こんばんは、ファグリオです。
20分で戻ると言っておきながら、すでに24分経ってます(笑)
さて、今回の更新は、
私の趣味のひとつ「妄想ストーリーズ」です。
前回の投稿で名づけたとおり、気軽に、「雑に」、ブログ感覚で読める「ノベログ」なんです。
第1作として投稿させていただいたものは……
Songs Of Mothertree
~彼の歌人は斯くも語りき~
第 一 楽 章 : 曙 光
第 二 楽 章 : 闘 争
第 三 楽 章 : 破 滅
第 四 楽 章 : 暗 殺
第 五 楽 章 : 訣 別
第 六 楽 章 : 少 女
最 終 楽 章 : 決 戦
ファグ・ファミリーをテーマに執筆しましたが、
今回はもっと我がリネライフに踏み込んで……
angel's tale
~イツワリのルドンナ~
※注意※
この物語はフィクションです。
登場する人物、団体、名称等は全て架空であり、
Lineage2JP ルナサーバに存在するプレイヤーキャラクターとは一切関係ありません。
1. 復 讐 の 風
2. 揺 り か ご
3. 悪 夢 の 檻
4. 次 元 障 壁
5. 真 実 の 夢
6. 破 滅 の 刻
7. 再 起 の 光
おひまなとき、お気軽に読んでみてください。
ほとぼりが冷めた頃に、あとがき的なもの書きます。。。
40分経ちました。

angel's tale
~ イツワリのルドンナ ~
7.再起の光
ジェンティー、それが本当の私の名だ。
ベノンがエルモアデンと繋がって、すぐに旅に出た。
そして、故郷の為にと、ディメンションバリア攻略へと挑んだのである。
人間たちの血盟は、我々アルテイアを手に入れることに躍起になっていた。
私の場合も例外ではなく、彼らは私を"剣"の一つとして見ていたのかもしれない。
例えばアルテイアが"兵器"だとしても、それを操る者の力量が不足していてはいけない。
どこかの鍛冶屋のドワーフが言っていたのを聞いたが、持つ者が弱くては剣も力を発揮できないのだ。
そう思っていたが、私の中に自惚れがあったのもまた事実だ。
私はその後、ディメンションバリアの最上層で倒れることとなるのだが、それがいわゆる"トラウマ"となった。
"アビス マーシャル"は極めて強大な魔物。
自惚れの末路か、攻撃一辺倒だった私はあっさりと倒され、彼らに幾度となくスクロールを使わせた。
それでも私は弱く、私は横たわったままで次元空間より吐き出されたのである。
ベノン村は雨が降っていた。
血盟にダークエルフが所属していたことも原因の一つだった。
もちろん彼女はシーレンの眷属ではなかったが、ベノンのアルテイアたちの嫌悪を買うには十分だっただろう。
私は同族からも見放され、横たわり、雨に打たれ、そして絶望に伏した。
どこで間違ったのだろう。
もし今、ベノンを出たあの日に戻れるならば、違う結末になっていただろうか。
とはいえ彼らに出会わなければ、私がルドンナと名乗ることもなかった。
そうしたら大切な"今"も迎えられていなかったかもしれない。
どこかで選び間違った分かれ道へ戻れるとして、あの悪夢に触れずに、この道を選べるだろうか。
きっと、選ぶことはできない。
つまり私には全て必要なことだったのだ。
自惚れも、あの雨も、悪夢でさえも、全て必要なことだったのだ。
それが私の運命なのだとしたら、信頼たる仲間と出会い、そしてその先にもまた新たな"運命"がある。
彼女たちとなら、例え幾つもの岐路で道を誤ったとしても、それを受け入れ、乗り越えられる。
そうやって紡いでいくのだ。私の……、私たちの物語を。
私たちは無事にベノン村へと吐き出された。
するとすぐに温かな光に包まれ、全身の傷と疲労が回復する。
彼女らの仲間であるヒーラーが駆けつけていた。
どっと疲労が押し寄せ、ふらつく私を、またユカコが支えてくれた。
絶望の淵、臆病ながらも歩み始めた"ルドンナ"は、きっと彼女に"母性"を求めていた。
彼女の"揺りかご"の中は、きっと赤ん坊たちにとっては楽園のようなものだろう。
だが、守られてばかりではダメだ。
アルテイアとして、"剣"として、私が守らなければならない。
私はそう決意を固めた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「……ねえ、ハニーは?」
ユカコが辺りを見回す。一足先に吐き出されていたであろうハニーの姿がない。
ヒーラーを伴いベノンで待っていたリンダも、動揺した表情で首を振っている。
先ほどまで共に戦っていたハニーがいない。
誰もが最悪の事態を思う。
次元の狭間に取り残されたか……、あるいは行き場を失い引き裂かれたか……
「ハニーは最初にやられた、先に出ているはずだ……」と、まろさんが言う。
彼の手にはハニーが残した両手剣が握られている。これではまるで形見ではないか。
マーシャルを倒し、つまりはディメンションバリアを攻略し、ベノンを救った。
しかし誰もが困惑し、そばにいるはずの彼を探し、そして目を伏せた。
彼はいない。
真っ先にリンダが諦めたのか、私たちに背を向ける。
「残念だが、探しても無駄なようだ。リーナには私が伝えておく」
そう言い残し、彼女はゲートキーパーへと消えて行く。
その姿を見て、まろさんは「何だよ!オークってのは!」と怒りをあらわにするが、ユカコがそれを制した。
「リンダちゃんは誰よりも辛いよ!でも彼女はオークだから……強くなきゃいけないんだよ!」
ユカコはリンダの想いも知っていて、そして彼女が弱さを見せられないことも知っていた。
まろさんは「くそ!」と叫び、再びディメンションバリアへと突入しようと身を乗り出す。
それを抱えて制止したのはヒーラーだ。不安定な次元空間への再突入は"死"を意味している。
「ハニーが助けを待ってる!ゆか、復活スクをよこせよ!」
ユカコは口を噤んで動かない。いや、動けない。
計画もなしに動けば、それこそ全滅してしまう。
ひとりの"盟主"として、その選択をしてはいけない。
きっと彼女は誰よりも悔しい。
怒号にも似たまろさんの叫び声が響いた。
私は不謹慎にも、少しだけ笑顔になった。
これが"仲間"だ。
