Boz Scaggs の代表曲といえば、"We're All Alone" ですが、彼の「最高傑作」となると、「無人島に持っていきたいレコード」というベタなアンケートで上位に入ったという有名なエピソードを持つこの曲でしょう。ただし、残念ながら彼の自作曲ではなく、Fenton Robinson が1967年に発表した↓がオリジナル。
オリジナル(こちらも素晴らしい)は2分23秒とコンパクトにまとまっているのに対し、Boz Scaggs バージョンは12分30秒という大作に仕上がっているので、カギカッコ付きながら最高傑作と言っても差支えないでしょう。なお、Boz Scaggs のバージョンを収録したアルバム "Boz Scaggs"(1969年)では、当初この曲の作者として彼の名前がクレジットされていたため、Fenton Robinson から訴訟を起こされて敗訴し(やっちまった)、現在流通しているCDでは作者名は「Fenton Robinson」と正しく表記されています。
また、当時スタジオミュージシャンだった Duane Allman のプレイが聴けることも Boz Scaggs バージョン(及びアルバム)の価値を高めています。Duane Allman はこの後、Derek & The Dominos のアルバム "Layla And Other Assorted Love Songs"(1970年)のレコーディングに参加し、Eric Clapton の最高傑作 "Layla" にもつきあうこととなります。
Boz Scaggs は、日本では何といってもAORの旗手として知られますが、彼のルーツはブルースにあり、最近は原点に回帰したアルバムをリリースしています。どうやら、今後はその路線を歩むようですが、その前に発表したジャズのスタンダードナンバーを集めたアルバムも素晴らしかったので、そちらも忘れないでいただきたいものです。
[以下追記]
Boz はこの曲をライヴでも演ってます。
Rick Derringer によるカバーもなかなか。
最後は Allman Brothers Band によるカバー。