3月20日(水)に行われたK-1 WORLD MAX 2024 70kgトーナメント開幕戦の感想です。
2002年に世界一決定トーナメントが開催され、オランダの🇳🇱アルバート・クラウスが優勝、以降毎年日本代表決定トーナメントと世界トーナメントが開催され、TBSのゴールデンタイムで放送されていたK-1 WORLD MAX。
興行の絶対的エースである🇯🇵魔裟斗を筆頭に、🇳🇱アンディ・サワー、🇹🇭ブアカーオ・ポー・プラムック、🇮🇹ジョルジオ・ペトロシアンという2タイムズチャンピオンを生み出し、日本の中量級キックボクシングの発展に寄与したと同時に、現在でも世界のキックボクシング最激戦区と言われている70kg級のレベルの底上げに大きく貢献してきた大会でもありました。
旧K-1の経営難と視聴率低迷が原因により、2010年を最後にTBSでの地上波放送が打ち切りとなってしまいましたが、2011年には70kg級と63kg級でそれぞれ日本代表トーナメントが開催され、その模様がニコニコ動画で生配信されていました。
もう覚えていない人も多いかもしれませんが、2012年と2014年にはK-1 GLOBAL体制でK-1 MAX世界トーナメントが開催され、2012年には🇳🇱ムルテル・グローエンハート、2014年には🇩🇪エンリコ・ケールがそれぞれ優勝しています。
なんか実況ではしきりに「14年ぶりにK-1MAXが復活‼️」と言っていましたが、K-1 GLOBAL体制でも実は行われていまして、公式ではK-1 GLOBALという団体自体が黒歴史扱いされているのかなと勘ぐりつつ、K-1最高😝‼️軍総司令官として改めて言っておきますけど、今回のK-1MAX復活は実に10年ぶりという事で、ポスターのデザインにある十字架のロゴデザインも、旧K-1MAX本放映時に使用していたものを完全に意識したものになっています。
そして、今回は祝日開催という事もあるのですが、水曜日に行われたという事で、思い返せば旧K-1MAXの開催も平日の水曜日に行われていました。当時は何度か現地観戦はしましたが、平日にも関わらず日本武道館などの1万人規模の会場はいつも大入り満員でした。
当日の夜9時から2時間枠のディレイで放送されていたTBSでの地上波放送も、常時10%〜20%台の高い視聴率を獲得していました。
2022年に東京ドームで開催されたTHE MATCH以降、今思い返せば無駄に膨れに膨れ上がってしまった感の強い、武尊天心早く実現しろよバブルが弾けてしまい、集客面において一気に苦境に立たされてしまった新生K-1。
あの日、東京ドームに5万人以上集まった観客たちは一体何処へ行ってしまったのでしょう?
そのテコ入れから昨年からカルロス菊田体制へと移行し、石井館長がアドバイザーに就任したわけですが、ここに来て原点回帰とも呼べるプロモーションを行っているのは、かつて旧K-1に熱狂していて、新生K-1に対しては旗揚げ当初から一貫して冷めた目で見ている我々旧Kヲタおじじやおばばたちへのアピールをするという狙いがあるのでしょう。
だったらK-1最高😝💖軍としてここは乗ってやりましょうと言う事で、Abema TVで70 kgトーナメントを生視聴した上で、気になった試合や選手についてあれこれ語っていきたいなと思っております。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
⚪️🇧🇷デング・シウバVS璃久🇯🇵⚫️(1RTKO)
まずは70kg級の第一試合で1RTKO勝利を納め、幸先良いスタートを切ったブラジルの🇧🇷デング・シウバ。
身長、リーチに長けており、ブラジル人選手らしい身体能力の高さを活かしたアグレッシブなスタイルが持ち味の選手です。
相手は日本の🇯🇵璃久でしたが、シウバは序盤から射程の長い右ストレートとカーフキックを主体にリクを早くも飲み込み、1Rにコンビネーションでダウンを奪い、その後も攻め続けて出血させ、カットによるTKO勝利で試合を終わらせました。
デング・シウバは何となくアレックス・ペレイラのような長身から繰り出される破壊力ある打撃と、アンデウソン・シウバのようなバネのある攻撃、そしてMMAの練習をやっているだけあって最初のダウンシーンを観ても分かると思うんですけど、スイッチを織り交ぜた変則的なコンビネーションが得意な、面白い戦い方をする選手だなと思いました。
これは俺😝たちのカルロスさんにしては良い選手を連れてきたなと思っていたら、第3試合と第4試合で更に凄い選手が・・・‼️
⚪️🇦🇲ゾーラ・アカピャンVSタラス・ナチュック🇺🇦⚫️(3R判定)
⚪️🇵🇱カスペル・ムジンスキーVSストーヤン・コプリレンスキー🇧🇬⚫️(3R判定)