そして私は彼女たちと共に、いなくなった彼を探し出すだろう。
きっと、いつか、そう遠くないうちに……

angel's tale
~ イツワリのルドンナ ~
6.破滅の刻
ユカコ、まろさん、ハニー、そして私はディメンションバリアへと潜入した。
出発の直前、私は傷だらけのリオナと会い、彼女の武器を借りた。
久しぶりの感触ではあるが、戦える。
信頼できる仲間がいることこそが何よりの力だ。
やはり彼らは強く、私とて少しは役に立ったつもりだ。
一気に上層まで駆け上るが、その道中にも不可解なことが起きる。
空間に亀裂が生じ、さらには魔物が存在していないフロアさえある。
以前のディメンションバリアとはどこか違う。
アデンに新たに生まれた次元の影響か、この次元は極めて不安定な状況だ。
急がなければならない、そんな気がした。
さらに上層へ上がると、魔物も強大になってきた。
"アーカン"の猛攻をかいくぐり、上層へ。
すると、何か大きな地響きが起き、周囲が振動する。
次元空間そのものに揺らぎが生じているのだ。それに敏感に反応したのはハニーだ。
「極めて不安定だ。出られなくなるかもしれない」
ハニーのその言葉に、ユカコが「どういう意味?」と聞き返す。
「この空間は複雑な次元構造をラムーンで繋いでいる。均衡が崩れると取り残される可能性がある」
つまりそれは、一度次元の外に吐き出されてしまえば、戻ってくることはできないことも意味している。
さらにハニーは「はぐれるな」と言い、ラムーンによる移動にも注意を促す。
自信なさげな表情に見えたのか、ユカコは私の手を取り、ともに青い床を飛んだ。
不安定な次元空間の中でも、これではぐれることはない。少なくとも彼女とだけは離れない。
どうやらまた"甘えん坊のルドンナ"に戻ってしまっている。
手を離したくない。ごちゃついた格闘武器が邪魔くさく思えて仕方がなかった。
さらに上層へ進むと、やがてそこへとたどり着いた。
そう、私たちは再び"アビス マーシャル"と対峙している。
まろさんのファーストアタックによって戦闘が開始された。
ベノンでの戦闘の後が見られる。マーシャルは少なからず手負いの状態だ。
そして、リオナが単騎で戦っていたことの意味は、それだけではない。
私はそれを身をもって体験したが、マーシャルに審判を下されることは、つまり"死"を意味する。
それを唯一耐えることのできるリオナは、今ここにはいない。
短期決戦の必要がある。
また思い出してしまった。
いつかのあの時、私はあまりに無力で、そして無謀だった。
その結果、復活スクロールも使ってもらえないまま、次元空間より吐き出されたのだ。
かつて共に戦っていた奴らの顔や素性も全て思い出してはいるが、そんなことはどうだっていい。
今、私と手を取って戦うのはユカコと、その仲間たちだ。
「……私も戦わないと」
まろさんとハニーに追いつき、マーシャルへと攻撃を開始する。
あまり大胆な動きはできない。
何せ周囲にはマーシャル以外の魔物も多く沸いているのだ。
仮に"アーカン"あたりに捕まってしまえば面倒なことになる。
「くそっ、硬すぎるぞ!」
まろさんが槍で打ち据えながら叫ぶ。ハニーも同じだ。
彼らの槍も両手剣もマーシャルの硬い"装甲"を打つのみ、貫くことができない。
「ルドンナの打撃ならダメージを与えられるかもしれない」とハニーが言うが、それは荷が重い。
すでに隙をうかがいながら数発は叩き込んだが、まったくといえるほど手ごたえがない。
また地響きが轟いた。
それどころか空間そのものが傾き始めているようにも感じた。
ちらりと上空に目をやると、"亀裂"のようなものが見られた。
その周囲に浮かんでいた石片が吸い込まれ、亀裂の彼方に消えていく。
「ハニー!時間はあるのかよ!」と、まろさんが叫ぶ。
問われたハニーも「さあな」と返すに留まり、つまり状況を把握できている者は誰一人とていない。
私は急激な不安に駆られ、マーシャルを叩く手を止めないままで、遠距離から魔法を放っているユカコに目をやる。
それに気づいた彼女は、言葉なく頷き、それは私に「大丈夫」だと伝わった。
また地響きが起き、浮かんでいるはずの戦場がぐらりと揺れる。
その地の一部が砕け、いくつも生まれている亀裂の一つへと吸い込まれた。
ハニーが「まずいな」と呟く。
まろさんも痺れを切らし、彼はとんでもない行動に出た。
「火力が足りない!これでは貫けないのか!」
彼は唐突にポーチを開き、その中から一枚のスクロールを取り出す。
帰還スクロールで逃げるつもりかとも思ったが、そうではないことはすぐに分かった。
「おいおいおい!まろちゃん、何する気だ?」とハニー。
ユカコも「まろ!あんた正気じゃないでしょ!」と叫んでいる。
私は彼が広げたスクロールを凝視する。見たことがある。あれは"武器強化スクロール"に違いない。
「もうこれしかない!貫けなければ負ける!もう時間もないだろ!」
勢いに任せ、まろさんはスクロールを慣れた風に読み上げる。そして槍を高くに掲げた。
槍の矛先が強烈に銀色に輝き、スクロールに封じられた魔力が凝縮していく。
光は留まり、つまりそれは強化の成功を意味した。
「これなら!!」
まろさんはすぐさま槍をマーシャルへと突き立て、その先端がグサリと食い込んでいく。
さらに深く、もっと深く突き立てる。
いける!誰もがそう確信したときだ。
パリン!という高音を響かせ、周囲に大量のクリスタルが散らばる。
砕けた。槍が砕けたのだ。
まろさんは丸腰だ。慌ててポーチからナイフを取り出すが、そんなものではどうにもならない。
対峙するマーシャルは腕を大きく振り抜き、たったの一撃でまろさんを仕留める。
その寸前でハニーは何かのスキルを唱えた。
"ファイナル インビジビリティ"、いわゆるイースエンチャンターの無敵スキルである。
命拾いをしたまろさんではあるが、槍を失った彼はもはや火力とはなり得ない。
これはまずい状況だ。最大のアタッカーを失ったのだから。
そして、さらに追い討ちをかけるように、私は"絶望"を感じた。
他の者たちは気づかないのかもしれない。だが間違いなく、"聞こえる"。
ベノン村で間近に聞いたあの言葉だ!!
