東京白金6月限が売られる理由 | 浪風谷本

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先週末の東京白金先限は、55円高3,007円にて引けました。

3,000円台回復は8月6日以来、引け値ベースだと8月1日以来となります。

9月20日更新記事にて、現在の東京白金を取り巻く陰と陽をご紹介いたしました。

さらに「6月限が売りに侵食されるかどうかのラインは、3,000円でしょう。」と記しましたが、先週末見事3,000円の節目をクリアいたしました。

東京白金6月限が現在どのようになっているのか、確認してみましょう。

 

東京白金6月限は6月27日に3,074円で発会し、その4営業日後に2,844円まで下落。

さらにお盆の下落(安値2,680円)も、6月限が先限でした。

そして先週末時点で6月限取組は8,467枚、12月限に次ぐ少なさとなっています。

他のどの限月よりも安い値段を経験し、取組も少ないのが6月限です。

6月限を知るうえで大事なポイントの一つに、「7月上旬の売り込み」「お盆の売り込み」があります。

 

 

前営業日比

(円)

東京白金

(円)

前営業日比一般投資家

買い越し増減(枚)

取組(枚)

07.02

-24

3,010

+645

7,855

07.03

-122

2,888

-7,728

8,932

07.04

+88

2,976

-3,285

10,161

08.02

-66

2,945

+4,370

17,428

08.16

-42

2,771

-4,516

18,078

09.11

+47

2,827

-2,188

11,679

09.12

+3

2,830

-496

11,647

09.13

+40

2,870

-1,727

11,493

09.14

+34

2,904

-508

10,939

09.18

-15

2,889

+936

10,846

09.19

+61

2,950

-2,562

9,870

09.20

+6

2,956

-436

9,358

09.21

+59

3,015

-1,894

8,467

 

東京白金6月限は節目節目で売り込まれており、加えて9月11日以降の上昇でも売りが目立ちます。

一方で目立った買いは8月2日しかなく、冒頭に書いたように、先週末を除くと最後に3,000円を記録した翌日66円下落した日に買っただけです。

 

 

6月限発会以降先週末までに一般投資家の買い越しは24,959枚減っており、加重平均を出してみても買いは2,928円、売りは2,907円となっています。

おそらく8月限も似たような取組になっていると思われます。

当限10月から4月までの取組は29,685枚ですが、これらの限月には委託の買いしかありません。

一般投資家のポジションは23,528枚買い越しなので、先2本トータルで7,000~1万枚は売りでしょう。

特に6月限は「ほぼ売り」と見てよいでしょう。

先週末の内部要因から、先2本が売り取組になったのは間違いないと思われます。

 

今後のポイントですが、一つには「4月限取組」が減るかどうか。

先月納会落ちした東京金8月限同様、今回6月が防戦一方となっている理由に、「2,4月限の買い」があります。

よって、大きく下げたお盆の安値も売りを外すどころか、売り込みとなっています。

今後手前限月の取組がさらに減少するようだと、東京白金は委託総売りとなります。

逆に6,8月限の取組が減るようだと、再び取組が増え始めるまで下げる可能性が出てきます。

 

当サイトの独自見解にこだわるようですが、東京白金は取組が増え切るまで取次者占有率が減り続けるまで下がる傾向にあります。

 

 

<まとめ>

・東京白金6月限取組は売り込まれている可能性が高い(加重平均で2,907円)

・「4月限以前の買い玉に対する両建の売り」という意味合いが強いので、4月限取組にも注目

・これまで通り取次者占有率や総取組にも注目(天井示唆)

 

 


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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員