6月になりました。
通常のUFCだと7月にインターナショナル・ファイトウィークのナンバリング大会が開催されて、その大会にカードが注力されるので、逆に6月に開催される大会はカードが弱く、PPV売り上げとしても期待できない大会が多かったりしたのですが、今年のインターナショナル・ファイトウィークは6月最終週に開催されるという事もあって、今回のUFC302も含めて豪華なカードの大会がズラリと並んでいます。
6月9日(日)に開催されるUFCファイトナイト大会のメインイベントは、🇺🇸ジャレット・キャロニアVS🇫🇷ナショディーン・イマボフによるミドル級ランカー対決。日本にはあまり馴染みのないカードが多い印象ですが、元ライトヘビー級タイトルコンテンダーの🇺🇸ドミニク・レイエスがセミの試合で出場します。
6月16日(日)に開催されるUFCファイトナイト大会のメインイベントは、🇺🇸アレックス・ペレスVS🇯🇵平良達郎によるフライ級ランカー対決。平良は日本人UFCファイターとしては久しぶりのメインイベンター抜擢となります。
試合予想については以前のエントリーに綴ってあります。
https://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12853227006.html
6月23日(日)にサウジアラビアで開催されるUFCファイトナイト大会のメインイベントは、🇦🇪カムザット・チマエフVS🇦🇺ロバート・ウィテカーの豪華なミドル級ワンマッチ。
他にも🇷🇺セルゲイ・パブロビッチVS🇷🇺アレクサンダー・ヴォルコフのヘビー級マッチ、🇧🇷ジョニー・ウォーカーVS🇨🇭ヴォルカン・オズデミアのライトヘビー級マッチ、そして俺😝たちのK-1ファイター、🇺🇸メルシック・バダサリアンが、🇹🇯ムハンマド・ナイーモフと対戦します。
6月30日(日)、インターナショナルファイトウィークに開催されるUFC303では、 MMA界のスーパースター、🇮🇪コナー・マクレガーが足の怪我のリハビリを経て、満を持しての復帰戦が行われます。
TUFでコーチ対決を行った🇺🇸マイケル・チャンドラーと、ウェルター級契約で5Rマッチを行います。
他、🇺🇸ジャマール・ヒルVS🇦🇺カーロス・ウルバーグのライトヘビー級対決、🇮🇪イアン・ギャリーVS🏴マイケル・ペイジのウェルター級対決、そして🇯🇵鶴屋怜のUFCデビュー戦がフライ級契約で行われます。
UFCだけでも、毎週のように注目の大会が行われる事もあって、ブログを執筆する側としても久々に筆が進みそうな予感がします。
思えばアンチ魔裟斗ブログ()なんて運営していた14年前は、2日か3日に1回のペースで熱量のある長文エントリーを投稿していましたw
中川翔子さんに倣って、1日100エントリー更新なんて馬鹿な企画もやっていましたねwww
おかげで翌日のブログのアクセス数も2000を越えていましたw
というわけで、黒歴史を懐かしんだところで、本日行われたUFC302の感想です。
メインイベントは👑🇷🇺イスラム・マカチェフVS🇺🇸ダスティン・ポイエーによるUFCライト級タイトルマッチ、セミでは元ミドル級王者🇺🇸ショーン・ストリックランドが、シークレットジュースさんこと🇧🇷パウロ・コスタと対戦しました。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
⚪️🇺🇸バジル・ハファスVSミッキー・ガル🇺🇸⚫️(3R判定)※ウェルター級
バジル・ハファスは前回のUFCデビュー戦で、現在ウェルター級ランカーのジャック・デラ・マダレナと対戦。初回からいきなりTDに成功し、グラウンドコントロールでマダレナを苦しめ、負けはしたもののマダレナをスプリット判定まで追い詰め、評価を上げました。
一方のミッキー・ガルは、MMAデビューが話題となったプロレスラーのCMパンクの対戦相手に抜擢され、リアネイキドチョークでパンク相手に一本勝ちを納めましたが、その後はドタキャン王子こと🇺🇸セイジ・ノースカットのような微妙な相手には勝ったり、逆に🇨🇦マイク・マロットや🇧🇷アレックス・モロノといったランカー一歩手前の相手には負けたりといった戦績。UFC在籍8年目ながら、上のレベルには突き抜けられないポジションに留まっています。
試合は、中盤まで左右フックをヒットさせ、3Rに2度のTDに成功したハファスが判定で勝利。
以前からやや打撃恐怖症傾向で、序盤は手数が少なかったガルも、中盤以降に右ストレートが当たり出してからは、開き直って意を決して打ち合いに挑む勇気を見せ、ハファスをぐらつかせるシーンもありましたが、ハファスが勝負所で上手くタックルを決めてTDを奪った事もあり、追い上げは後一歩及びませんでした。