第2試合のバグボードVSタナンチャイと比べると、明らかにパワー、スピード共に1段階上のレベルの高い試合をこの2試合はやってのけていました。
もう本当に「これが俺😝の求めていたK-1なんだ‼️‼️‼️」とカルロスさんに三顧の礼をしたくなる程の試合でありました。カルロスさんの事を胡散臭いオッサンだなと思ってしまってすいません😝💦
アカピャンは一発一発のパンチに重みがあり、更にスピードも速い本格派。相手のナチュックも強烈なボディを打たれながらも前に出て鋭い攻撃を返していましたが、3Rにダッキングしたところへアカピャンの打ち下ろしの右ストレートがヒットし、ダウンを奪い試合に決着を付けました。
そして優勝候補筆頭で、GLORYライト級ランキング2位の🇧🇬ストーヤン・コプリレンスキーでしたが、こちらは代役参戦のポーランドの🇵🇱カスペル・ムジンスキーに3Rにダウンを奪われ、まさかの判定負けで初戦で姿を消す事となりました。
序盤こそコプリレンスキーが優勢に試合を進めていましたが、打たれても前に出てくるムジンスキーの打撃が徐々に当たり出し、近い距離になったところで3Rにダウンを奪い、ポイントアドバンテージでムジンスキーがGLORY2位のコプリレンスキーを破るという大波乱を起こしました。
コプリレンスキーの試合はGLORYで何度か観ているのですが、ガードをしっかりと高く構えたダッチムエタイスタイルながら、左ジャブと左右のローキックを主要武器に中間距離で戦うのが得意な選手ではありましたが、今日の試合では左ボディに加えて伸びのある右ストレート、スイッチしての右フックと多彩に攻撃を繰り出し、コンビネーションも出ていました。
しかし代役出場ながらムジンスキーも前に出て粘り強く戦って反撃に転じ、3Rになるとややパンチが大振りになってきたコプリレンスキーとは対照的に、ムジンスキーはショートのコンビネーションを的確にヒットさせ、ダウンへと繋げる事が出来ました。
今のところトーナメント優勝候補筆頭がアカピャン、その次がムジンスキーといった所でしょうが、負けてしまったナチュック、コプリレンスキーもONEのトップ所5強(アラゾフ、グレゴリアン、ペトロシアン、スーパーボーン、シッティチャイ)とGLORYライト級王者ティジャニー・ベスタティに次ぐレベルの普通に良い選手なので、7月のトーナメントで誰か欠場した時の代役かリザーバーとして出場させて頂きたいものです。
⚪️🇷🇺ヴィクトル・アキモフVS中島玲🇯🇵⚫️(2RKO)
中島玲という選手はボクシングのスーパーウェルター級の元日本王者だった選手みたいですね。
今回がキックボクシングルールデビュー戦という事で、相手のアキモフもホーストカップ等のローカルキック団体を主戦場としたそこそこのレベルの選手で、もしかしたら中島がボクシング日本王者のポテンシャルで距離潰してパンチで押し切って勝っちゃうのかなという期待の声も一部ではあったようでしたが、相手サウスポーの距離感と、ローとミドルキックの組み合わせに苦しんでいた感がありました。
ボクシングの癖で前足に重心が掛かるのと、顔が前に出ちゃうのでどうしても被弾が多くなっちゃいますね。
アキモフがダウンを奪ったのはいずれもバックハンドブローで、中島がローを蹴った時にガードが下がる癖を見抜いて狙い打ちした一撃でした。
ただ勝ったアキモフも前述のアカピャン、ムジンスキーと比較すると実力としては2枚くらいは劣る印象で、トーナメント本戦では一回戦で早々に消えそうな予感が大であります。
⚪️🇨🇳オウヤン・フェイVSパスカル・シュロス🇩🇪⚫️(3R判定)
オウヤン・フェイは前回の試合で和島大海を2RKOで下し、現在K-1のスーパーウェルター級の王者に君臨している選手。
パスカル・シュロスは長い手足を活かした攻撃が持ち味の選手でしたが、距離が近くなるとオウヤンのコンビネーションが冴え渡り、判定でオウヤンの勝利。
オウヤンはボクシングテクニックに長けていて、キレと速さのあるコンビネーションが得意なファイターといった印象で、野扖、海人辺りと試合すると噛み合いそうな感じの選手です。
今回のトーナメントの参戦選手の中でも上位レベルの強さがある選手のように思います。
⚪️🇳🇱ダリル・フェルドングVS和島大海🇯🇵⚫️(1RKO)
今回のトーナメント開幕戦で一番の番狂わせだったのが、メインイベントとして行われたこの試合でした。
ダリル・フェルドングはエンフュージョンの元王者とはいえ、戦績は12勝3敗とキックボクシングにおいては決して強豪とは言えないレコードであります。
なので新生K-1の70kg級の現在の日本人エースである和島に対して安牌の相手をぶつけて、スカ勝ちさせてメインイベントを綺麗に締めくくって欲しいなという思惑が感じられたマッチメイクではありましたが、フェルドングがものの見事にそれをブチ壊してくれました😝💔‼️K-1最高😝‼️‼️‼️‼️‼️
