1972年全米10位、全英7位(82年に再発されて4位)、アイルランド、オランダ、カナダ、ニュージーランドでトップ10入り(日本ではオリコンで8位)。説明の要を見ない名曲中の名曲です。親友 George Harrison の夫人 Pattie Boyd への叶わぬ片思いに苦悩する Eric Clapton が『Layla and Majnun』という中東の悲恋物語(美しい Layla 姫に恋した青年 Majnun が彼女との結婚を許してもらえず哀しみの余り狂気となったという内容)にインスパイアされて作ったもので、彼は Majnun の境遇に我が身を重ね合わせたようです。初め Clapton は Pattie への思いを綴ったバラードとしてこの曲を書いたのですが、レコーディングに参加した Duane Allman があのギターリフ(Albert King の "As The Years Go Passing By" からパクったインスパイアされたもの)を生み出したことでロック色の強いものとなりました。 

 

 

日本盤シングルのジャケット。

 

 

後半のいわゆる「ピアノコーダ」は、Derek & The Dominos の Jim Gordon がスタジオのピアノでこのメロディを弾いているのを聴いた Clapton が気に入って合体させたもの。そのため Gordon もこの曲の作者の一人としてクレジットされているのですが、実はこのメロディは彼が当時つき合っていた Rita Coolidge からパクったものだと言われています。Rita の姉 Priscilla が当時の夫 Booker T. Jones とのデュオで1973年に発表したアルバム "Chronicles" に収録された "Time"(Rita の作品)という曲がそれです。

 

 

まんまやんけ(笑)。

 

気を取り直して(?)、こちらは Eric Clapton と Jeff Beck と Jimmy Page、つまり Yardbirds の歴代ギタリストの三役揃い踏みによるパフォーマンス(といっても、「バトル」があるわけではなく、あまり面白くないのだが)。

 

 

Clapton は、"Layla" の発表後、Pattie Boyd に言い寄って「ひじ鉄」(笑)を喰らい(彼女は、初めてこの曲を Clapton から聴かされたときはゾクゾクしたものの、その時点で George と別れる気はなく、また、この曲が自分に向けられたものであることは誰の目にも明らかだったため、晒し者にされているように感じて不快だったとのこと。なお、George は、親友が自分の妻に言い寄っているのを知っても気にしなかった模様)、ヘロイン中毒になってしまうのですが、なんとかこれを克服すると、1979年には念願が叶ってついに Pattie との結婚に漕ぎつけます(George と Pattie は1977年に離婚)。その式には Paul と Ringo と共に George も出席し、3人で演奏をして2人の結婚を祝福しました。なお、John は出席しなかった(招待されなかった)のですが、もし招ばれていたら出席していたと述べているので、そうなっていたら Beatles の一回限りの「再結成」があったかも知れません。このように様々なドラマに彩られてスタートした Clapton と Pattie の結婚生活ですが、残念ながら1988年に破局を迎えています。

 

その後、Clapton は、MTVアンプラグドシリーズでこの曲の「Unplugged」バージョンを披露しました。

 

 

1992年全米12位、全英45位、日本ではオリコンの洋楽チャートで1位。また、翌93年のグラミー賞で最優秀ロックソング賞を受賞。

 

それでは、最後にこちらを。

 

 

「No Smoking」(笑)。