Rita Coolidge による "We're All Alone" のカバー。1977年全米7位に昇るヒットとなりました。彼女のカバーバージョンには「みんな一人ぼっち」という邦題がつけられていて(Boz Scaggs のオリジナルの当初の邦題は「二人だけ」)、絵に描いたような(?)誤訳だ(「二人だけ」が正しい)と思っていたのですが、Scaggs は、このタイトルは個人的(intimate)なテーマと、もっと広いテーマの両方を含んでいると述べており(その意味は必ずしも明確ではないが)、どうも「みんな一人ぼっち」という意味に取れないこともないようです。

 

そこで歌詞を改めて見直したのですが、「みんな一人ぼっち」というのは変だ、やはり「二人だけ」だろう(文法的にもその方が自然)、という考えに変わりはありません(すっかり頭が固くなった意固地なおじさんの言うこととご容赦下さい)。ただ、Scaggs は、この歌の真の意味は自分にもまだ十分に明らかとなっていない、とも述べているのが困りものです(ちなみに、現在の Scaggs のCDではこの曲の邦題は「ウィアー・オール・アローン」と原題をカタカナ表記したものとなっています。邦題は百害あって一利なしというのが私の持論ですが、その意をますます強くした次第です)。

 

 

Boz Scaggs のオリジナルはアルバム "Silk Degrees" に収録され、シングルとしては "Lido Shuffle" のB面に留まりましたが、今では彼の代表曲としてライブでも定番("Yesterday" や "Satisfaction" と同様、ライブで演奏しないと客が納得しないナンバー)となっています。

 

 

それにしても、この名曲をこんな形で紹介することになるとは...。