落下の王国のすべてThe Fallmania -18ページ目

落下の王国のすべてThe Fallmania

ターセムが紡ぐ現代人のための癒しの千夜一夜物語
2008年日本公開された「落下の王国」について語るブログです
ミュージックビデオを撮るようなシックな監督ですが…
やっぱりインド人
歌って踊るシーン・・・1か所あります

 

ジョードプルの要塞でエヴリン姫と別れるロイ。

 

姫に言うセリフは

”Follow your heart”

 

どこかで聴いたことあるな~と思ったら、

 

これは2005年にスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行ったスピーチからとったのだろう。

 

落下の王国は2006年に完成しているので、2005年はまだ撮影中だった。

 

ジョブズはスピーチの中で follow your heartを2回ほど使っている。

 

have the courage to follow your heart and intuition

 

ジョブズのこの言葉はどんなにターセムを力づけたことだろう。

 

自費で映画を撮るって大変なことだ。

 

ターセムは

「年をとって、他人の撮った映画をただ見ているなんてイヤだ」と言っている。

 

 

弾が当たって蓋の開いたロケットの中に

 

父からのメッセージが。

 

Always follow your heart

 

 


インド人は妻を総督オウディアスに拉致され、
その妻が死んだことからオウディアスへの復讐を誓う。

インド人には名前が無い・・・

なぜ名前が無いかというと・・・

”インディアン”という言葉の定義が、最初からロイとアレキサンドリアでは違っていて、ファジーなままに物語を紡いでいるから。

ロイはアメリカ人だから

”インディアン”というのはアメリカインディアン、つまりアメリカ大陸のネイティブインディアンを意味し、

アレキサンドリアはルーマニア移民であるので

”アメリカインディアン”をまだ見ていない。

 

アレキサンドリアのイメージするインディアンは

オレンジ農場で働くシーク教徒のインド人を指す。

そこをわざと曖昧にするべくこの”インド人”には名前がない。

始まりの鉄道シーンにいるのはアメリカインディアンであるし、
最後、果樹園にいるオレンジもぎはインドから来たインド人ということになる。

ロイとアレキサンドリアのイマジネーションは噛みあっていない、というか、映画で描かれるものはアレキサンドリアの視点からのものだ。

 

ロイのイメージするインド人 ↓

眉を掻く

ターセムはここでred indianという言葉を使っている。
彼らが顔や上半身を赤く塗ったことからそう呼ばれているという。

 

つまりアメリカ大陸のインディアン。

 

インド人の”妻”という英単語は”squaw”というアメリカインディアンの女性の呼び名を使っている。


”家”という単語もアメリカインディアンの住居を指す”wigwam”と表現されている。

 

インド、ジャイプール シティパレスで

アメリカインディアンの単語を使って説明している、って…

 

これもコミュニケーションギャップ。

 

 


ダーウィンの持つ小箱と

 

 

アレキサンドリアが持つ小箱は同じモノ。

 

ペルシャの図柄に「千夜一夜物語」と書いてある。

 

ダーウィンの小箱の中身は病院床模様の地図、

 

紙には毒

 

アレキサンドリアの小箱には彼女の全財産が入っている。

 

1)家族写真

 

2)エレファント印のタバコ

(キャメルに対抗している)

 

3)スプーンなどが入っている。

 

ロイのバカは「盗んだモノ?」なんて訊いている

 

ターセムって意地悪だよねー

 

「落下の王国」は子供の頭の中の「千夜一夜物語」であるので、

 

いつでも、これからいいところ、ってところで止まったり、

 

跳んだりして、とっちらかっていく。

 

 

最後のシーン、オレンジ農園で箱を開けると

 

おじいさんの入れ歯、

 

ローエンシュタイン兄弟製作の人形、

 

ジブリッシュの手紙など、

 

アレキサンドリアの宝物が増えていることがわかる。

 

 

この映画の時代設定は無声映画の時代で、

 

映画の終わりにはバスター・キートンが自分でアクションシーンを演じているのを見ると、

 

スタントマンはまだ確立されていない職業だと考えられる。

 

ターセムの言によれば、

 

この時代のスタントは「5ドルあげるから飛び降りて」というものだったという。

 

だから、「ロイはスタントに失敗したスタントマン」という解釈には賛同できない。

 

ロイは死ぬつもりで飛び降りて半身不随になった。

 

それでちゃんと死のうと、モルヒネ入手を画策。

 

その企みにアレキサンドリアが巻き込まれる、という物語が「落下の王国」の骨子。

 

「落下」すること、そのこと自体がエンターテインメントだった時代のお話。

 

だから、皆さん次々落ちていく。

 

 

階段池へ落ちるダーウィン。

 

これはボリウッドのスタントマンさん。

 

重い衣装を着て、ちょっと小さめのよく走る馬から落ちた。

 

あまりの迫力にリーが「大丈夫?」と訊いたら、

 

「いい画、撮れた?」とばかりに、ポンポンとホコリを払って起き上がったと感嘆しているリー。

 

