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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員
私ら特に昭和世代は、岡田さんと二度悲しい別れをしました。
一度目は、岡田さんが現役のままオリックスへ移籍したとき。
'85年の日本一から坂道を転がり落ち続けていた当時のタイガースで、岡田さんや真弓さん、木戸さんや中西さんなどまだ残っていた日本一メンバーが我々にとって唯一の心の拠り所でした。
1992年は何かの間違いで優勝争いに絡んだものの、結局は野村ヤクルトに屈してしまい、翌93年に岡田さんは阪神を去ります。
オカマバーやったか、愛人騒動やったか、週刊誌でも当時えらい叩かれていたことを覚えています。
「岡田、何やってんねん」ってかんじでした。
移籍したオリックスでは主に代打でご活躍されていましたが、本社オリックスの強力な調査力により、岡田さんの愛人問題が実ははめられていたということが後に判明します。
「阪神岡田」で現役を終わらせてあげられなかったことを悔やむ一方で、オリックスさんには大変感謝しています。
後のFA(岡田さんが作った)で松永や石嶺、山沖や星野がタイガースのユニフォームを着ましたが、岡田さんの件を考えるとそんなことはもうどうでもええことです。
二度目は、第一次岡田政権。
2008年のペナントレースは、北京オリンピックを挟んで大失速。
当時主力の新井さんが疲労骨折し戦線離脱したこともあり、優勝を逃してしまいました。
永遠のライバルである原さん率いる巨人に優勝を掻っ攫われて(かっさらわれて)しまい、またしても岡田さんとお別れとなりました。
そんな岡田さんが、再び僕らの前に舞い降りてきました。
2022年シーズン前に矢野さんが退陣を表明したため、2023年シーズンの監督を引き受けてくださいました。
当初平田さん説が有力でしたが、私は「岡田復帰」しかありえないと確信していました。
いつもはファンの期待を裏切ることで定評のある球団上層部ですが、今年岡田さんを復帰させてくださり本当に感謝しています。
第二次政権の岡田野球は、本当に面白い。
大きな補強もなく、現有戦力を最大限に活かした見事な試合運び。
そして、選手に対する愛情があふれている。
見る者を不快にさせない。
野球を愛し、タイガースを愛する岡田さんこそ、「ミスタータイガース」の称号にふさわしい。
幼少期より甲子園の3塁側席に陣取り、巨人を野次っていた岡田さんこそ「ミスター」です。
お体ご自愛いただき、一日でも多く楽しませてください。
このたびは優勝おめでとうございます。
そして、本当にありがとうございます。
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