そう、「審判の時間」が始まる……!
「逃げて!あのスキルが来る!」
私は叫んだ。声の限りだ。
しかし……間に合わない。
私は二度、いや、三度、それに命を奪われた。
瞬時に身体の自由を奪われ、全身に電撃が走ったかと思うと、手足がすぐに硬直する。
あとは成すがままに倒れこむだけだ。
目の前では同じように"審判"を受けたハニーが苦悶の表情を浮かべ、膝をついた。
それでもハニーは最後の力を振り絞り、半身を翻す。
「……装甲は破れた、今ならば貫ける!」
そう叫んだハニーが渾身の力で両手剣を投げ飛ばす。その先にはまろさんがいた。
まろさんは生きている!そうだ、あのイース無敵の効果がまだ残っていたのだ。
槍を失い、攻撃をできなかったまろさんだけは効果が切れていなかったのだ。
「砕くんじゃないぞ……」と呟き、ハニーは絶命した。
両手剣を受け取ったまろさんは腰を低く構えると、先ほど槍を突きつけた部位を狙う。
槍を食い込ませた小さな傷口に、巨大な剣の先端を突き立てる。それはズブリと深く侵入する。
マーシャルもうめき声を上げ、どうやらこれは致命傷だ。
さらにまろさんは、「これで最後だ!」と、"ラストアタック"を繰り出し、剣を大きく薙ぎ払う。
その一撃がマーシャルを仕留めた。
しかし、剣を持つ手が緩み、まろさんはぐったりと崩れ落ちる。
"審判の時間"はまだ終わっていなかった。
相討ちかと思われたが、そうではない。
剣を突き立てたあたりからマーシャルの身体は崩壊を始めているが、それでもまだ動いている!
残るユカコを標的にし、ゆっくりと、不安定に歩み寄って行く。
私は薄れいく意識の中で、視界に入った光景を否定する。
「逃げて」と口にするが、届くはずもない。
ユカコは魔力でバリアを形成し、寸前のところでマーシャルの攻撃を受け流すと、まるで空気の中を滑るように移動する。
その片手では復活スクロールが広げられていた。
もう一度まろさんを起こすことができれば倒せるかもしれない!
マーシャルが後方より迫り来る中、スクロールを読み上げる。
辺りがパッと明るくなる。そして、神聖な光に包まれた。
包まれたのは……私だ。ユカコは私を起こしたのだ。
私は光の中で立ち上がながら、「なぜ」と問いかける。
同時にマーシャルが吼え、ユカコは崩れ落ちる。
その瞬間であっても彼女は微笑んでいた。
私は彼女の行動を理解する。
ユカコの想いは痛いほど伝わっていたが、きっと彼女にはその"確信"がなかった。
私にはもう十分に伝わっているのに、彼女はそれを私に伝えた。
最後の行動でそれを伝えてくれたのだ。
「私はあなたを見捨てたりはしない」、そう伝わった。
……"仲間"であると伝えてくれた!
私は必要とされている。今この状況で必要かどうかではない。
彼女にとって、彼女たちにとって、私は必要なのだ。私を"救済"することが必要なのだ!
戦わなければいけない!負けてはいられない!
私は拳を強く握り締める。
「うおぉぉぉ!」と叫び、自分の中の勇気、怒り、復讐心、そして喜び、全てを解き放った。
瞬時にマーシャルへと近づき、それを正眼に捉える。
剣が突き立てられたままの奴は既に崩壊を始めている。
奴の右肩を殴ると、その部分が砕け飛び、彼方の亀裂へと流れていく。
腕、胴体、そして顔面。私は奴の巨大な身体を次々と破壊する。
私には見えていた。
あと一撃で奴を葬ることができる!
あと一撃!あと一撃だった!!
だがそれよりも先に奴が吼えたのだ。
また"審判の時間"が始まってしまう……!
次の瞬間、昂ぶった私の心臓を強く打ちつける暗黒を感じた。
「くそっ……」と抵抗を試みるが、ダメだ、立っていられない。
私はまたも地に伏せた。
動けない。身体を動かすことができない。
終わった……
全身を打ち抜かれたマーシャルは、その痛みからか、怒りからか、まだ破壊を止めない。
大地を打つと、岩が砕け、あちこちに出来た亀裂へと吸い込まれていく。
私は動かない身体のままで「やめろ」と叫ぶ。
あろうことかマーシャルは横たわるユカコに追撃をしかけようとした。
残された片腕を振り上げると、ユカコの横たわる地面を狙う。
「やめろ」
「……やめろ!」
「やめろおお!!」
ふいに私の身体に活力が流れ始めるのを感じる。
まだ倒れられない!
