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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員
バイデン氏、物価高の「70%はプーチンが引き起こした」…燃料高騰にいらだち
米国のバイデン大統領は4月12日、同日発表の3月の消費者物価指数上昇率が前年同月比8.5%と約40年ぶりの伸びとなったことについて、「70%はプーチン(露大統領)が引き起こしたガソリン価格上昇によるものだ」と述べた。ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰にいらだちをあらわにした。(4月13日読売新聞)
▼インフレ率「よい上昇」「悪い上昇」
名目金利が上がると金は下がる。
期待インフレ率が上がると金は上がる。
NY金がどちらについていくかの見極めとして考慮しないといけないのが、インフレ率の「よい上昇」「悪い上昇」です。
よい例が、昨年3月にありました。
コロナショックから回復途上にあった米経済ですが、それに伴い金利も上昇。
「ゲームストップ株」騒動で上昇していたNY金も、3月にはついに1,700ドルを割り込んでいました。
ところが、3月末「復活祭」を境として上昇に転じています。
この年の期待インフレ率とNY金の動きは、次のようになっています。
左軸：NY金(ドル) 右軸：期待インフレ率(%)
年初1%を割り込んでいた米10年債利回りは上昇、NY金は下落に転じていました。
名目金利が上昇しており、期待インフレ率も上昇していました。
しかし、3月に入ると期待インフレ率に連れて、NY金は上昇に転じました。
これが「よいインフレ」「悪いインフレ」です。
後者は「経済対策やりすぎインフレ」と呼んでいただいてもけっこうです。
バイデン氏、追加経済対策法案に署名－個人給付は今週末にも開始
バイデン米大統領は11日、1兆9000億ドル(約206兆円)規模の追加経済対策法案に署名した。当初は12日に署名の予定だったが、１日前倒しとなった。
バイデン政権初の大規模経済対策の成立により、多くの個人や企業、州や地方政府に援助資金が行き渡ることになる。同法案は下院が10日に賛成220、反対211で可決し、大統領に送付されていた。上下両院とも共和党議員は1人も賛成票を投じなかった。
バイデン氏は国民の大多数が同法案を「強く支持している」と指摘。「この歴史的法律は、この国のバックボーンを再構築するためのものだ」と述べた。(2021年3月12日付ブルームバーグ)
大統領がトランプさんからバイデン氏に変わり、しょっぱなの大型経済対策です。
おそらくここから「悪いインフレ」が始まったようです。
現在はインフレを抑え込んでいる過程。
先日のFOMC議事録からは、「先に引き締めてしまってインフレを抑え込めば、来年利下げも出来る」と言った内容でした。
これを好感し、株式市場は回復中です。
NYはこれでよいです。
おそらく、引き締めを耐え抜くでしょう。
問題は、耐えられない新興国が出てくることです…。
バイデンによるインフレと揶揄して、"BIDENFLATION"が流行っています。
BIDENFLATIONと検索すると、皆さんTシャツにプリントして抗議の意を表しているようです。
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