落下の王国のすべてThe Fallmania -16ページ目

落下の王国のすべてThe Fallmania

ターセムが紡ぐ現代人のための癒しの千夜一夜物語
2008年日本公開された「落下の王国」について語るブログです
ミュージックビデオを撮るようなシックな監督ですが…
やっぱりインド人
歌って踊るシーン・・・1か所あります

 

石岡瑛子 美術・衣装担当の

 

「クローゼット・ランド」

 

このお仕事に関する記録、女史、書いてないですな~

 

 

製作 ロン・ハワード

 

出演 アラン・リックマン

   マデリーン・ストウ

 

美術 石岡瑛子

 

 

豪華な面々!!!

 

この映画はアムネスティの協力を得ているので

 

人権が関係無い国では無視されたのかも。

 

DVDすら無い。

 

 

 

 

 

無彩色のアレキサンドリアの病院コスチューム

グレーのマスクとカーディガン、オフホワイトの寝巻き。
大人っぽい光沢あるベージュのサテンリボンを髪止めにしているところが凄い。

幻想世界の極彩色コスチュームとの対比としての、
病院シーンでのこれらのシックな色合いは、退屈な病院での日常生活を示すとともに、アレキサンドリアの心が、年齢や行動のわりには、実は大人びていることを表現しているのだろう。

 

実際、子供病棟にいるのに、ほかの子供患者との交流は描かれない。

 

母と妹が見舞いに来ても、ろくに会話も無い。

 

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妹役のコはカティンカのボディダブル、エマ。

 

「(このコは痩せているので)走るシーンで二人を走らせるとカティンカよりずっと速く自分のところまで来る」とリーが言っている。

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アレキサンドリアが交流を持とうとするのは、エヴリン看護師さんだし、入れ歯で遊ぶおじいさん、自殺を企むロイなど、すべて大人。

 

ターセムは病院シーンは小津を念頭に置いて撮影し、

戦士のシーンは黒沢を意識した、と言っている。

 

だから、病院シーンは色が無い。

 

 

 

「ソルジャーズ・ガール」出演の3人
 

左:バリー役ジェーン・フォンダの息子トロイ、
中:ゲイが嫌いなバリーのルームメイト、
その右カルペニア役のリー・ペイス

右端は・・・?
実際のカルペニア

彼女(?)は映画出演を打診されたが、
事件をクローズアップしてもらうことの重要性を訴え、
自分のことにみんなの関心が向くのを怖れて出演をOKしなかった。

そんなわけで実際のカルペニアは「ソルジャーズ・ガール」のエンドクレジットにチラリと映るのみ。

 

リー・ペイスがその演技を認められた出世作”ソルジャーズ・ガール”(2004年)
実際にあった事件をもとに作られた。

 

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Soldier's Girl [DVD] [Import]

 

日本amazonで買えますが、

リージョンは1ですから、

通常のDVDプレーヤーでは見られません。

リージョンフリープレイヤーで観てください。

 

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このTVドラマを撮った監督は、テーマは面白いが、ヒロインを引き受ける美しい若手俳優は見つからないと思い、現実にこれを撮ることはできないと考えていた。

 

↑ カルペニア役のリー・ペイス

軍の新入り兵士バリー(演じた俳優はジェーン・フォンダの息子トロイ)は同室のショーンに連れられ、ゲイバーに行くが、そこでトランスジェンダーのカルペニア(胸だけ膨らませている)と知り合い、恋に落ちる。

優雅でゴージャスなカルペニアは女よりも女らしく美しい←リー・ペイスだよ〜〜ん

綺麗好きで潔癖なショーンは、ゲイとしてカルペニアを愛するバリーが汚らしく許すことができない。

カルペニアとバリーの愛が深まるに連れて、バリーの軍隊内での居場所が無くなっていく。


ショーンはバリーとのゲームに負けた知恵遅れの同僚に”ゲイに負けるのかよ”とそそのかす。

バリーはバットで撲殺される←見たくな〜〜いほど酷い

 

ソルジャーズ・ガールはTVドラマとは思えないほどよく作られているし、もちろんリーの役作りは素晴らしい。

しかし、これを見て感動するというよりも、アメリカのWhite Trashの酷さは目を覆うばかりだとしか思えない。

彼らは教育も無く、働き口も無く、軍隊に入るよりほかに生きていく術が無い。


アメリカにとって、軍隊というのは雇用の一部に他ならない。

行き場の無いならず者が、刑務所の前に行く場所、それが軍隊だ。

こんな軍隊に駐留される国はいい迷惑、決して世界の警察官などとは思えない。
ゲイだからという理由だけで、同国人でしかも言葉の通じる人間を撲殺する輩が本当に言葉の通じない人たちの役に立つことができるのだろうか。