私の中に"鋼鉄の意志"が宿り、それが全身の痛みを凌駕していく。
動ける……!
爆発的な風の力が働き、瞬時にマーシャルを捉えた。
「いけえええー!!」
右の拳にありったけの力を込める。
私の過去、ユカコたちへの想い、そして"ウィンドストライク"、私が持つ全てを込めた。
拳がマーシャルにぶつかると、まとった風の力が電撃を帯びながら爆発し、奴の身体の全てを吹き飛ばす。
同時に地響きが鳴り、ディメンションバリアの空間は崩壊を始めた。
私の身体も限界だった。
足元に横たわるユカコを守るように、そして、はぐれないように、力強く抱きしめた。

angel's tale
~ イツワリのルドンナ ~
5.真実の夢
雨……
また雨が降るのかな。
そう、"あの時"は雨が降っていたんだ。
ずっと雨に打たれていたのを覚えている。
こんな風に横たわって、ずっと雨に打たれていた。
"あの時"はどうして横たわっていたんだっけ……
「……ジェンティー!」
「ジェンティー!おまえはマーシャルを叩け!」
「何してる、ジェンティー!デバフは効かないと言っただろ!」
「せっかく調達した"ランカー"が何てザマだ!」
「もう復活スクロールが尽きるぞ!」
「ジェンティーはもういい!そのまま転がせておけ!」
そう……
そうだよ、そうだった。
ディメンションバリアから吐き出され、ベノン村で横たわっていたんだ。
私は死んでいた。
死んでいたが、何故だか意識はあった。
いつもは優しく感じるはずの雨が皮膚に突き刺さるように痛かったのを覚えている。
言葉では言い表せないほどの喪失感、虚無感、そんなものを雨の中で感じ続けていた。
そして、私は私自身の意思によって……
"ジェンティー"を殺した。
それから……
生も死も、夢もうつつも、全てが混ざり合った。
私自身が誰なのかを忘れ、いつしか"ジェンティー"はまるで他の誰かになった。
私の記憶は唐突に始まったし、生きる目的の全ては、"ジェンティー"だった。
私の生きる目的、それは"復讐"だ。
"アビス マーシャル"ではなく、私を否定した"人間たち"への復讐だ。
それが全てだ。
私が新たな名を語り生きる意味など他にはない。
他にはない。
そのはずだった……
あの温もりを知るまでは。
もう一度眠りたかった、彼女の体温の揺りかごで……
でも、良いんだ。
彼女を知って、雨に打たれて冷え切った私の心に、再び熱が宿った。
今もこうして彼女を思うと……
……ほら、温かい。
「どんちゃん!やっと目が覚めた!」
声が届く。そして温かい。
少し笑えてきた。私は生きている。
あの雨の日とは違う……、私には温度がある。
彼女が温度をくれている。それがとても嬉しい。
私は瞳を開けるよりも先に涙を流した。
潤んだ瞼の隙間から覗くのは、心配そうに見つめるユカコの姿がある。
「……私、生きてるの?」
呟くと、彼女は朗らかに「うん」と返した。
私は大泣きし、気づけばユカコに抱きついていた。
「……私が、私がジェンティーだった!あの魔物に殺され、私は弱いからって!必要ないからって!」
私にとっては衝撃的な告白だったが、ユカコは意外にもそれをあっさりと受け入れる。
聞けば、やはりウィザードである彼女には不可解なことが多かったらしい。
つまり私はファイターでありながらウィザードを気取り、魔法を使えている気になっていたのだから。
それから私は泣きながら全てを話し、やっと落ち着いたところで周囲を見回した。
"アビス マーシャル"はおろか、ベノンを襲撃していた魔物は一匹たりとも姿が見えない。
まろさんとハニーが倒したのだろうか。
「次元の魔物は……」
そう聞くと、少し遠くから返事が聞こえる。
振り向いた先には、まろさん。彼は「仕留められなかった」と話す。
「消えた。ハニーが詳細を調べているが、おそらくは異次元空間に引き戻ったんだろう」
そう話しているところに、ハニーが戻ってくる。
「リーナに調べさせたが。どうやらアデン辺りでも次元に亀裂が生じているらしい」
まろさんが「カルティアか?」と問う。
「いや、また新たなものだ。ともかく不安定なんだ」
ディメンションバリアの障壁が破られたわけではなく、その次元そのものが安定を失っているという。
奴らが出てきているうちに仕留められたなら良かったのだが、結局はそれも"時間切れ"に終わった。
逃げ帰られたとも考えられる。
しかし、ディメンションバリアが安定していない以上、奴らはおそらくまたベノンに現れるだろう。
「……ゆたん、決めてくれ」とハニーが言う。
つまりそれは、このままディメンションバリアへと飛び込み、マーシャルを討伐するかという意味だ。
「やるわよ、決まってるじゃない。みんなあれだけ戦ったのにドロップお預けなんて嫌でしょ?」
彼女たちは立ち上がる。ベノンのためにだ。
ハニーは最後まで"リオナの参戦"だけは認めなかった。先ほどの戦いで満身創痍でもあるからだ。
ならば彼らはたったの三人で向かうのか。
そうではない。
ユカコは私の手を引き、立ち上がらせた。
「あなたの戦いを終わらせるの。そうでしょ、ジェンティー?」

