大の謎・・・水面だ。

そしてようやく、ライフストリームに辿り着いた」

ジェネシスは、陶酔した笑みを浮かべます。


「はぁ!?」

何を言ってるんだ、とばかりにジェネシスの顔を覗き込むザックス。


「失われた最終章には様々な解釈が存在する。

だが、正しいのは俺の解釈だ。それを証明して見せよう!」

興奮したように言葉尻を上げ、飛び立っていきました。



ジェネシスが何をしようとしているのか気になりますが、今は一刻も早くクラウドのもとに戻らなければなりません。

ホランダーの魔手からクラウドを守らなければ!