UFCフライ級に関しての雑感と、UFCファイトナイト感想(2024.4.28) | 銀玉戦士のアトリエ

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本日のUFCファイトナイト大会のメインイベントは、🇧🇷マテウス・ニコラウVS🇺🇸アレックス・ペレスによるフライ級ランカー対決です。

 

 

ちなみに来週ブラジル🇧🇷で開催されるUFC301のメインイベントも👑🇧🇷アレッシャンドリ・パントゥージャVS🇦🇺スティーブ・アーセグによるUFCフライ級タイトルマッチで、ここに来てUFCは2週連続でフライ級の試合がメインイベントを飾る大会が開催されます。

 

元UFCフライ級絶対王者デメトリアス・ジョンソンの離脱と、不人気だからという理由から2019年に階級ごと廃止される危機に陥っていたUFC男子フライ級ですが、今年に入ってからは2月のUFCメキシコ大会のメインイベントで行われた🇺🇸ブランドン・ロイヴァルVS🇲🇽ブランドン・モレノ🐥も含めると、フライ級の試合がメインイベントを飾る大会が2024年は今のところ合計で3回行われるという一大事です。いや、どうしちゃったのよ。

 

階級廃止が撤回されたUFCフライ級ですが、その後もファイトナイト大会でフライ級の試合がメインイベントを飾る大会が長らく開催されていなかったり、フライ級の上位ランカー対決がプレリミナリーファイトに回される事が多かったりと、他の階級と比較すると明らかに冷遇されている感は否めず、一部のファンからは「UFCはまたフライ級を廃止しようとしているんじゃないのか🤔」との声も聞こえていましたが、こうして2024年になってフライ級の試合が大会のメインイベントを飾る機会が増えたというのは、喜ばしい事であります。

 

 

やっぱりメインイベントの5分5Rの長丁場を戦うというのは、5分3Rの試合を戦うよりもよりMMAファイターとしての総合力が試されます。

スタミナ配分や技の出し所、攻め所においてどの局面でギアを上げていくのかというのが、試合時間が長い分、より二の手、三の手が必要になっていきますし、自分の試合のペースを維持していくための試合運びや各パラメーターの強さも必要になっていきます。

長丁場の試合だからこそ、より相手に攻撃パターンや癖を読まれやすいという事もあるので、そうさせないための技の引き出しの多さというのも求められていきます。

それと、ノンタイトル戦とはいえUFCのメインイベントを任されるというのは否が応でも注目されるわけです。そういう舞台で試合をする事によって選手にとっても自信に繋がっていきますし、ファンにとってもより階級のコンテンダー争いというものが可視化されるようになっていきます。

 

結果、5Rマッチの試合を多く組んでいく事で、階級のトップコンテンダー達のレベルが更に上がっていって、ファンにもより注目されるようになっていく。いい事尽くめなわけです。

 

 

ベラトールのフライ級設立の話も、PFLへの買収で結局は有耶無耶になってしまいましたし、新しい親元のPFLに至っては現在バンタム級も設立されていない状況です。

一応PFL傘下で興行が開催されているベラトールでは、バンタム級の試合が組まれていますが、契約消化のために興行を開催している感は否めず、今後は不透明です。

ボクシングもそうですけど、北米における軽量級の扱いというものを考えさせられます。

そんな中で、56kgのフライ級という階級をUFCが存続させているというのは、非常にありがたい事であります。

 

思えばUFCフライ級の廃止騒動があった時は、選手のみならずファンからも批判が殺到して、それが結局は階級廃止撤回の一助となった所はあったと思いますが、昨年UFC女子バンタム級&フェザー級王者アマンダ・ヌネスが現役を引退した直後に、実質コンテンダー不在で選手層がすこぶる薄いUFC女子フェザー級が事実上の廃止状態になった時は、その事に対して誰も批判していませんでしたからね(笑)。

まぁUFC女子フェザー級も、元々は現在はUFCを離脱したクリス・サイボーグのために作られたような階級ですし、タイトルコンテンダーもバンタム級から階級を上げてきた選手が多かったですし、正直自分も女子フェザー級に関しては廃止も致し方ないだろうな、という意見です。

本当に不人気の階級は、例え運営側の都合で廃止が決まったとしても、ファンからは批判も起こらず気にも留められないわけですよ(笑)。

そういえば元RIZINライトヘビー級王者イリー・プロハースカがUFCに行ってから、RIZINライトヘビー級って今は活動しているのでしょうか❓❓❓

 

GLORYはライト級(70kg級)を休止させるという話があるようですし、逆にONE  championshipはウェルター級以上の選手層がランキングが組まれない程に薄く、いずれ休止してもおかしくないだろうという状態です。

何処の格闘技団体も営利企業ではありますので、選手層が薄くなったり不採算部門となった階級はいつ廃止されてもおかしくはないという事ですな。

特に軽量級と女子階級は真っ先に切られそうな階級なので、選手の側としても常に危機感は持っておいたほうがよいです。

 

