落下の王国のすべてThe Fallmania -18ページ目

落下の王国のすべてThe Fallmania

ターセムが紡ぐ現代人のための癒しの千夜一夜物語
2008年日本公開された「落下の王国」について語るブログです
ミュージックビデオを撮るようなシックな監督ですが…
やっぱりインド人
歌って踊るシーン・・・1か所あります

この映画の時代設定は無声映画の時代で、

 

映画の終わりにはバスター・キートンが自分でアクションシーンを演じているのを見ると、

 

スタントマンはまだ確立されていない職業だと考えられる。

 

ターセムの言によれば、

 

この時代のスタントは「5ドルあげるから飛び降りて」というものだったという。

 

だから、「ロイはスタントに失敗したスタントマン」という解釈には賛同できない。

 

ロイは死ぬつもりで飛び降りて半身不随になった。

 

それでちゃんと死のうと、モルヒネ入手を画策。

 

その企みにアレキサンドリアが巻き込まれる、という物語が「落下の王国」の骨子。

 

「落下」すること、そのこと自体がエンターテインメントだった時代のお話。

 

だから、皆さん次々落ちていく。

 

 

階段池へ落ちるダーウィン。

 

これはボリウッドのスタントマンさん。

 

重い衣装を着て、ちょっと小さめのよく走る馬から落ちた。

 

あまりの迫力にリーが「大丈夫?」と訊いたら、

 

「いい画、撮れた?」とばかりに、ポンポンとホコリを払って起き上がったと感嘆しているリー。

 

ジャンタルマンタルの時計から飛び降りるインド人の妻。

 

紅い衣装はインドの花嫁衣裳。

 

 

 

装苑2008年11月号 コスチュームデザイナー石岡瑛子特集

 

8ページに渡る特集  must buy

 

リー・ペイスに”eiko-chan”と呼ばれる石岡瑛子女史。


気温43度のインドでの撮影、革パンツの衣装について”Thank you Eiko”と言うリー。

 

意味は・・・「革パンツ、暑過ぎ〜」

 

 

 

 

内容は「私 デザイン」とあまり変わらないようだ。

 

 

わたしはこちらを待っている。

 

展覧会カタログ↑

 

当初12月とか言っていたが発刊が遅れている。

寄稿:安藤忠雄、小池一子、杉本博司、佐藤卓、朽木ゆり子ほか
 

安藤先生、杉本先生が寄稿しているなんて、すごくて楽しみ~

 

 

 

2008年5月「落下の王国」アメリカ上映開始に合わせ、
ロサンゼルスのランドマークシアターにて展示された衣装たち。

 

今回木場の東京都現代美術館「落下の王国」コーナーには黒山賊の衣装のみ展示されている。

 

ダーウィンとエブリン姫の衣装はいまいずこ???

 

 

eiko2.jpg

 

東京都現代美術館での石岡瑛子女史回顧展

「血が、汗が、涙がデザインできるか」を観る。

初日ということもあって業界っぽいかたがたくさん来ていた。

eiko1.jpg

女史の作品群をすべて網羅していることがまずスゴイ!

これは病気がわかって晩年結婚したニコが瑛子様の作品が散逸しないようにアートセンターのようなところに寄付したことが功を奏しているのだろう。

個人蔵というものもあったけれどもニコが手放さずに持っているのでは、と思う。

nico.jpg

<「落下の王国」に出演しているニコ>

ニコはギリシャ人とアイルランド人との混血で

女史に言わせると

ホメロスとジェイムズ・ジョイスとの結合であり、

彼なくしてここまで来ることはできなかった、と

著作「私 デザイン」の中で

愛情と深い信頼を綴っている。

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この回顧展でニコの名前は

入り口右側の謝辞、

瑛子様の妹さんの下

 

2番目に見ることができる。

 


 

六本木TSUTAYAで展示されたターセム製作非売品の写真集

表紙↑ 

 

裏表紙画像はこれ↓ 
アレキサンドリアの後ろ姿。

 

 

ターセムは「落下の王国」をブックエンドのように作った。

つまり、この作品の始まりと終わりは白黒画面にしてベートーベンを流す。
そして、なおかつまた、最後の無声映画部分もブックエンドのように作った。

ロイがどこにいるのか、いないのかは、
ターセムのそのような製作マインドから場面推察できる。

 

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中身が見られるようにyoutubeに出してくれているヒトがいた

ありがとうございます!

 

表紙はスライド式になっていて、マスク部分が下がって

カティンカの顔が見えるようになる。

 

 

映画のメインタイトルのタイポグラフィとタイトルデザインも作成したStefanG.Bucher  (344デザイン所属)。

 

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344デザインの写真集紹介文より

 

ビジョナリーディレクターのターセムは、彼の画期的映画「落下の王国」の制作中に最初に私たちにアプローチしてきました。

彼はこの信じられないほどのファンタジー映画に自己資金を提供していたので、配給業者を探す必要がありました。

唯一の問題は彼はまだ編集を微調整していて、最終的なカット以外は何も見せたくありませんでした。

彼は、実際の映画をまったく見せずに、映画のイメージと壮大な範囲を示す何かを必要としていました。

 

<見えない映画を売る>

Tarsemは、有名な写真家Stephen Berkman(およびオスカーを受賞した衣装デザイナーの石岡瑛子のスタジオから数名)が撮影した7,000枚以上の静止画像を、映画配給会社への作品紹介として<オブジェクト>を作成することを任せてくれました。

 

その結果、80ページのハードカバーの本が、14x17インチのフィルムとほぼ同じように拡大縮小され、フィルムのヒーローであるアレクサンドリアに象徴的な紙のマスクを置くカスタムプラスチックシートで保護されました。