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~ イツワリのルドンナ ~
4.次元障壁
それからすぐにユカコとまろさんが駆けつけてきた。
「ハニー!リオナちゃん、どんちゃんも!」
"ビースト ラウム"を倒した彼らが揃った。
男たちのことを良くは思っていないとはいえ、やはり心強い。
「おいおいおい……、あれを倒そうってのか?」
まろさんがそう漏らすのも無理はない。
その先では果敢にもマーシャルに挑む冒険者たちが次々と倒されているのだ。
それもまるで成す術もなく、たったの一撃によってだ。
並みの戦士では歯が立たない。
それどころか、他の冒険者たちはこちらを気にしている様子すらある。
何せ、ユカコたち、ひいてはハニーとリオナは、あのアースワーム討伐を果たした張本人なのだ。
周囲の期待を集めてしまうのも無理はない。
ハニーは「やるしかないだろう」と、両腕のグローブを締め直し、両手剣を構える。
そして隣につけていたリオナに対し、「おまえは下がっていろ」と告げた。
彼女とてもちろんそれに応じるつもりはなく、首を横に振ると、故郷ベノンを守るべく、彼らの先頭へと立つ。
「行くぞ!」と掛け声を発し、まろさんが駆け出す。
私も"ハニーの歌"の効果を実感しながら、彼らに続こうとするが、ユカコがそれを止める。
「近づいちゃダメ、あなたはウィザードでしょう。それに……」
本来ならばアルテイアのウィザードは風に隠れて姿を消しながら、そうして集めた風に電撃を乗せて近距離で放つ。
しかし私といえば、ユカコに教えてもらった"ウィンドストライク"をかろうじて唱えられるのみだ。
ユカコは「それに」と言った後で、その事を話そうとしたのかもしれないが、続けなかった。
私はウィザードとして、そして戦う者として、あまりにも未熟なのだ。
……悔しいが、彼らの力にはなれない。ベノンを救うのは、私ではないのだ。
まろさんが何かのスキルによって周囲の魔物を一斉に集める。
それが旗印となり、先に戦っていた冒険者たちが呼応する。
バラバラで戦っていてはダメだ。攻撃を合わせなければならない。
ハニーは味方を鼓舞し、そして魔物を弱化させながら、それでも最前線で剣を振るう。
戦いながらにして冷静さを忘れない。
冒険者の一人を追い詰めていた魔物を石化させ、余裕の笑みで手招きをすると、散り散りとなった冒険者たちを合流させた。
その先に在るのは"アビス マーシャル"、先行したリオナの単騎突撃。
あまりにも無謀に思える突貫攻撃に、私は目を疑った。ハニーもまろさんも彼女に構う様子はない。
リオナは瞬く間に接近し、マーシャルを捉える。
両手に装着した格闘武器を数発叩き込むと、すぐに側面へと回り込み、また数発。さらに今度は背後からだ。
やはりアルテイアのファイターの強さは圧倒的、それに彼女はアースワームを倒した本人だ。
とはいえ、だ。
あれだけの数のアルテイアや冒険者たちが束になって敵わない相手を一人で倒そうなど無茶な話であるはずだ。
今のところ全てを回避しているものの、それもいつまでもは続かない。
案の定、リオナはマーシャルの一撃を受ける。確実にだ。
だが倒れない。やはり彼女は強い。
しかし、彼女は大きな傷を負っている。弾き飛ばされ、地に打ち付けられる。
マーシャルは攻撃の手を緩めず、さらに大地ごとリオナを撃ち抜こうと、拳を振りかざした。
「……ダメだ、リオナ!」
私はとっさに駆けていた。
後方で制止するユカコの声が聞こえたが、止まってはいられない。
誰かが行かなければリオナがやられる。
少なくとも、標的を分散させなければ、彼女は死んでしまう!
「ルドンナ!何してる!!」と今度はハニーが私の腕を捕まえた。
何故止めるのか、理解ができない。それに私はこの男が嫌いだ!
「はなせ!」と叫び、私は半身を捻ると、ためらうことなくハニーの顔面にハイキックをぶつけた。
それが何故だかクリンヒットし、味方であるはずの彼を大きく蹴り飛ばしてしまう。
私がハッとしたのも一瞬だけで、すぐに体を切り返すと、リオナを救うべくマーシャルへと急接近した。
しかし、間に合わない!
何とか立ち上がったリオナではあったが、マーシャルの次なる一撃を受けたのだ。
「リオナ!」
私がそう叫ぶと、風を巧みに操り体勢を立て直したリオナと目が合う。
リオナの表情が一瞬で青ざめた。そして、彼女が首を横に振ったように見える。
……次の瞬間だ。
声。いや声とは違う。
何かもっとどす黒い振動が音となって耳に届いた。
背筋が凍り、身の毛がよだつ。その振動は確かにこう告げた。
「審判の時間だ!」
リオナは倒れない。先ほどからずっとだ。
洗練されたアルテイアは、肉体の限界を超えられる鋼鉄の精神を持つとも聞く。
私はどうやら"洗練されたアルテイア"ではないらしい。そんなことは知っていたはずだ。
そう、つまり……
私は死んだ。

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~ イツワリのルドンナ ~
3.悪夢の檻
魔物……
巨大な魔物が襲い来る!