”寛容”という言葉が、いまほど大きな意味を持つ時代はないだろう。


人は自他の違いを認め合うことができるのか。
この作品が投げかける問いは大きい。

オリビア・ハッセイみたいなリー・ペイス

”ソルジャーズ・ガール”のメイキングでは
バナナを持ってクニャクニャやってくるリー。


バナナダイエットか〜
10キロ以上痩せて撮影に臨んだ。

 

 

イラン バンダル・アッバース地方でのアイマスク ↓

 

 

タージ・マハルはムムターズの墓なので、

 

そのままの名称でタージ・マハルと言う。

 

ムムターズの来歴はペルシャなので、

 

そのためこのマスクを使うことにしたのだろう。

 

「落下の王国」では正面ではなく、

 

観光客を避けて

 

裏の川からタージ・マハルを撮影している

 

 

この場面は細工していると思う。

 

インドでこの青空、あり得ない。

 

ターセムは世界中の美しい景色を

 

その景色が色褪せないうちに残したい、

 

と言っているが、すでにタージ・マハルは怪しい。

 

観光客はここまで電気自動車で運ばれるし、

 

街中では環境配慮のため、

 

馬がギャロップしているインド。

 

裏側から見たタージ・マハル、本当はこんな風景

 

大気汚染のせいで、夜明けでも見えない。

 

カティンカ最大の試練

リーが爆発できるのは1回だけとターセムは決めた。

ターセムは17テイクしてリー・ペイスに怒りの感情を起させた。


もういい加減にしてくれ!とリー・ペイスは心底イラついていた。

カティンカは17テイクの後に何が起こるのかまったく知らなかった。

入念に下ごしらえしたターセムがリー・ペイスにgoサインを出す。

爆発するロイ
(好いシーンだ〜〜)

オシッコ漏らしそうになるカティンカ、でも動けない・・・

そして、この場面の撮影が終わると、
カティンカは泣きながら、

 

「もう今日は終わり!」

と怒って帰ってしまった。

 

病院シーンは時間軸で撮っている。

 

思い切り叫んだので、

このあとのシーンではリーの声がかすれている。

 

 

 

猿のウォレス

猿は親子2匹を使っている。

動くのはよく訓練された親を使い、
アップは子猿を使っているのではないだろうか・・・

 

 

 

ダーウィンのために、アメリカーナエキゾティカを捕まえようとして撃たれる。

 

「落下の王国」のキーワードは”manipulate”だろう。

ターセムはカティンカを操り、

ロイはアレキサンドリアを操る。
 

カティンカはターセムを操り、

アレキサンドリアはロイを操る。

そしてここにもう一人、ダーウィン。


猿のウォレスのこのシーンはダーウィンが操っている。

つまりダーウィン役のレオ・ビルの手の動きが眠る猿のウォレスに伝わっている。

 

 

ダーウィンの知恵袋、猿のウォレス

知恵袋だからいつだってダーウィンの持つ袋の中に入っている。

この映画内では、ダーウィンはパクリ生物学者として描かれているので、実は象が泳ぐのもウォレスから”キキキ”と教えてもらった。

You are a genius!

 

安らかな猿のウォレス

ターセムは”ケチャップだから〜”とは言うが、
この場面は泣ける〜

ウォレスは高尚な猿だ。
人間なんかよりずっと気高いかもしれない。
少なくともロイなんかよりずっと上だ。

友情に篤く謙虚で、勇敢でもある。

 

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17年前にこの映画を見た友人はいまでも怒っている

 

「猿を殺すなんて許せないっ!!!」

 

me too!

 

 

 

アレキサンドリアは本館の教会へ行って、聖餐のウエハーを盗み食いしている。

 

ロイはそれに気づいて、本館の薬収蔵部屋から薬を持って来させようとする。

 

このときの会話はものすごく難しい。

 

5歳の子供が理解できる内容ではない。

 

Are you trying to save my soul?

とロイが何回も訊く。

 

Eucharist(=聖餐)という言葉も何度も使っている。

 

これはわざと。

 

アレキサンドリアが理解できるわけないように話して、

 

彼女の不安な気持ちを煽っている。

 

薬を持って行って本当にいいのだろうか?

 

カティンカの動きもだんだん怪しくなっていく。

 

 

コーヒーがこぼれて、血となって滲みていく。

 

ロイの企みがはっきりする場面。