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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員
パラジウムとは?
・元素記号:Pd、元素番号:46
・融点が1,522度と比較的低く、加工が容易
・他の金属との合金が容易
・空気中、水中で酸化しない
・耐蝕性、触媒作用を有する
供給
「GFMS PLATINUM GROUP METALS SURVEY 2017」によると、2016年の鉱山生産量は、ロシア78.6トン、南ア76.8トンで、2カ国で世界全体生産量の8割を占める
需要
加工しやすく、酸化しにくいなどの利点から、9割が工業用需要
日本時間先週土曜日早朝に公表された「CFTC建玉明細」によると、NYパラジウム大口投機玉建玉明細は次のようになりました。
8月18~24日にかけ大口投機玉は買い玉を減らしており、ポジションがついに「売り越し」になってしまいました。
売り越しになったのはおそらく2003年2月以来と思われます。
今月17日更新「【CFTC建玉明細】売り越し狙いか」に掲載しましたが、NY銀は2003年3月売り越しになりました。
イラン戦争勃発を懸念したものです。
NYパラジウムはNY銀に先駆けることさらに1ヶ月前、売り越しでした。
NY銀やパラジウムは「景気銘柄」と位置づけられていますが、再三お伝えしているようにNY銀市場は一向に盛り上がらず。
そして今回、NYパラジウムが18年半ぶりに売り越しに転じました。
パラジウムといえば2000年の「パラジウム事件」を思い出す方もおられるでしょうが、暴騰したあとに売り越しに転ずるまで売られる展開が胸を熱くします。
パラジウム事件をご存じない方のために、「【閲覧注意】2000年パラジウム事件の亡霊」より、<2000年パラジウム事件>を掲載しておきます。
<2000年パラジウム事件>
東京パラジウム月足、赤で囲った2000年2月より強制解け合いとなった
1992年8月に上場された東京パラジウムは、1997年あたりから人気とともに上昇が始まりました。
上昇した要因は「欧州が排ガス規制に乗り出したこと」、そして当時技術供与をした日本が触媒を「白金からパラジウムに乗り換えたこと」などが挙げられます。
1998年5月には、先限で1,402円の高値を記録しています。
この頃から一般投資家はショートに回ることとなり、2000年1月に高値を抜けると一気に上昇しました。
ちなみに、当時のパラジウムの倍率は1,500倍だったそうです(現在は500倍)。
2000年2月は結果的に1,575円→2,363円と、月間上昇率は50.03%に達しています。
2,363円…、この値段が強制解け合いの価格です(翌営業日に各限月20円切り上げ)。
日々上昇するマーケットにおいて決済できず損失が膨らむ個人投資家が続出、取引所は値幅制限や証拠金を変えるなどして相場の鎮静化に努めましたが、出口はまったく見えず。
2000年2月22日より値幅制限をゼロにし、手仕舞いをすすめることとなりました(強制解け合い)。
2000年2月22日
限月 |
始値 |
高値 |
安値 |
終値 |
出来高 |
取組高 |
00/02 |
2,654 |
2,751 |
2,654 |
2,738 |
108 |
792 |
00/04 |
2,408 |
2,408 |
2,408 |
2,408 |
14 |
5,819 |
00/06 |
2,390 |
2,390 |
2,390 |
2,390 |
52 |
7,649 |
00/08 |
2,363 |
2,363 |
2,363 |
2,363 |
68 |
11,309 |
00/10 |
2,339 |
2,339 |
2,339 |
2,339 |
391 |
24,091 |
00/12 |
2,343 |
2,343 |
2,343 |
2,343 |
1,147 |
36,827 |
2000年3月31日
限月 |
始値 |
高値 |
安値 |
終値 |
出来高 |
取組高 |
00/04 |
2,428 |
2,428 |
2,428 |
2,428 |
6 |
845 |
00/06 |
2,410 |
2,410 |
2,410 |
2,410 |
16 |
3,249 |
00/08 |
2,383 |
2,383 |
2,383 |
2,383 |
108 |
4,290 |
00/10 |
2,359 |
2,359 |
2,359 |
2,359 |
148 |
8,827 |
00/12 |
2,363 |
2,363 |
2,363 |
2,363 |
257 |
12,733 |
01/02 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
当時の相場表です。
2月22日から強制解け合いが始まりました。
4月に入りようやく値段は動き始めましたが、既存限月はそのまま解け合い。
2000年12月限が12月19日に納会を迎え、ようやく強制解け合いが終わりました。
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