ジェンティーは逃げ惑い、怯えていた。
果敢にも魔物へと殴りかかるものの、とても仕留めることはできず、まるで無力だ。
殺される。
殺されてしまう。
逃げなければ……
「……逃げて、ジェンティー!」
私は自身の叫び声と共に目覚めた。
ハァハァと息が上がっている。また悪夢を見た。
大都市アデンの宿屋、高級なベッドのシーツも汗でびっしょりと濡れてしまった。
悪夢にうなされ目覚めたというのに、私は少し微笑んでいた。
私の中を占めるジェンティーの割合が大きくなっている。正常な状態だ。
今日は"ハニー"と会う約束になっている。
猟師の村へと向かった。
ゲートキーパーを使わずとも走ればすぐだ。
ユカコに話をつけてもらった待ち合わせの場所、中央広場にて"ハニー"と落ち合う。
この村はあまり人が多くはない。すぐに彼を見つけることができた。
「ルドンナ……だな」
私はコクリと頷く。
「おれと話したがっていると聞いているが」
「……ジェンティーを知っているか?」
あまりにも単刀直入であるが、それでいい。
必要な情報だけ聞き出せればいい。私は"ハニー"を良くは思っていない。
「ジェンティー?アルテイアか?」
「知っているのか!?」
「いいや、知らない。だが推測はできる、リオナに聞けということだろう……」
「"リオナ"……トラスケンに食われたと聞いた。居場所が知りたい」
ハニーは頷いて答える。
その"リオナ"とやらの話はあまり気が進まないのか、怪訝そうな表情だ。
「君の事情は知らないが、それは君の事情だ。おれの仲間を巻き込みたくはない」
やはりハニーは嫌いだ。
気に入らない。気に入らない!
「おいおい、そんな膨れっ面をされてもだな……」
気に入らない!!
気に入らないっ!!
「何が"ハニー"だ!ユカコは私のものだ!」
感情的に言葉を発した直後、私はとっさに自分の口を両手で覆う。
それを聞いたハニーは戸惑った表情で状況を整理した後、若干の苦笑いを浮かべながら話す。
「"ハニー"はただの呼び名、ニックネームだ。まろちゃんだってそう呼んでる」
「ふぇっ…?」
私のキョトンとした顔を見てのことか、ハニーはまた苦笑いをする。
「念のために言うが、ユカコは女だぞ?それに君も女に見える」
「……アルテイアはみんな女だ!」
男のアルテイアもいるらしいが、少なくとも私は知らない。
アルテイアの戦士たちは皆が女だ。戦士たちは"男"の存在を知らない。
だから……好きになる相手が"女"であることは別に不思議なことではない。
「リオナもそうなのか?アルテイアは皆、君と同じか?」
そう問いかけてくるが、私が話したいのはそんな話ではない!
「そんなことはどうでもいい!ユカコとはそういう関係じゃないんだな!?」
「違う、断じて!……だがな、おれは違うが」
ハニーがそこまで何かを話したところで、突然の呼び声に会話を遮られる。
「ファグ!」
振り向くと、ゲートキーパーに転送されてきたのは屈強なオークの女戦士と見える。
どうやらハニーの仲間の一人のようだ。
「リンダか。どうした、血相を変えて」
ハニーのそばまで来たオークは、一呼吸だけ息を整え、告げる。
その言葉は私にとっても衝撃的なものだった。
「ベノン村が襲撃されている。リオナの故郷だ」
ハニーは「何だと」と呟いた後、私の方へと視線をずらし、顔を見合わせる。
とはいえ私とてどうすればいいのかも分からず、ただ呆然とする。
「アースワームの類か?地中から現れたのか?」
「よく分からない。突然現れた、何もない空間から……」
ハニーとオークの会話を聞き、私は思い当たるものがあった。
間違いない。ディメンションバリアが破られたのだ。
このままでは村が危ない。行かなければ……!
ベノン村は遠い。だが遠くあってもベノンまでの風向きは読み違えない。
その方角を確かめると、私は素早く、そして激しくも駆け出そうとした。
すると、その腕をがっしりとハニーが掴み止める。
ハニーをキッと睨むが、彼は私をぐいと引いた。
「そっちじゃない。GKで行くべきだ」
私は不服であったが彼に従い、オークも伴ってベノンへと向かう。
ゲートキーパーによる空間転移は心地よいものではなかったが、ベノン村にはすぐに着地する。
すでに混戦状態にあった。
やはりディメンションバリアの魔物が溢れ出している。
結界が破られたか、もしくは次元の封印に裂け目が生じたか。
いずれにせよ溢れ出した魔物たちを討伐しなければならない。
戦場と化したベノンは、次元の魔物と、アルテイアの戦士たち、そして人間やエルフの冒険者も多く在る。
ともかく魔物を倒さなければならない。一体でも多くだ。
だが、また封じられる。
杖を構え、その先端に魔力を蓄えようとした私を、またもハニーが制した。
「何やってる、一人では無理だ。おれたちと共に」
ハニーと、オークのリンダとパーティーを組んだ。
リンダが上空へと放った鳥が前方で旋回し、リンダは弓矢を構えながらもその辺りを睨む。
「見つけた。リオナはあそこに」
「助けるぞ。それから、ベノンを救う」
ハニーの歌を間近で聴いた。
その振動は瞬時に全身を走り、身体は軽やかに、そして力がみなぎるのを感じる。
これが"イースエンチャンター"が操る巨人の力だ。
なるほど、これでは当然だ。一人で戦うのとは段違いだ。 ハニーは幾らか駆け寄り、「リオナ!」と彼女を呼ぶ。
それに呼応した一人のアルテイアがこちらを振り向くと、次の瞬間には風と共にすぐそばへと現れた。
「ファグ、アイツだ。私たちでは歯が立たない……あそこに!」
リオナが指差す先にはひときわ巨大な魔物。
"アビス マーシャル"の姿があった。
私は何故だか強烈な恐怖感に襲われた。知らない魔物であるはずだ。
だが、あの魔物に目をやると、恐怖のために動くことができない。
殺される……
殺されてしまう……
……逃げなければ!!
