全人代2023

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谷本　憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員

本日より、第14期全国人民代表大会（全人代、国会に相当）が開幕します。

全国人民代表大会とは
全国人民代表大会(全人代)日本の国会に相当する中国の立法機関。中国の憲法では「最高の国家権力機関」と規定している。全国の省・直轄市・自治区や軍などの代表約3000人で構成。全体会議は毎年3月に開かれ、政府活動報告や国家予算などを審議・承認する。法律制定のほか、国家主席の選出や首相の決定などの権限を持つが、実際は共産党の指導下に置かれているとされる。(日経新聞)

全人代会期中は、3期目に入った習政権の重要人事や、経済目標などが注目されます。
2017年10月の中国共産党大会において習近平総書記(国家主席)は、建国100年の2049年までに「富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国」を築く新たな目標を掲げました。
中国経済の失速懸念も囁かれるなか、いよいよ100年マラソン仕上げの段階入りを強く示唆する内容となりそうです(「資治通鑑」参照)。

人事面では、昨年10月の党人事で序列2位となった李強氏が首相に就任する予定です。

李克強氏は引退となります。

また、2023年GDP目標も注目となります。

昨年はゼロコロナ政策に苦しみ、5.5%だったGDP目標は結局3%に留まりました。

今年はゼロコロナ政策解除による回復が期待されており、目標は再び5%になると見られています。

3月開幕の全人代で景気刺激策期待、中国本土株の選好ムード広がる

中国で3月に開幕する全国人民代表大会（全人代、国会に相当）で成長促進策が打ち出されれば、香港上場株よりも追い風を受けると期待して本土株を選好するムードが広がっている。
本土株の指標のCSI300指数は今月、昨年10月以来初めて香港上場の中国株の指標をアウトパフォームするペースにある。モルガン・スタンレーのストラテジストらは、「今こそ本土株への投資機会を増やすべき時だ」と言う。

中国株の強気派は3月5日に開幕する全人代が市場の新たな契機になると期待しており、追加の刺激策で景気を支えると予想している。中国国内の投資家向けの本土株は主に恩恵を受けると見られる。また、米国の金利上昇などグローバルなマクロ要因との相関が低めであることも、投資家にとっての魅力を高めている。
ブルームバーグ・インテリジェンス（BI）のアナリスト、マービン・チェン氏は、本土株について「A株は消費と地域経済などへのエクスポージャーが高い。投資家は全人代が何らかのきっかけを与えることを期待している」と指摘。また、香港上場株は世界の流動性動向にさらされやすいため、市場が米金融政策の引き締めを懸念している状況でアンダーパフォームする傾向があると付け加えた。(2月26日付ブルームバーグ)

全人代をきっかけに中国向けの投資が活発化することが期待されていますが、一方で中国によるロシアへの武器供与などから、中国へ向けた制裁機運も高まっています。

米高官、ロシアに武器供与なら中国制裁　欧州と断念迫る

米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）は26日、中国がウクライナ侵攻を続けるロシアに武器を供与すれば制裁に踏み切る意向を示した。「まだ最終決定していない」との認識を示し、欧州の同盟国と協力して中国に断念を迫っていると明かした。(2月27日付日本経済新聞)

月曜日からのマーケット、とりわけ上海タイム以降が警戒されます。

上海総合指数