フェルドングはアカピャンやコプリレンスキーのような巧さは感じられない選手ではありましたが、ただ被弾覚悟でグイグイと距離を詰めて打ってくるので、和島としてもそれに対応しきれていない感がありました。
フェルドングがキックボクシングの攻防と距離に付き合ってくれるような選手だったら、和島がローと左ミドルと膝蹴りで削っていって勝っていたのでしょうが、3分3Rと短いK-1ルールの試合だと、ああいうオランダ系のフィジカルが強くてタフな選手が捨て身の突貫戦法でガチャガチャ攻めていって、削られる前に押し切って倒すという戦術を取ってくるわけですね。
フェルドングはトーナメントでは中堅レベルの選手ではありますが、和島にとってはこれまでに対戦した事がないタイプの相手だったのではないでしょうか。
MMAに例えるならば、ストライカーかオールラウンダー系の選手ばかりと試合して快進撃を見せていた選手が、いざグラップラーと対戦したら寝かされると何も出来ずに一本負けした、というケースと同じなんだと思います。
いずれにせよ、鎖国K-1体制のままだったらこういうタイプの外国人選手をぶつけられる事は無かったわけで、結果的に日本の70kg級キックボクシングにとっては通過儀礼の試合だったのかもしれません。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今大会はオープニングファイト開始が12時で、大会終了が22時。実に10時間という長丁場の興行でした。
実質2部制の興行で、前半にK-1VSRISEの対抗戦をメインとした日本人選手主体の新生K-1保守本流路線の試合を組んで、後半は70kg級トーナメント開幕戦の試合を組むという構成でした。
流石に全部の試合を観るというのは生観戦はおろかネット視聴でもかなりキツかったのではないでしょうか。
まぁUFCもプレリムに4時間、メインカード3時間といった構成で、リアルタイムで全部の試合を観るというのは自分といえども稀な事ではあるのですが、これだけ長丁場だと興味のある試合だけをチェックする、という風になってしまうのは致し方ない事ではあります。
会場となった代々木第一体育館も、情報によれば客入りは半分程度といったところで、1部が終了すると特定選手目当ての観客が続々と会場を後にしていったそうです。
それこそ興行を2回に分けてコンパクトな試合数で行えば良いんでしょうが、現状チケット手売りがメインの集客なので、なるべく選手を多く投入しておきたいのでしょう。それでも代々木第一体育館の半分しか埋まっていないというのは何とも寂しいものですが。
ただ、個人的には過去の新生K-1興行の中では一番素晴らしいと思えた大会でした。
70kgトーナメント開幕戦も選手のレベルにバラつきはあれど、アカピャンVSナチュック、ムジンスキーVSコプリレンスキーは本物の世界レベルの試合を堪能させて貰いましたし、旧Kヲタの自分としましてはようやく俺😝の追い求めていた強い外国人選手が跋扈するK-1が帰ってきた‼️と終始興奮しっ放しでした(笑)。これまでの箱庭新生K-1には見られなかった新たなる境地を開拓したのではないでしょうか。
クルーザー級タイトルマッチの🇨🇳リュウ・ツァーの倒しっぷりも良かったです。
ライトヘビー級というカテゴリーならば世界に通用するアジア人ファイターになれる存在だと思います。
GLORYでも観たい選手です。
その一方で、70kgトーナメント開幕戦は日本人選手がまさかの全滅。
さすがにトーナメント本戦で日本人選手ゼロだと集客が更に厳しくなるので、残り1枠のワイルドカードに野扖か海人を入れるしかないかもしれませんね。
あとは、今回の大会は海外勢が非常に充実していましたが、世界に向けてのプロモーションがかなり弱い感じがありますね。
インスタのコメント数を比較すると、GLORYは何気に200件以上もコメントが付いているのに対し、K-1公式は10件以下のコメント数の投稿が多く、寂しい限りであります。
今大会は海外ではPPV配信されていたようですが、実際買った人はどれくらい居るのでしょう❓
この辺もテコ入れしつつ、目ぼしい選手は継続参戦させて認知度を高めていって欲しいですね。
強豪外国人選手が多い70kgより上は海外興行主体で、それより下の階級はこれまで通り日本での興行主体で行くのかなぁと思っております。
賛否両論ありましたが、実りの多い大会であった事は確かです。
久々にK-1を心から応援したいと思いました(笑)。
これからのK-1の発展に期待したいところです。
K-1最高😝‼️‼️‼️‼️