 

ハイエンドのタイポグラフィを大画面にもたらす

 

この本に関する私たちの仕事により、ターセムは映画自体のタイポグラフィを作成する仕事を私たちに任せてくれました。

 

私たちは映画のタイトルをカスタムメイドし、エンドクレジットと、映画の付随的なタイプのいくつかのビットを作成しました。

 

344デザインはまた、映画評論家のロジャー・エバートによる絶賛をフィーチャーしたいくつかのテレビスポットのタイポグラフィを提供しました。

 

映画のタイトルは、ある意味でブランディングの詩的な結晶です。映画のムードを設定し、視聴者が安心できる視聴覚環境を作り出すのはタイトルにかかっています。

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コレ作ったのはうち(344デザイン)よ、と言っているんですね。

 

似ているのよね~、オタ・ベンガのヘッドカバー

 

 

 


上段 左

アメリカ版DVD
上段 右
日本版ブルーレイ

 

下段

右左ともに日本版DVD


アメリカ版DVDの特典映像紹介

1)削除シーン
2)メイキング
(ニコ・ソウルタナキス製作のWanderlust & Nostalgia)
3)リー・ペイス☆ニコ・ソウルタナキス☆ダン・ギルロイによるコメンタリー
4)ターセム監督によるコメンタリー
となっている。

日本版DVD特典は

a)メイキング
b)未公開シーン
c)インタビュー(衣装デザイナー、監督)
d)ロケ地、世界遺産チャプター
e)監督ターセムによる音声解説

日本版の 

c)&d) はアメリカ版には無い


アメリカ版の

3は日本版には無い。

 

アメリカ版を見るにはリージョンフリーDVDプレイヤーが必要。

 

Blue-rayの場合、DVDを見る場合にあった1&2のリージョン区分けは、日米は”A”で、同じ。

つまり、日本製ブルーレイプレーヤーで
アメリカアマゾンで買ったアメリカ版ブルーレイは見られるということになる。

が、しかし〜
2008年後半に販売されたブルーレイには
プレーヤーとのバージョンの合致が必要となる
(この映画に関しては問題ないが)

買った最新ソフトが日本製プレーヤーで再生できない場合は、
プレーヤーが古いなどのバージョン違いだから、
日本メーカーにバージョンのグレードアップをお願いせんといかん。

 

無難に観るならDVDで。

 

レンタル版にはディスク2は無いのでセル版をゲットしてください。

 

反対にブルーレイには1枚で特典映像も入っているのでレンタル版アップでも全部観られる。

 

ただ、ブルーレイ信仰は要らない。

 

ハイビジョンで観るならブルーレイが良いけれども

30インチぐらいの安価なテレビではDVDでも変わりない←ビックカメラの店員さんから聞いた。

 

DVDにするか、ブルーレイにするかはアウトプットするテレビの性能次第ということ。

 

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この映画ではないが、DVD売り出しにあたって、

ワーナーさんが試写会やってくれて

ワーナー試写室でさる映画のDVD上映を見た際、

コマ落ちしていた。

 

そしてときどき止まる。

 

試写室の画面は映画館の小さいスクリーンほどの大きさだから

DVD上映はムリがあった。

 

こういうときはブルーレイでなくちゃダメってこと。

 

でも自宅なら、コマ落ちなんかしないからDVDで問題ない。

 

落下の王国音楽担当はクリシュナ・レビ(Krishna・Levy・フランス在住 インド生まれ)

ベートーベンの曲の演奏はブルガリアシンフォニーオーケストラ、
指揮はDeian Pavlov。
(この映画でのこのオケの演奏は若干、音がずれているという噂・・・)


●ブルガリア男性コーラス

アヤソフィアのシャンデリアホールでオウディアスを称える

結婚式のとき

ジョードプルのメランガーフォートでのコーラスなど


●ボーイソプラノ

エヴリン姫と黒山賊のロマンス


●メゾソプラノ

Marie Kobayashi オタ・ベンガの死
などが聞こえてくる。

オペラを想定して曲をつけたので、登場人物はテーマ旋律を持っている。
 

結婚式から反転するシーンで聞こえてくる音色、

楽器はOUD ウード

演奏しているのはウード演奏の第一人者Titi Robin

 

TitiのHPで演奏が聴ける

 

 

この場面では11歳の少年の美しいボーイソプラノが聴こえる。

You think you took me captive〜

私を捕らえたと思っているでしょう〜
でも、実は私は自由になったの〜
私は黄金の籠に囚われた鳥だったの〜

エヴリン姫の台詞を繰り返して歌っている。

 

みんなに歌声を褒められたので

 

お母さん(オケのメンバー)はこのコをプロの歌手にするとかのたまい

 

オケのみんなでそれはやめとけーと止めた

 

 

ダーウィンがその生態を探す蝶、アメリカーナ・エキゾティカ



ナショナル・ジオグラフィック
2008年12月号では「ダーウィンになれなかった男」
としてアルフレッド・ラッセル・ウォレスの特集が組まれ、
ウォレスが採集した蝶が紹介されている。

同じ種なのに大きさや色が微妙に違うヒイロトリバネアゲハ

 

 

サンゴ礁のブルーの蝶から終盤、茶色に変わっていくのは
不遇なウォレスへのリスペクトからだろう。

豪華な衣装や煌くロケ地に紛れて見えにくいが、


キリスト教系の慈善病院に集まる貧しい人々、
ウォレス、

ピグミーのオタ・ベンガ、

孤独なルイジに、
スタターの霊者、

インド人

移民など

 

差別や迫害を受け、社会的に不遇な者たちを登場させることによって、この人たちへの温かな関心をこの映画は見せている。