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楽々主義

徒然なる日々

将来どこに住みたい?ブログネタ:将来どこに住みたい? 参加中
やっぱり外へ出たいよねっていう話。

日本が嫌いなわけじゃないんです。
ただね、
この国ほど、
先進国なのに、不幸な場所はない。

要は中に住む人や社会の質が、
うんざりするっていうことで。

結局、
島国というある種閉鎖的な空間では、
それこそ、
流れぬ水が腐っていくように、
人もまた同じことが言えて、
人間が腐っていくわけです。

全ての人がそうだとは言わないけれど、
ここぞって時に、
とても感じるんですよ。

ヨーロッパに行ったことを鑑みても、
何て生きにくいんだろうと。

単純に、
外国への憧れもあるんだろうけれど、
それを差し引いても、
やっぱり、
もしも将来的に、
それが可能ならば、
選べる状態ならば、
この国からは出ていきたい。

日本では古いものは捨て去られ、
異なるものは排除され、
上辺ばかりが取り繕われ、
結果、何もかもが、
アンバランスでちぐはぐで、
統一感や均衡が保たれない。

これほどまでに、
自然との共存が、
生活にリンクしてくる国土にもかかわらず、むしろそれから遠ざかろうとさえする。

懐古主義とまではいかないけれど、
日本には素晴らしい文化や遺産がある。
それを、目の前の僅かな発展のために、
いとも容易く無にしてしまう。

そうして、
忘れてはならない大事なことも、
受け継ぐべき大切なものも、
まるで始めからなかったかのように、
忘却の彼方へ追いやってしまう。

代わりに、
外国の二番煎じのような、
無機質な真似事を始める。

そこんとこ、
外国は違った。
少ない数ではあるけれど、
俺が巡ってきたどの場所も、
今が昔と確実につながっていて、
歴史をきちんとした形で、
継承して紡いでいっていることが、
随所に感じられた。

きっと、
もっと便利にできるし、
もっと簡単にできるものもある。
しかし、
突き詰めれば無駄とも思えるそれらを、
彼らは決して風化させない。

形がどうとか、
有形か無形かとかじゃなくて、
生きていく上で、
人間が人間として、
持つべき何か矜持のようなものを、
過去から現在、そして未来へ、
繋げていきたい思いを、
彼らは残している。
そうした誇りが、
間違いなくある。

空っぽの、
無味乾燥な、
日本という国は、
だから、きっと、
取り残されていくんだろう。







時間軸のミッシングリンクだっていう話。

阿部和童、伊坂幸太郎合作
『キャプテン・サンダーボルト』
を、読みました。

東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。突然公開中止になった特撮ヒーロー映画。化学兵器を駆使し、迫り来るテロリスト。
偶然の再会を果たした幼なじみ相葉、井ノ原は、運命に翻弄されながら、嫌がおうなくその渦中へと引きずりこまれる。。。
必死にそれらの共通点を探す二人。タイムリミットは刻々と迫っていた。
世界と自分の命を懸けて、ひた走る彼らの導き出した答えとは。

好きですね~、この類いは♪

どちらかと言えば、
伊坂さん寄りな作品ですが、
合作ならではの味わいもあり。

時間軸の異なる三つの出来事が、
一つのキーワードで結ばれる、
ミッシングリンク。

それだけではなく、
グラスホッパーやマリアビートルのような、ひりつく心理戦と空気感。
ハードカバーでしたが、
一気読みしてしまいましたよ。

誰も知らない、
誰も見てない、
だけど、必要とされてる。
そういうことって、
実はものすごく沢山あって。

別に誰のためでもない、
自分の何気ない行いが、
実は誰かのためになっている。
そんなことはなかなかなくて。
やろうやろうとするほどに、
何だか上手くいかない。
そういうことの方が、
きっと多いわけだ。

それはある意味で、
欲なんだと思うわけです。

誰しもが、
当たり前に思うことの方が、
実はとてつもないことなのかもしれない。

確率が低いからとか、
出現率云々とか、
それは、あくまでも数字の話で。

現実に起こることを見れば、
どんなに信用性が高かろうが、
外れちゃうときはハズレるし。
上手くいくときはあっさりいく。

頑張らなくても、
地球は回るし、日は昇る。

思いは強すぎると、
それは拘りってやつになって、
しこりみたいに固まってしまう。

逆に、
一か八かなんて方が、
案外すんなりいっちゃう場合も、
ままあるわけですね。

つまるとこ、
結局『奇跡』って、
そんな感じなんじゃないかなって。

誰も気にも止めないし、
讃えてくれるわけでもないけど。
それでも、
誰かの何かが、
きっと、今のこの瞬間を、
作ってくれてるんじゃないのかなって。

そうすれば、
世の中の全てがさ、
たまらなく楽しくなるじゃない。






見事な返し業だっていう話。

知念実希人さんの、
『仮面病棟』を読みました。

先輩から代打当直を任された速水秀悟。そこは療養型病院で、その日も寝当直くらいの気軽な仕事のはずであった。
しかし、始まった途端に事態は急展。何と拳銃を所持した強盗犯が、人質を連れて立て籠る。。。
身代金、その他一切の要求がない様子に不信感を抱いた速水は、脱出を試みながら、犯人の目的調査に乗り出す。次第にその病院に隠された秘密と謎があぶり出され、場は混沌と化していく。
そして、その閉鎖的な空間に突如訪れる変化。勤務中の看護師が刺殺死体で見つかった。。。
人質解放の条件である夜明けへと刻々と時刻が進む中、またも事態は予想だにしない方向へ。果たして、速水は無事に病院から脱することはできるのか。犯人の意図と、意外な結末とは。

う~む。
確かに、一気読みしたくなる、
スピーディーな物語だ。
かといって、内容が浅いかと言えば、
そうではなくて、
適度な緩急でまとめられている。

時間とともに謎は深まり、
緊張感が高まりつつ、
ピークを迎えてからの、
矢継ぎ早な展開の速さ。

殺人という非日常的サスペンス、
閉鎖された病院という空間のホラー、
そして謎と秘密のミステリー、
どれに偏るでもなく、
されど浅いわけでもない。

全ての要素が、
少しずつ相互作用しながら、
絡み合っていくプロット。

医師の肩書きを存分に生かした、
作者ならではの筆運び。

この手の小説にありがちな、
医学用語や知識に頼るものではなく、
それを知らずしても、
十分に面白く読める作品になっている。

最近は、
わりと長編を読むことが多かったけれど、
こういう中編は、むしろ、テンポ良く読めるので、非常にとっつきやすい。

三位一体、
絶妙なアンサンブルで、
読み手を飽きさせることがない。

非常におすすめな一冊だ。