中間管理録トネガワ 第29話『送別』感想 ~異動狂騒曲~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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今月のトネガワは2話掲載。

まずは先月の異動騒動の続きです。

 

本社から幻の島・南波照間への異動が決まった、萩尾・長田・菊地の3人。しかし本人たちはその決定を知らず、帝愛の体質を変えようと野心を燃やし結託していたのでした。

 

なかなか内示が下りずにヤキモキしていた山崎ですが、遂に11月1日・・・その時が訪れます。

正式に人事が下り、チームで発揮した企画力を活かすように・・・と利根川からの激励を受ける3人。残るチームの7人はやや気まずい面持ちですが、意外にも当事者である3人は淡々と挨拶を済ませます。

一見して表情も明るく、異動に納得しているかのように見えましたが・・・実は、

隠しきれていない・・・!

これは相当絶望を悟っているね・・・。

哀しすぎて吹っ切れているパターンか(゜д゜;)

(送別会会場はダイニング匠・・・そう、海老谷が限定ジャンケンの会場としてプレゼンした店ですね!)

 

大荒れ必至の送別会でしたが、意外にも初めは和やかムード。

しかし、やはり酒が入ることで本性が露呈してくるもので・・・。

 

まず異動組の1人目、菊地は典型的な気が大きくなるタイプ。

他の客の迷惑もはばからず、佐衛門に絡みだします・・・!

 

前回で山崎にも強要した黒服論を、ここでも熱く語りだしますが・・・

そんな持論は話しても不毛だと、クールに跳ね除けられてしまいました。

ドラえもん(機械)・・・!

 

上手い! けど佐衛門ドン引きw(;^_^A

おかしなテンションで泣き出してしまう菊地ですが、悪酔いしていたのは彼だけではありません。

絡みづらいんだよ・・・!

お前(堂下)の体育会系のノリ・・・!

 

まあ確かに・・・半ば傷心を癒すための場ですから、ノリの強制は気に障るかもね。

ノッた自分が滑った空気になるのはおかしい、つまらないのはお前の方とぶっちゃけますが、これに堂下はブチ切れ!

遂には取っ組み合いのケンカに発展してしまいました・・・!

 

そして残る異動組の萩尾も、初めはうちは静かに慰めてもらっていたものの・・・

飲みすぎだぞ萩尾・・・!

 

ネタか本気か、荻野と入れ替わろうとする始末・・・!

三者三様の悪酔いは他のメンバーにも飛び火していき・・・気が付けば

とてもエリート企業の正社員とは思えない狂態だな(゜д゜;)

てか地味に権田さんは何してるのw ここまで話題に出てこなかったのに。

 

収拾のつかない事態に山崎もお手上げでしたが・・・ここで遅れていた利根川が到着!

上司の前、取り合えず混乱は収まるかと思われましたが・・・、

 

どうですか!?

オレたちを島流しにした気分は・・・!

 

ええええ!!!(°Д°;≡°Д°;)失礼でしょ!w

悪酔いが収まらない菊地は、躊躇わずに皮肉をぶつけます・・・!

 

さらに、南波照間支社の業務内容に言及。

支社が南波照間にあるのは、会長が愛飲するサプリの海藻エキスの抽出場所であるという・・・ただそれだけの理由。

仕事といえば、何とエキスを一滴一滴見つめるだけなのです・・・!(ロボニートみつお…)

 

異動先で企画力を活かせ・・・という利根川の激励はキレイ事、単なる建前だと不満を吐き出しました・・・!

しかし、さすがは利根川・・・全く慌てません。これは社会のリアルな厳しさという事を、誰よりも知っていました。

 

では言葉を選ばずに言おう・・・

期待・・・!

戻ってこれると信じての異動でもある・・・!

 

おお・・・?(・・;)

利根川はいかなる仕事でも諦めずに結果を出せば、再び今の地位・・・あるいはそれ以上に返り咲けるとして、3人を励まします。

しかし、それがまさに綺麗事。長田は、勝ち続きの利根川に左遷される人間の気持ちなど分からないと反論しました。

 

確かに正論かもしれませんが・・・それは仕方がない事だよね。当然、3人もそれは分かっている上での反発だったようで・・・涙ながらに逆転は不可能、もう這い上がれないと一気に弱気になってしまいました(ノ_-。)

 

しかし、ここで利根川が静かに差し出したもの・・・この餞別が3人を救います。

包まれていたのは、日焼け止めクリームとUVカットサングラス。

 

3人の困惑をよそに、利根川はあちらの夏の日差しを舐めてはいけない、海にもウミヘビが出るから気を付けろ・・・とアドバイスの言葉を並べるのでした。

 

異様なほど、南波照間に詳しい利根川。

しかし、それもそのはずでした・・・!

おいマジか・・・!・°・(ノД`)・°・

今の地位を掴むまでに、利根川も多くの苦労を重ねていたのですね。

 

理不尽な制裁を受けても、回り道を食らっても、諦めなければ全ての苦労は報われる・・・その言葉を肌で経験していたのか。

 

これは一言、カッコ良すぎる。帝愛最高幹部にして、№2に最も近づいた男・・・その肩書きは伊達ではなかった。

 

3人の衝撃と尊敬の眼差しを背に受けながら、散乱する食器を片付ける利根川。この無言の背中も惚れるね。

これは文句なしに!素晴らしいエピソードだったな。

3人の離脱も悲壮感のない後味ですし、利根川の格の違いと意地を見た。

 

それだけにカイジ本編での行く末を思うと・・・ちょっと涙が出そうだ。たった一度、若者にギャンブルで負けただけなのに・・・(ノДT) 全ての積み重ねを無にされ廃人ですよ・・・酷すぎる。何だか、会長への憎悪が増したわ。

何年後になるかは分かりませんが、本編でカイジに叩きのめして貰いましょう。