こんにちは、NPO法人ファミーユのミルク猫部です。
今回はミルクボランティアへの参加を検討されている方に向けて、当ミルク猫部では実際どのように仔猫をお世話しているのかをご説明したいと思います
ミルクボランティアを簡単に言うと、
仔猫を2~3ヶ月間だけ自宅で育てるボランティア
なのですが、
そこにはおうちで「猫を飼う」のと大きく違う点があります。
それは、仔猫を「管理する」という視点です。
おうちのペットの場合、どのように飼うかは飼い主さん次第ですよね?
それがミルクボランティアとして仔猫を預かっていただく場合は、ミルク猫部での統一した育て方をお願いしております。
どんな予防医療をどのタイミングで受けるのか、健康状態はどのように管理するか等。
私たちは仔猫を里親様へ繋ぐ中間走者ですので、責任をもって命のバトンを渡さなくてはいけません。
もし仔猫の育て方がミルボラさんによってバラバラだと、
【Aさんの育てた仔猫】体調不良は適切な対処で完治。里親様のお宅で元気に暮らしている
【Bさんの育てた仔猫】痩せ気味で便がゆるい。里親様のもとで寄生虫が発覚して、先住猫へも感染拡大
管理意識の違いで、こんな風に差が出てしまうことがあります
保護猫ですので体調が万全でなかったり、寄生虫がいるのはよくあることです。
それらをいかに早期発見・治療・対処していくかがミルボラさんの腕の見せ所
仔猫の実質的なお世話はミルボラさん自身になりますが、仔猫の健康管理や譲渡活動はミルク猫チーム全体で行なっています。
個人プレイかと思いきや、意外とチームプレイで動いていますので、他のメンバーとの報告・連絡・相談が円滑にできることも当ミルク猫部では必要な要素になります
さて前置きが長くなりましたが、具体的なお世話の流れを説明させていただきます。
【1】仔猫の預かりスタート
愛護センターから引き出した生後数日~3週間くらいの赤ちゃん猫を預かっていただきます。
過酷な環境で生まれた仔が多く、この時点ではどんな病気・寄生虫に感染しているかは不明です。(ノミ・マダニは駆除済)
その為おうちで飼っている猫さんとは、各種検査が終わる生後2ヶ月まで隔離してお世話してください
この時期の主食はミルクで、3~4時間おきに授乳と排泄補助をします。
まだ自力で排泄できないので、授乳前にティッシュで陰部をトントンして排尿を促します。
便は数日に1回出れば大丈夫です。
ミルクは最初から上手に飲める仔もいれば、練習が必要な仔もいます。
そして授乳のコツを掴むのが早いミルボラさんもいれば、苦手なミルボラさんも。
預かり初日に授乳の実践練習を行いますが、「家で一人でやってみたらうまくいかない」という方はシェルターで再度練習してください。
赤ちゃん猫はミルクが命に直結しているので、量が不十分だとすぐに体調不良に陥ります。
一人で何とかしようとせず、他のボラさんをどんどん頼ってくださいね
赤ちゃん猫の健康のバロメーターは体重増加率で、毎食ごとに体重測定をして記録していきます。
例えば生後1週間くらいの仔猫は毎日10gずつの増加が理想的で、もっと大きくなると1日20gずつの増加を目標にしていきます。
仔猫の体重も100~200gと非常に小さく、数グラム単位を記録するとても細かい作業ですが、この体重記録表が
めちゃくちゃ重要
です
仔猫に何か問題が起きた場合、この体重記録表をもとにチームで原因を考えたり、解決策を導き出していきます。
赤ちゃん猫は免疫力が低く、体がまだ未成熟なこともあり、たびたび体調を崩します。
よくあるのは下痢ですが、元気に動いていれば投薬治療で数日後には回復します。
問題なのは元気がないとき。
赤ちゃん猫は体力がないので、処置が遅れるとあっというまに重篤化し、死に至る危険があります
例えばこんなケース。
朝は元気でいつも通りミルクを飲んでいたのに、次の授乳タイム(3時間後)にはぐったり。。。
この仔↑は幸い命に別状はありませんでしたが、元気がないのはよっぽどの時なので、遭遇するたびに神経がすり減ります
【2】離乳食への切り替え
生後1ヶ月頃から離乳食へ切り替えます。
たまに離乳食を嫌がる仔がいるので、その場合は強制給餌が必要となりミルク以上に手間と時間がかかることがあります。
そして強制給餌が続くとミルボラさんのメンタル落ちがちです
私も経験あるのですが、生き物にとって「食」は嬉しいはずなのに、嫌がる仔には「苦行」になっていることがとても可哀相で、自分を責めてしまったり罪悪感にさいなまれます。
経験を積むことで【感情<理性】でこなせるようになりますが、新人さんは一人で抱え込まず、遠慮なくチームに相談してもらえればと思います
何の問題もなく離乳食へ移行できれば食餌回数が減り、一気にお世話が楽ちんになる時期です
排泄もトイレで自力でするようになります。
ただし食餌が液体→固形へ変わったことで、下痢(消化不良)が増える時期でもあります。
生後1ヶ月というと可愛い盛りですが、ヤンチャっぷりがどんどん加速していく時期でもあります
カーテンによじ登ってボロボロにしたり(コチラ)、網戸クライミング(コチラ)も定番です。
電気コードをかじる仔がいるので感電防止策は必要になるし(コチラ)、どんどん棚の上や高い場所に登るようになるので誤飲や落下物の対策もしないといけません。
成猫がやらないようなイタズラや事故を仔猫は起こします。
安全管理のため、ケージから出して自由行動させる際は必ず監視をお願いします
【3】通院
規定の予防医療(ワクチンや各種検査)を全仔猫に実施しています。
ファミーユ提携の動物病院(名古屋市東区/大府市)へ連れて行ってください
体調不良の場合はチームへ相談後、病院を受診してください。
【4】里親募集活動
正式な里親募集は、予防医療がすべて完了する生後2ヶ月頃から開始します。
それ以前の預かり中の様子は、当ブログや各ミルボラさんのインスタで公開しており、写真や動画の撮影は各ミルボラさんにお任せしています。
里親さんが見つからなかった場合、生後3ヶ月に保護猫カフェへ移動します。
できればミルボラさん宅→里親様宅へ直接お引越しするのが、仔猫にとって環境の変化が少なく負担も最小限なので、ミルボラさんたちはこの直接卒業を目標に頑張っています。
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いかがでしたか?
ミルクボランティアの活動が具体的にイメージできましたでしょうか。
「気軽に仔猫を預かる」というボランティアではありませんので、ご応募前にしっかりとご検討いただければと思います
<ミルボラ応募条件>
●1日3時間以上の留守がない方
●提携病院(東区/守山区/大府市)へ通院できる方
●facebookメッセンジャーで連絡が取れる方
●マイカー移動できる方
●チームへの報連相ができる方
▼動画で見る乳飲み仔猫(生後4週未満)のお世話
▼動画で見る離乳猫(生後3~6週頃)のお世話
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