というわけで、UFCフライ級が廃止されかけたという歴史を知らずに「2週連続でフライ級の試合がメインイベントかよwwwショボwwwww」なんて、心ないファンの声がちらほらと聞こえているようですが、そんな事言ってると本当にまたUFCフライ級が廃止されちゃうぞ‼️フライ級って最も日本人MMAファイターにとって馴染みの深い階級なんじゃないのか⁉️ここでフライ級が廃止されたら日本人UFC王者の誕生が更に遠のくぞ‼️と釘を刺しつつ、そのフライ級のメインイベントが行われたUFCファイトナイト大会感想です。

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

 

メインイベントはフライ級ランカー対決。

前述の通り、🇧🇷マテウス・ニコラウと、🇺🇸アレックス・ペレスが対戦し、結果は🇺🇸アレックス・ペレスが2Rに右フックでダウンを奪い、KO勝利で自身の連敗をストップしました。

 

1R、お互いオーソドックス構え。

ペレスは前手を伸ばしつつ、中間距離で左右のカーフキックを蹴っていきながら、時折アッパーやボディのコンビネーションを絡めつつプレッシャーを掛けてゆく展開。

今回も基本、待ちスタイルで手数が少ないニコラウですが、同じように時折カーフキックを蹴りつつ、ペレスのローにワンツーのカウンターを合わせていきますが、手数と有効打の差で1Rはペレスがポイントを取ります。

 

2R、中間距離ではお互い蹴りをヒットさせるものの、距離が若干遠い事もあり、踏み込んでのパンチに関してはブロッキングとバックステップでディフェンスし、顔面にパンチを入れさせまいとする両者。

しかし、距離が近くなったところでペレスが左フックを効かせてニコラウを下がらせると、ケージ際でカウンターを狙おうとしているニコラウに対しては深追いしようとせず、ニコラウがサークリングとL字ガードでペレスのパンチを避けようとしたところで、ペレスのサウスポー構えからの右フックが顎を打ち抜き、ニコラウは失神。

アレックス・ペレスが見事なKOで、UFCで実に4年ぶりとなる嬉しい勝利を納めました‼️‼️‼️

 



 

スピーディーな打撃戦の試合でした。

ニコラウは手数が少なく、一瞬の隙を狙ってフィニッシュするような待ちスタイルの選手なので、逆に隙を突かれてフィニッシュされての敗戦が近年は目立っているペレスとしては厳しい相手なのかなぁと思っていましたが、序盤は深追いをしようとせずに中間距離を保ちながら手数でポイントを取りつつ、2Rにはパンチを散らして効かせておいてのKOで、クセ者のニコラウを攻略する事に成功しました。

ラストのコンビネーションも上下に散らした捨てパンチを使って、左のサークリングとL字ガードで避けるニコラウを釣りつつ、L字で相手の左のガードが下がったところへサウスポー構えからの右フックを撃ち抜いての、技ありのKOでした。

 

アレックス・ペレスは直近3連敗を喫していましたが、負けた相手が元王者🇧🇷デイブソン・フィゲレーロに、現王者👑🇧🇷アレッシャンドリ・パントゥージャ、そしてトッププロスペクトの🇬🇧ムハンマド・モカエフと、いずれも強豪揃い。

フィゲレーロとパントゥージャには1R負けを喫したものの、2ケ月前に行われたモカエフ戦では負けはしたものの、モカエフのタックルにも良く対応していて僅差の試合を演じていたので、今回ペレスが負けていればリリースの危機があっただけに、ここでリリースされるには勿体無い選手だなぁとは思っていました。

打撃も寝技もボクシングもソツなくこなせて技術が高い選手ですし、相手のタックルをがぶってからのダースチョークも得意としている、全局面で対応できるオールラウンダーです。

 

崖っぷちからの見事な勝利を納めたアレックス・ペレス。

リリースの危機から一転、上位ランカー入りでタイトル再挑戦への道も見えてきました。

 

 

 

セミではライトヘビー級でウズベキスタン共和国出身の元キックボクサー、🇺🇿ボルタン・グスコフが、ランキング11位の🇺🇸ライアン・スパーンに、2Rパンチを効かせてアッパーでダウンを奪い、パウンド連打でTKO勝利を納めるアップセットを起こしています。

1RはスパーンにTDを奪われ、バックマウントで組み伏せられていましたが、最後はスパーンの左ジャブに合わせての右アッパーのカウンターでダウンを奪ってのTKO勝利は、一応はキックボクシングチャンピオンと紹介されていた実力が発揮されたという事でしょうか。

ウェルター級ではクロアチア出身の🇭🇷ウロス・メディックが、ベテランの🇺🇸ティム・ムーンズのTDを切り続け、頭が下がったところに左アッパーをヒットさせてダウンを奪い、1RKO勝利。

バンタム級では日本でもおなじみの🇺🇸ビクター・ヘンリーと、🇧🇷ハニ・ヤヒーラのベテラン対決は、🇺🇸ビクター・ヘンリーがボクシングテクニックの巧みさとTDDでヤヒーラを攻略し、2度のダウンを奪って最後はスタンドからのラッシュで3RTKO勝利を納めています。