⚪️🇷🇺ローマン・コピロフVSセザール・アルメイダ🇧🇷⚫️(3R判定)※ミドル級
ローマン・コピロフはUFC4勝3敗のストライカー。サウスポースタイルから繰り出される左の蹴りと左ストレート、右ジャブで試合を組み立てていく選手です。
一方のセザール・アルメイダはGLORYでタイトル挑戦経験のあるキックボクサーで、コンテンダーシリーズで元LFAミドル級王者を下してUFC入りを決めています。
1R、中間距離で左右ローキックと右ミドルを蹴っていくアルメイダに対し、左ストレートでダウンを奪ったコピロフ。終盤にはタックルからTDを決め、元キックボクサーに対しMMAの試合運びで初回を取ります。
しかし2Rになるとアルメイダが膝蹴り、左ボディ、右ミドルをヒットさせてボディに効かせると、コピロフは疲れから失速。打ち合いの中でもアルメイダが右ジャブ、フックをヒットさせ打撃戦で優位に立っていきますが、コピロフもタックルからTDを奪い、トップコントロールで相手の流れを止めます。
3Rも疲れが見えるコピロフでしたが、TDに成功し長時間のトップコントロールでラウンドを取ったところで試合終了。
判定はスプリットでローマン・コピロフが辛くも勝利。
元キックボクサーのセザール・アルメイダはMMA戦績5勝1敗とキャリアが浅いながらも、鈴木千裕と同じく近い距離(=相手に組まれる距離)でも、臆する事なく打撃が打てるメンタルを持つタイプの選手に思えました。
そういう選手と対峙すると、ストライカーのコピロフと言えども打ち合いになると分が悪くなった所はありましたが、コピロフはTDからのトップコントロールで押さえ込んで、判定で勝利を掴むことが出来ました。
⚪️🇺🇸ケヴィン・ホランドVSミッシェル・オレクシェイチュック🇵🇱⚫️(1R一本・腕十字)※ミドル級
サウスポー構えからの左オーバーハンドでダウンを奪ったオレクシェイチュック。そのままグラウンドに移行しますが、下になっているホランドが三角締めを仕掛けると、そこから三角腕十字→通常の腕十字へと変形させ、オレクシェイチュックは堪えますがホランドが腕を捻り上げたところでレフェリーストップ‼️
タップしなかったオレクシェイチュックは試合後抗議していましたが、あれだけ腕を捻られたら選手生命に関わる怪我になりかねなかったので、妥当なストップと言えたでしょう。
ミドル級に再び階級を上げたケヴィン・ホランドが、らしさを見せたトリッキーな一本勝ちで勝利を納めました‼️
⚪️🇺🇸ショーン・ストリックランドVSパウロ・コスタ🇧🇷⚫️(5R判定)※ミドル級
セミで行われたミドル級5Rマッチ。元王者ショーン・ストリックランドと、ランカーのパウロ・コスタさんの対戦です。
1R、いつものようにアップライトに構え、プレッシャーを掛けて左右前蹴り、左ジャブを放ってゆくストリックランド。
ストリックランドの膝を上げるフェイントに反応し、常に下がらされる展開を強いられるコスタは、ガードの空いている所へ左のボディジャブをヒットさせ、カーフキックも放ってゆきますが、ストリックランドは前進しつつカーフをカットしてゆきます。
左右のクイックの前蹴り、関節蹴りに加え、予備動作の無い左ジャブ、右ストレートを顔面にヒットさせて制空権を支配してゆくストリックランド。コスタは近い間合いに踏み込んで顔面に強打を当てたいところですが、ストリックランドの腰高のスタンスと腕、ヘッドスリップによって拳一個分くらいの距離でパンチを外されたり、当たったとしても掠める程度に留まってしまい、ストリックランドの脱力制空権スタイルの術中にまんまとハマっていきます。
中途半端なタックルも切られ、レベルチェンジの戦法を防がれたコスタ。それでも4Rは前蹴りにもサイドへの位置取りで対応し、パンチやローをヒットさせる場面も見せますが、それ以上にストリックランドがパンチをヒットさせて追い詰め、最終5Rの終盤にはコンビネーションから右ハイキックでダウンを奪い、判定へ。
ストリックランド完勝の内容に思えましたが、1者のジャッジがコスタを支持するという謎の裁定もあり、判定はスプリットで元ミドル級王者ショーン・ストリックランドが勝利を納めました。
アデサンヤ戦でも見せていた、ストリックランドの高いディフェンス能力と、ムエタイ選手のような老獪な前蹴りとジャブ主体の試合運びで、豪腕パンチャーのコスタを攻略した試合でした。