ジャンタルマンタルの時計から飛び降りるインド人の妻。

 

紅い衣装はインドの花嫁衣裳。

 

 

 

装苑2008年11月号 コスチュームデザイナー石岡瑛子特集

 

8ページに渡る特集  must buy

 

リー・ペイスに”eiko-chan”と呼ばれる石岡瑛子女史。


気温43度のインドでの撮影、革パンツの衣装について”Thank you Eiko”と言うリー。

 

意味は・・・「革パンツ、暑過ぎ〜」

 

 

 

 

内容は「私 デザイン」とあまり変わらないようだ。

 

 

わたしはこちらを待っている。

 

展覧会カタログ↑

 

当初12月とか言っていたが発刊が遅れている。

寄稿:安藤忠雄、小池一子、杉本博司、佐藤卓、朽木ゆり子ほか
 

安藤先生、杉本先生が寄稿しているなんて、すごくて楽しみ~

 

 

 

2008年5月「落下の王国」アメリカ上映開始に合わせ、
ロサンゼルスのランドマークシアターにて展示された衣装たち。

 

今回木場の東京都現代美術館「落下の王国」コーナーには黒山賊の衣装のみ展示されている。

 

ダーウィンとエブリン姫の衣装はいまいずこ???

 

 

eiko2.jpg

 

東京都現代美術館での石岡瑛子女史回顧展

「血が、汗が、涙がデザインできるか」を観る。

初日ということもあって業界っぽいかたがたくさん来ていた。

eiko1.jpg

女史の作品群をすべて網羅していることがまずスゴイ!

これは病気がわかって晩年結婚したニコが瑛子様の作品が散逸しないようにアートセンターのようなところに寄付したことが功を奏しているのだろう。

個人蔵というものもあったけれどもニコが手放さずに持っているのでは、と思う。

nico.jpg

<「落下の王国」に出演しているニコ>

ニコはギリシャ人とアイルランド人との混血で

女史に言わせると

ホメロスとジェイムズ・ジョイスとの結合であり、

彼なくしてここまで来ることはできなかった、と

著作「私 デザイン」の中で

愛情と深い信頼を綴っている。

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この回顧展でニコの名前は

入り口右側の謝辞、

瑛子様の妹さんの下

 

2番目に見ることができる。

 


 

六本木TSUTAYAで展示されたターセム製作非売品の写真集

表紙↑ 

 

裏表紙画像はこれ↓ 
アレキサンドリアの後ろ姿。

 

 

ターセムは「落下の王国」をブックエンドのように作った。

つまり、この作品の始まりと終わりは白黒画面にしてベートーベンを流す。
そして、なおかつまた、最後の無声映画部分もブックエンドのように作った。

ロイがどこにいるのか、いないのかは、
ターセムのそのような製作マインドから場面推察できる。

 

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中身が見られるようにyoutubeに出してくれているヒトがいた

ありがとうございます!

 

表紙はスライド式になっていて、マスク部分が下がって

カティンカの顔が見えるようになる。

 

 

映画のメインタイトルのタイポグラフィとタイトルデザインも作成したStefanG.Bucher  (344デザイン所属)。

 

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344デザインの写真集紹介文より

 

ビジョナリーディレクターのターセムは、彼の画期的映画「落下の王国」の制作中に最初に私たちにアプローチしてきました。

彼はこの信じられないほどのファンタジー映画に自己資金を提供していたので、配給業者を探す必要がありました。

唯一の問題は彼はまだ編集を微調整していて、最終的なカット以外は何も見せたくありませんでした。

彼は、実際の映画をまったく見せずに、映画のイメージと壮大な範囲を示す何かを必要としていました。

 

<見えない映画を売る>

Tarsemは、有名な写真家Stephen Berkman(およびオスカーを受賞した衣装デザイナーの石岡瑛子のスタジオから数名)が撮影した7,000枚以上の静止画像を、映画配給会社への作品紹介として<オブジェクト>を作成することを任せてくれました。

 

その結果、80ページのハードカバーの本が、14x17インチのフィルムとほぼ同じように拡大縮小され、フィルムのヒーローであるアレクサンドリアに象徴的な紙のマスクを置くカスタムプラスチックシートで保護されました。

 

ハイエンドのタイポグラフィを大画面にもたらす

 

この本に関する私たちの仕事により、ターセムは映画自体のタイポグラフィを作成する仕事を私たちに任せてくれました。

 

私たちは映画のタイトルをカスタムメイドし、エンドクレジットと、映画の付随的なタイプのいくつかのビットを作成しました。

 

344デザインはまた、映画評論家のロジャー・エバートによる絶賛をフィーチャーしたいくつかのテレビスポットのタイポグラフィを提供しました。

 

映画のタイトルは、ある意味でブランディングの詩的な結晶です。映画のムードを設定し、視聴者が安心できる視聴覚環境を作り出すのはタイトルにかかっています。

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コレ作ったのはうち(344デザイン)よ、と言っているんですね。

 

似ているのよね~、オタ・ベンガのヘッドカバー