韓国の“最後通告”で日韓貿易紛争が再び岐路に=韓国ネット「絶対に屈してはならない」
2020年5月13日、韓国・マネートゥデイは「昨年7月に日本が対韓国輸出規制を強化したことをきっかけに始まった日韓貿易紛争が再び岐路に立った」と伝えた。
(中略)
韓国は昨年11月、GSOMIA失効直前に「日本が輸出規制解決に向けた対話に応じる」ことを条件に「GSOMIA終了の猶予」を発表した。これにより対話が再開し、WTOへの提訴手続きも中断されていた。記事は「日本の輸出規制措置が7月1日以前の状態に戻らなければ、日韓の対立が最高潮に達していた昨年11月以前の状態に戻ってしまう可能性が高い」と指摘している。(Record China)
昨年7月の日本による「ホワイト国取り消し」の際に「国家が発散する日」を、昨年11月「GSOMIA破棄前夜」には「軍事情報に関する包括的保全協定」をそれぞれ更新しました。
まずは、昨日終了時のUSD/KRWと韓国総合株価指数KS11)を確認します。
(高ければ高いほどドル高ウォン安)
3月の「第1次コロナショック」時は一時1ドル=1,290ウォンを越える場面もありましたが、現在は1,200台前半での振幅が続いています。
4月22日更新「ロシア、しんどい」でお伝えしましたが、第1次コロナショック以降の「戻り→横ばい」が続いています。
コロナ警戒が全世界的に高まっているなか、日韓貿易紛争が再び脚光を浴びています。
現在の韓国政策金利は0.75%、4月会合では据え置かれましたが、今月会合では再利下げの可能性が出ています。
[ソウル 4月9日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は9日、政策金利を過去最低の0.75%に据え置いた。金利据え置きは市場の予想通りだった。
だが、中銀の李柱烈総裁は追加利下げの必要性に言及し、5月の追加利下げを示唆した。
昨年7月1日に経済産業省が、「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」を公表した直後の18日会合で、韓国銀行は25bpの利下げを行っています。
このままいくと、今月もさらなる利下げを行うことになりそうです。
当時も警戒されていたのが、「キャピタルフライト」。
以下、昨年7月19日更新「ドル高で攻めるか、ドル安で攻めるか」より抜粋
今回を除いて、これまでにウォンが大きく下落した場面が三度見られます。
まずは1997年、タイを発端に拡大したアジア通貨危機。
韓国はこの年の11月にIMFに対し救済を要請、翌12月には1ドル=1,995ウォンにまで下落しています。
次にリーマンショック時の「韓国通貨危機」。
リーマン株を取得すると表明していた韓国産業銀行が、一転出資協議を打ち切り。
深刻なドル不足を招き、ウォンは2009年3月に1,600近辺にまで下落しています。
2016年は年明け早々上海株式市場が大荒れ、史上初のサーキットブレーカー作動、後日撤廃されるなど、上海市場は1月だけで25%の下落(上海ショック)。
韓国ウォンは、1ドル=1,250ウォン近辺にまで売られました。
今回の「第一次コロナショック」により、韓国ウォンは一時2009年7月以来となる1ドル=1,293ウォンにまで下落。
現在も「キャピタルフライト」が懸念される1,200台での推移が続いています。
「第二次」があるとすれば新興国からでしょうから、引き続き注目します。
次回会合(韓国金融通貨委員会)は、5月28日(予定)です。
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日本フィナンシャルセキュリティーズ㈱ 谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員