- 妻と一緒に創業したお店が20周年を迎えようとしています。
23年前、生まれ故郷、稚内から出てきて、札幌のススキノという日本を代表する歓楽街で働き、何もわからず、ただがむしゃらに働いていた20代前半、私の師匠 (現株式会社 南光園 会長 福山 清次氏)に弟子入りして、地方から出てきて間もない若輩者(当時24歳)を、息子以上の信頼を寄せてくださった事をどれだけ感謝したモノか、その思いは計りしれません。
ただひたすら、親方に喜んで頂きたくて結果にこだわり、常に嘘偽りのない姿勢を貫き働いた日々。
若い私には飛び抜けた能力も経験もありませんでしたので、「とにかく人の何倍も働いて恩返しをするんだ!」という目的と「いつか自分のお店を持つんだ!」という夢が支えで、人が寝ているときに何歩も先に成長できるように、寝食を忘れた努力をお店に費やしました。
お休みなんて意識したことがありません。
実際休みの日も必ずお店の状況を確認して当日出勤のスタッフへ「よろしくお願いします」といって出かけるようにしていました。忙しいときは自分の休みの日でも無償で手伝いました。
・・・・なので、20年以上経った今でも休みを意識しません。
さて、26歳でのれん分けの形で創業しました。
最初から上手くいくはずがありません。
朝から晩までお客様はお見えにならず、私と妻とストレスを抱える毎日を過ごしました。
銀行の借り入れ返済を考えると、毎日必死で月末は死ぬ思いでした。
とにかく嘆いていてもしょうがない!「出来ることからやりましょう!」ということで、毎日お店の前をきれいに掃き、行き交う人にご挨拶からはじめました。・・・・売り込み作戦です。
「おはようございます!」「こんばんわ!」・・・顔見知りになると「今度寄って下さいね!サービスしますから・・・」「今度焼肉食べて元気つけましょうね!」継続は力なり、徐々にお客さんとなって足を運んでくれるようになりました。
しかし、なかなか軌道に乗せることが出来なくて、ただひたすら「お客様の声」を頼りに、改善の繰り返しが一番の仕事でした。
人を雇えず、妊婦の妻がお腹を大きくしたまま臨月まで働いていたあの日・・・・今でも思い出します。
(でも、その姿見てお客様が応援してくれたっけ・・「応援してるからがんばれよ!」って・・・)
思い出しますが、当時お金もなく体が資本でしたので、お金のかからない努力を日々行う事しか出来なかったのです。
例えば3人でこなす仕事を一人でやってしまう事を常に意識し、それをたくさんの部門で定着させました。
まずは、自分が人の何倍も働けることに情熱を燃やしていたら、あっという間に超人と言われるようになりました。年中無休で一日16時間くらい働いていました。(忙しい日は20時間くらい働き、帰宅時間がもったいなくて、お店で寝たこともあります。)
若いながらも、無理と思わず無駄を省き「出来る仕組み」を考えて、現場に落とし込むことで少人数でもスムーズに営業が成り立つように考えました。
もう一つは、全ての作業の「効率化」と「スピードの追求」をしていました。
一人しかいない厨房で、営業中に仕込みをしていたのではオーダーが遅くなります。
お客様にとっては、厨房が一人であろうが二人であろうが関係ありません。
頼んだ物を早く出してくるのが当たり前なんです。
私は迷わず睡眠時間を削り、昼過ぎからお店に入り、営業前に全ての下準備を終えて、営業中はオーダーを出すだけの状態にする事で、ホールスタッフの仕事も手伝える様になったのです。
これも立派な効率化とスピード追求です。
それから、お客様のサービスの面やクレーム対応には徹底した早さを心がけていました。
お客様のアドバイスや要望は、数日後には反映させていましたので流行らないわけがありません。
寝食を忘れた努力を2年やり続けました。
すると、ある日大きな収益をあげていることに気が付きました。
このとき初めて「商売とはお客様に喜んで貰うだけではなく、少ない売り上げでも努力して収益をあげることなんだ!?」また「収益が上がるからこそ更にお客様のサービスの向上に投資できるし、我々も潤って来るのだ!」「スタッフの報酬や福利も収益がなければ出来ないことだ!」と、この創業時期に学びました。
売上は「お客様の支持指数」であって、利益とは現場の「努力による幸せ指数」であると、私はよく言いますが、
現場の努力による幸せが獲得出来ずに、お客様の支持を得る事は無理なことです。
すなわち、利益なくして売上アップは続かないということです。
20代半ばでここの油っこいところに気付いたころから繁盛店となっていった気がします。
そして創業2年目にして売上4倍増を達成し繁盛店の仲間入りを果たしました。
正直、その時は、収益といってもお金の事でしたが、その後創業期を経て、数年苦労した後、収益にも人的収益、お金の収益、物の収益、情報の収益があることを知ったのです。
特に人的収益を得るまでには、たくさんのスタッフとの出会いによって学び失敗も繰り返しました。
ある本を読んだとき、「人材ではなく人財!」と書かれていたが、まさしく人は財産である。
ただし、「育てれば・・・!」の話です。
雇用において、20年間数多くの出会いがあり、ここで育った人財が、大きなお客様の支持を獲得してくれた事。・・・・本当に感謝しています。
それによって今があると実感しています。
収益も売上も、運営や管理も全て人がこなすモノです。人なくしてお店は成り立ちません。
人を育てることこそ事業の根元だと思います。
巣立って行った中には、一流企業のトップセールスになった者、私のように飲食店の経営者になった者、夢を追って海外に行った者、様々ですが、ここで学んだことが教訓となり彼等の心の支えになってくれていることが誇らしげに思います。(たまにみんなで飲む酒が美味しい昔のお店の出来事を話しながら・・・・)
ですから、今は「商売は金儲けではなく、人儲け・・・」と心に刻んでおります。
長く書きましたが、私にとってこの創業店舗が商いにおいて、体で覚えた道場であり、学んだ教室です。
とにかく、たくさんのお客様とスタッフ、業者様に支えられて今日まで成長してきました。
今後も、変わらぬスタンスで「もっと、もっと、我々は出来る!」という気持ちで精進していきます。
とにかくお店では、すべてはお客様の幸せのために・・・・を貫きましょう!
なんこう園新宿通り店満20歳おめでとうございます!
- 本格焼肉 なんこう園 新宿通店[本格焼肉&名物ホルモン]
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