ハッとした。
私はあの魔物を知っている。
悪夢だ。あの悪夢の光景が脳裏を過ぎる。
繰り返される悪夢の中で、何度もジェンティーを殺した魔物に違いない。
それに気づいた私はさらなる恐怖に襲われ、もう腰を抜かしてしまう寸前だ。
「どうする、逃げるか?」とハニーに問われる。
私はすぐに答えることこそできなかったが、幾らかの後で「逃げない」とだけ答えた。
それからハニーはリンダを呼び、彼女に単身での撤退を伝える。
「リンダ、あの魔物はおれたちだけでは無理だ。グルーディオに戻って、ゆたんを呼んでくれ」
従順に頷き、リンダはすぐにこの場を離れる。
ハニーは再度、走り去るリンダを呼び止め、もう一言だけ付け加えた。
「おまえは戻ってくるな。これは生半可な戦いではない」
これにはリンダも納得ができず、少しの反論をする。
だが、ハニーのさらなる言葉に、彼女は「分かった」と口にした。
ハニーはリンダに、「イオレッタを探せ」と告げていた。

angel's tale
~ イツワリのルドンナ ~
2.揺りかご
「……おはよう、不思議なアルテイアさん」
彼女の腕の中で目を覚ました。
私は大慌てで飛び起き、彼女と一定の距離を取る。
警戒を最大限にしつつも、すぐに大きなため息とともに床へと座り込んでしまった。
今さら警戒など笑えたものだ。彼女の腕の中で眠っていたのだから。
「ずっと、そうしてくれていたのか」
「疲れていたみたいね。よく眠っていたわ」
すごく恥ずかしくなった。
私の顔が赤くなっていたのだろうか、彼女はくすりと笑った。
そして、私はふと気づく。
彼女の体温の揺りかごの中、私はあの「悪夢」を見なかったのだ。
一時のこととはいえ、彼女の中で、私はジェンティーを忘れていた。
こんなことではダメだ。何のためにベノンを出たのか分からなくなる。
そんなことを考えていると、彼女が声をかけてきた。
「大切な誰かを探しているのね」
そう問われ、私はジェンティーの名を口にし、彼女が死んだことを伝える。
すると彼女は首を横に振った。
「私が知っているのは"ジェンティー"ではないわ。それに、あの子は死んでいないもの」
彼女の知るアルテイアは、アースワームに食われたものの、なんとその腹の中から生還したのだという。
私はまた大きくため息をついた。
当ては外れた。また一から出直しだ。
「私が気になるのは、それよりも"あなた"のこと」
彼女は言った。
私はその意味が分からずに首を傾げる。
すると、彼女はこう続ける。
「私はアルテイアのウィザードを見たことがあるけど、あなたとはとても似つかなかったわ」
そんなことを言われても、私とて未熟でありながらもアルテイアのウィザードなのだ。
彼女が思う不可解さとは、こうだ。
まずは私が放った魔法。それがただ風を塊にして放ったに過ぎないという。
それはあまりにも貧弱で、おそらくは彼女の魔力の数分の一にも足らないだろう。
しかし私にはそれで精一杯なのだ。まだベノンを出るには早かったかもしれない。
「ねえ、あなた名前は?」
「……ルドンナ、そう呼ばれていた」
目的地を見失った私は、しばらくの間、グルーディオに留まり、それから何度か彼女と会った。
ユカコと名乗った彼女に魔法の手ほどきを受けたりもした。
風の魔術に電撃を纏わせることのできない私は、人間の魔法「ウィンドストライク」が最適だった。
アルテイアの私には難しいものだったが、それでも真剣に取り組んだ。私も、教える彼女も。
彼女との距離が縮まるのには時間を要さなかった。
そして今、私はユカコに対して、言い表せない想いを秘めている。
また彼女の体温の中で眠りたい、少しでも彼女と繋がっていたい。
……彼女を自分のものにしたい!
数週間を共にした今、その数週間前の"揺りかご"を求めている。痛いほどに求めている。
私はそれを否定し、またジェンティーのことだけを強く思った。
いずれかの日に、彼女たちのアジトへと赴いた。
そこにはいつか"ビースト ラウム"を倒した槍のエルフの姿があった。
つまり、私が抱いていた淡い"揺りかご"への期待は打ち砕かれたのだ。
「いつかのアルテイアだね」
そう声をかけられるも、私は無意識のうちにユカコの影に身を潜めていた。
「大丈夫、怖い人じゃないわ。知ってるでしょう?私の仲間なの」
解っている。
だが、何だか納得ができない。
私はそこにきて、ユカコを独占したいと思っていることを再認識させられた。
話題はもちろん私のことだ。
「やっぱり"ハニー"に相談してみるべきだと思うの」
ユカコはそう言った。私は"ハニー"という呼び名が妙に気になる。
それがおそらくもう一人のエルフを指していることは解ったが、ユカコがそう呼ぶのが気に入らない。
どういう関係なのだ。ユカコは私のものだというのに。
私のそんな嫉妬心など蚊帳の外で話は進む。
槍のエルフにルドンナと名乗り、彼のことは"まろさん"と呼ぶことにした。
まろさんもユカコの意見に賛成する。
「そうだな、彼は交友も広い。オークにドワーフ、それに……アースワームに食われたアルテイア」
確かに"ハニー"に聞けば何か新しいきっかけを掴めるかもしれない。
ジェンティーの死について何か分かるかもしれない。
そして、そうやってジェンティーを追いかけている間は、この嫉妬の炎も忘れられそうだ。
ユカコは「でも……」と切り出す。
「ハニーは喜ばないかも。りんごちゃんたちを戦いには巻き込まないって、そう約束したから……」
「巻き込むわけじゃない。それにその約束に"リオナ"は入ってないだろう?」
「……確かにそうだけど。でもそういうことじゃないと思うの」
気に入らない。