フック系のパンチとコンビネーションが得意なコスタとしては、レベルチェンジも織り混ぜつつ相手の懐に入って強打をヒットさせ、TDを奪いたかったところでしたが、ストリックランドがそれを許しませんでした。
⚪️👑🇷🇺イスラム・マカチェフVSダスティン・ポイエー🇺🇸⚫️(5R一本・ダースチョーク)※UFCライト級タイトルマッチ
1R、王者マカチェフはパンチを振ってポイエーをバックステップで下がらせた後、ケージ際で低空タックル→リフトしてTDに成功。
トップコントロールからキムラロックを狙い、ポイエーがエスケープしようとしたところへすかさずバックを奪って、タイトなボディトライアングルでバックコントロールし、RNCを狙っていきますが、ポイエーも何とか一本取られまいとディフェンスして粘って初回を終えます。
2R、マカチェフは低空タックルを仕掛けますが、ポイエーは足を引っこ抜いてディフェンスに成功します。
組み際に左エルボーをヒットさせ、中間距離のサウスポー同士の打撃戦では右ジャブを顔面にヒットさせるポイエー。
マカチェフのタックルからのケージ押し付けもポイエーは体位を入れ替え、クリンチ際でボディを打ち込み、スタンドでは優勢に立とうとしますが、マカチェフもラウンド終盤にTDに成功します。
3R、マカチェフは首相撲からの膝蹴りを顎にヒットさせ、頭が下がったところへアッパーをヒットさせ、そこからケージ際でTD→バックマウントで組み伏せてゆきます。
そこからマウントポジションを取られ、ポイエーは絶体絶命のピンチに追い込まれますが、身体をローリングさせてエスケープし、リカバリー成功でスタンドに戻ります。
4R、右ジャブをヒットさせ、マカチェフに首相撲で組まれると中段のボディショットをヒットさせるポイエー。
明らかに疲れが見えているマカチェフはタックルを2度切られますが、パンチをヒットさせてポイエーをぐらつかせると、そこからタックルへと切り替えてTDを奪い、バックを取ります。
しかしそこから立ち上がったポイエーは、ケージ際でボディをヒットさせると、カウンターの肘やスタンドではボディ打ちを織り交ぜたコンビネーションを仕掛け、反撃を見せてマカチェフを追い込んでいきます。
最終5R、ケージ際でタックルを切り、クリンチエルボーやボディを打っていくポイエー。
まさかのアップセットの予感に会場が湧き上がりますが、マカチェフもタックルを切られて足を外された所へ、すかさずギロチンで首をがぶり、そこからダースチョークをセットしてポイエーはタップアウト‼️
濃密かつ熱い死闘となったUFCライト級タイトルマッチは、王者イスラム・マカチェフが土壇場のダースチョークでタップアウトを奪い、3度目の王座防衛に成功しました‼️‼️‼️
素晴らしい試合でした‼️‼️‼️グレーテスト😝‼️‼️‼️‼️‼️‼️
やっぱりTDされて組み伏せられるとマカチェフが圧倒的優位、というのが大方の予想ではありましたが、ダスティン・ポイエーという選手は長年の激闘の経験とキャリアの豊富さで、土壇場に追い込まれても相手の弱点を突いて逆転を狙える強さを持ったウォーリアーです。
それが見られたのが前回逆転勝利したブノア・サント・デニス戦でした。
ポイエーは1Rこそバックコントロールされてピンチに追い込まれましたが、そこを凌ぐと2Rはマカチェフの低空タックルを切り、スタンドの攻防では右ジャブを主体にヒットさせるなど、マカチェフの組みのプレッシャー込みの打撃にも臆する事なく打撃をヒットさせ、マカチェフを追い詰めていきました。
あの低空タックルを切れたのは、同じく低空タックルが得意なATTの同門のマテウス・ガムロットとの練習の成果でしょうか。
しかしながらマカチェフもTDを切られて粘られながらも、近い距離で膝蹴りやフックを打ち込んでポイエーをぐらつかせ、そこからTDを決めていき、グラウンドで優位に立っていきますが、ポイエーも立ち上がると中間距離での右ジャブ、ワンツーに加え、クリンチ際ではボディショットをヒットさせるなどしてマカチェフのスタミナを削っていきました。
ポイエーのアップセットの予感が感じられ、会場は熱気に包まれますが、最後に勝ったのは王者の意地でした。
ここでまたギアを上げて、ダースチョークでタップアウトを奪うとはお見事です‼️‼️
人間の限界を超えた、まさにUFCのタイトルマッチに相応しい死闘でした‼️グレーテスト😝‼️‼️‼️‼️
敗れたポイエーは引退を示唆するような発言。年齢も35歳ですし、これからの人生を幸せに過ごして欲しいです。確実にUFC殿堂入りを果たすレジェンドでしょう。
勝った王者マカチェフはウェルター級に階級を上げての2階級制覇を示唆。
盟友ハビブ超えを成し遂げようと突き進みます。