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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員
中国経済の見通しが、あまり芳しくないようです。
人民元は対ドルで年初来安値を更新、上海総合指数もゼロコロナ政策解除以降安値を試す動きとなっています。
中国株の下落続く、地政学的緊張が重し－景気回復の持続性にも懸念
経済的・地政学的リスクに直面する中で、外国勢が資金の引き揚げを進めている。
(略)
トレーダーは地政学的緊張が引き続き対中投資を抑制する大きな要因になるとみている。
サクソ・キャピタル・マーケッツ香港のストラテジスト、レドモンド・ウォン氏は「中国景気回復の持続性と地政学的緊張の高まりに投資家は懸念を抱いているようだ」と述べた。(4月25日付ブルームバーグ)
中国市場からの資金撤退が意識されるなか、昨日は日本も対中国輸出規制に踏み込んだ動きが見られました。
経産省、半導体製造装置の輸出規制強化7月23日に施行－関連銘柄下落
経済産業省は23日、高性能な半導体製造装置の輸出規制強化に向けて省令を改正し、7月23日に施行すると発表した。
経産省によると、対象となるのは洗浄や成膜、熱処理、露光、エッチング、検査などの23品目。今年3月には7月に規制強化の予定としていた。西村康稔経産相はその際、「特定の国を念頭に置くものではない」と話していたが、半導体製造装置に関する関係国の最新の輸出管理動向を勘案し、対中国向けの措置との見方がある。
発表を受け、東京エレクトロン株が一時前日比2.9％安となったほか、アドバンテストやディスコ、SCREENホールディングスなどの関連株が下落に転じている。また、9日続伸で推移していた日経平均株価も発表後に下落に転じた。(23日付ブルームバーグ)
広島サミットが終了したとたんに、輸出規制強化が発表されました。
再び米中摩擦が意識され、対中規制による中国経済減速リスクが指摘されています。
米中貿易摩擦以降、何度かドル/人民元はUSD/CNY=7を記録。
特に昨年のゼロコロナ政策時には、リーマンショック以来の「7.3」へ上昇するなど、その都度人民元安が観測されました。
今週に入っても人民元は下落しており、ついにUSD/CNY=7を越え始めました。
ゼロコロナ政策解除以降の戻りが期待されていた上海総合指数も失速、月足レベルで「包み足陰線」が出現しています。
追い討ちをかけるように、中国では再び新型コロナ感染拡大が懸念されています。
中国、6月末に新型コロナ再拡大のピーク
中国政府系の感染症専門家は22日、中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、6月末にピークに達して1週間に6500万人が感染するとの予測を明らかにした。(共同通信)
完全ではありませんが、上海総合指数にNY白金は連れる動きか。
中国経済の見通しが左右する場面もありそうです。
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