入試が迫ってきました。
実例紹介シリーズ「合格への道」は少しお休みして、入試直前期の色々な考え方についてまとめます。
まずは中学入試から。
私は19歳の学生講師のときから32年間、神奈川の塾で中学受験指導を行ってきました。
その知見に基づき、この時期に質問を受けやすいことについてQ&A形式で書きたいと思います。
なお、過去ブログでも色々と書いておりますのでご参照ください。
【 Q1 】 成績が安定しておらず不安です。志望校ランクを下げるべきでしょうか?
【 A1 】
基本的に中学受験というものは無謀だろうがなんだろうが夢のある受験をしてほしいと私は願っています。
大学受験までチャンスはまだまだあるわけで、12歳の時点で「受かるところ」を選ぶというのは、弱気すぎます。
学習塾は合格実績が欲しいですし、先生たちも出願直前期になると志望校ランクを下げるように進言しがちです(最近では不合格になったときの教室の印象や評判の低下などを怖がる講師が多いようです)。
確かに、何年間も塾に通って頑張ったので、1校くらいは「合格」という成果の結実を与えてあげたいですから、全滅は避けるべきだというのは同感です。
でも、中学入試は、そもそも行きたいところを受けてこそ価値があります。チャレンジ精神なき受験は、価値が半減します。
成績を見て志望校を変えない。
これがチャレンジ精神に基づいた、勇気ある行動です。
合格可能性が50%を切っていても、そこにチャレンジするからこそ価値があるのです。無謀と思える学校でも、チャレンジによる精神的苦痛を買って出ようとすることを前向きに捉えましょう。
チャレンジするのは自由であり、その後の人生に必ず生きてきます。
塾講師や親がその権利をはく奪してはいけません。
受験は合格のためだけにするのではなくその後の人生のためにするものでもあるということを思い出しましょう。
【 Q2 】午後入試は受けるべきでしょうか。
【 A2 】
最近の首都圏の入試時間割は、地域が近い学校や、偏差値レベルの近い学校との併願パターンを考えて組んでくれています。
疲れが出ない範囲で積極的に受けましょう。
元気のある子どもであれば、2日間くらいはAM~PMと勝負できます。
むしろ心配なのは親御さんです。
精神的な疲れもさることながら待ち時間の過ごし方や送迎などの面で肉体的にもかなり疲れます。
両親での分担などをしっかり検討し、親が子より先にダウンしないようにしましょう。
【 Q3 】 過去問の点数は当てにしていいのでしょうか。
【 A3 】
正直いってあまり当てにはなりません。
過去問というのは、本として買った時からペラペラめくって見たりしていますし、どこかでの問題集で出会っていることも多いです。
つまり初見のようで初見ではない可能性があります。
また、本番とはだいぶ異なる環境下での演習となるため緊張感も違います。
過去問の得点がよければ、その8がけ(8割)程度で考えましょう。
悪かったとしても、まだ本番まで日数があるので、塾の先生などと一緒に対策を考えて、実行に移しましょう。
いずれにせよ、過去問の得点に一喜一憂するのは時間の無駄なので、問題集を解いている感覚で構いません。
(解き直しをしないのはもっとも意味がないどころかマイナスです)
【 Q4 】 過去問はいつまでやればいいのでしょう。
【 A4 】
過去問演習は、第一志望~第二志望くらいのものは年内に一通り終わらせましょう。志望順位の低いものは1月になることもあります。
一番まずいのは、過去問演習を入試の特徴(レベル・傾向・分量など)を把握して、そこまでの距離を測るためだけに使って満足してしまうことです。
そうではなくて、毎年同じような問題が出る学校は多くあるわけですから、「○○中の頻出問題を集めた問題集」として使うのがベストな使用方法です。
だから私は、時間を計って得点を出すという利用法よりも、5年分なら5年分、コピーして類題を集めてノートに貼るなどの方法で演習するのがよいと考えています。
こちらも参考に。
【 Q5 】 倍率が気になります。
【 A5 】
これについてはこちらをご覧ください。
【 Q6 】 1月入試は受けるべきでしょうか。
【 A6 】
これについてはこちらをご覧ください。
【 Q7 】 12~1月の過ごし方について教えてください。クリスマスや正月はどうすべきでしょうか。
【 A7 】
まずは何はなくとも、体調管理です。
今年はインフルエンザが怖いです。コロナ禍で身につけた感染予防策を再度行ってください。
また、小学生でも睡眠不足は大敵です。その日、無理に夜中までやらせて、次の日に熱を出したら3日間は無駄になります。
クリスマスと正月については、例年通り過ごさせてあげましょう。
受験のためにこういうイベントを我慢するというのは、正直バカげています。
私は塾の「正月特訓」などは嫌いです(昔はよくやっていましたが)。よく大手塾では「必ず参加!受験生に正月はない!」などと言いますが、正月に1~2日休んだくらいで実力に差が出ることはほぼありません。
ほとんどは売上を少しでも上げるためのセールスなので、正月くらいは家庭的に過ごしましょう。
クリスマスはツリーを飾って、ケーキやチキンを食べて、楽しみましょう。
正月はお参りにも行きましょう。おじいちゃんおばあちゃんにも会わせてあげましょう。子供だからといって、全エネルギーを受験にそそぐなんてことはできません。
むしろエネルギーを回復するための年末年始だと思えばいいのです(もちろん数日間だけにとどめてくださいね。「家族で1週間海外旅行!」とかはさすがにやりすぎです)。
こちらもご参照ください。
親の心構え。
あきらめそうになったら。
では本日は以上です。
-*-*-*-*- 以下PRです -*-*-*-*-
フェイマスアカデミーは川崎・新百合ヶ丘にある算数・数学・理科の専門塾。
中学・高校・大学受験に対応。
個別指導は常に満席。
私立生専門のグループコースも人気です。
2024年、10周年を迎え大幅リニューアル!
くわしくは下記バナーからホームページへGO!
-----------------
-----------------
■ 福嶋淳史の著書は現在6冊。発行部数7万部以上!
◎ちびまる子ちゃんの「分数・小数」(集英社)2018年
◎ちびまる子ちゃんの「かけ算・わり算」(集英社)2015年
◎「本当の計算力」が身につく問題集(大和出版)2015年
◎格言で覚える![完全攻略]高校入試数学55の鉄則(大和出版)2014年
◎すべての教科で使える!勉強のできる子は「図」で考える(大和出版)2013年
◎算数のケアレスミスが驚くほどなくなる本(大和出版)2012年