ユカコが"男"と話しているのが気に入らない。
彼女は私のものなのに。
私はふいにこの場を立ち去りたくなった。
空気が重く、風が動かない。この場所はとても息苦しい。
この空気感は私自身の不安定な感情が作り出したものに違いはないのだが。
ともかく私は"ハニー"の居場所を聞き出し、その場へ向かうことにした。
本当はユカコと共に向かいたかったが、彼女が"ハニー"と会うのは腹立たしい。
一人で向かうことにし、私はハニーが滞在する猟師の村へと向かった。

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~ イツワリのルドンナ ~
1.復讐の風
大天使は告ぐ……
――ジェンティーは死んだ、と。
彼女が村を去り、もう随分と経った。
エルモアデンの大陸は混沌にあり、その中心にベノンがある。
人間たちは、私たちアルテイアを「個」ではなく「力」として見た。
数多の血盟による争奪戦だ。そして優秀なアルテイアは彼らの剣に、爪になるのだ。
ジェンティーもその一人だ。
人間が率いる血盟の戦闘員として戦い、そして……
……死んだ。
それからだ。私が夢を見るようになったのは。
その悪夢。空より降り来た大天使が告げる、彼女は死んだのだと。
ベノンを出たばかりに、人間と出会い、そして死んだ。
強大な魔物に殺された。
いいや、アデンに、血盟に、人間に殺されたのだ。
大天使は告ぐ……
――人間を討て、と。
私はまた悪夢にうなされ、目覚めた。
「討て」と告げた天使は本当に存在するのだろうか。
「彼女は殺された。人間を討て」、そう言い聞かせているのは自分自身なのかもしれない。
とはいえ、その悪夢というのは厄介だ。何せ、毎夜毎晩繰り返されるのだから。
悪夢に突き動かされ、その衝動のままにベノンを出て、もうしばらくになる。
そして、私はようやく手がかりを得た。
アースワームなる魔物と戦い、それに食われたアルテイアがいると聞いた。
幾らか前の話だという。
私はシュチュッツガルドまで赴き、その情報を得た上で、今度はグルーディオへと向かう。
アースワームの討伐作戦に参加した人間の一人と会うためだ。
その道中、時は夜だ。私は不覚にも道を誤り、グルーディオへの標を見失った。
風に乗って「風の丘」辺りまで下れば良かったのだが、それよりも早く、何かの灯りを見つけてしまう。
近づくと、それは町の灯ではなく、祭壇なのか、オベリスクか、地に据えられた寸胴な灯台だ。儀式的なものを感じる。
どうやらここはグルーディオの町とはほど遠い。
風と走ることにも疲れ、途方に暮れていたときだ。
私を追う魔物の気配を感じる。
「またリザードマンか」と決め込み、魔法の一撃を放ったとき、その過ちに気づく。
構えた杖の射線にいたのは"ビースト ラウム"、この辺りに幅を利かせているマフムの変異種だ。
どうやらこれはまずい。私などの手に負える相手ではない!
ともかくは風に乗り、距離を取る。
そして魔力を風に換え、放ってはみるものの、まるで効果がない。
その風はラウムの頬を撫でるだけだ。
私は後方にステップし、さらに詰め寄るラウムに怯え、二歩、三歩と後退りする。
背中が「トン」と何かにぶつかり、振り向くと、そこには牙を剥いたリザードマンの大きく裂けた口だ。
「きゃあ」と声を出し、逃げ出した先で転んでしまいそうになるのを風に乗って耐えた。
ビースト ラウムの豪腕による攻撃をかわし、さらにかわし、かわす。それしかできない!
それも長くは続かず、続けざまの一撃を杖で受け止めてしまったばかりに、私は大きく弾き飛ばされた。
飛ばされながら体勢を立て直そうとするが、風が足りない。
ともかく奴から目を離してはダメだ。何とか半身を捻り、ラウムを正眼に捉える。
すると、まただ。
背中が「トン」と何かにぶつかる。
またもリザードマンかと、顔をしかめた時、その背後から伝わるのは「体温」。
爬虫類では持ち合わせていないものだ。
「こらこら、若い子が無茶しちゃダメじゃない」
人間の言葉だ。
私を受け止めたのは人間の女、優しく抱き止められていた。
そして彼女が後ろから手を回し、私が構えた杖をともに握ると、その瞬間、杖の先端より激しい魔力が噴出する。
これが「魔法」なのかと痛感した。アルテイアのウィザードでありながら、初めての感触だ。
撃ち放たれた風の魔力は遠方でラウムに命中し、一瞬ではあるがその足を止める。
それだけで十分なのだ。
彼女に抱き止められたままの私の両脇を抜け、鎧をつけた二人の男がラウムに駆け寄る。それも一瞬で。
「アジトのマスコットを殺しちゃうなんてねえ」
「仕方ない。小さなお嬢さんのピンチなんだ」
エルフの男が二人、代わる代わるに喋る。
「ようし、どうせ倒すってのなら、良いモノ落としてくれよ」
「期待はできないな。何せ彼は働いていない、ずっとここに立っているだろ」
そのやりとりを後ろで聞いた彼女は小さく呟く。
「……まったく口数が多いんだから」
そして「早くやっちゃってよ」と彼らに催促をした。
二人のエルフ、一人は両手剣、もう一人は長い槍を担いでいる。
まずは両手剣のエルフの一人が呪文を唱えた。
いや違う、これは呪文ではなく「歌」である。
古代エルフの言葉か、それとも巨人たちの言葉か……
ともかくその歌は何らかの強烈な効果を生み、それは空気を振動させ、私の鼓膜と胸を強く打った。
その爆発的な力を受け、槍のエルフが飛びかかる。
槍を振り回し、突き立て、貫く。そしてもう一人は巨大な剣を叩き付けた。
まばたきを必要としないほどの一瞬で、"ビースト ラウム"は倒される。
彼らの強さを目の当たりにした私は、彼女の腕の中でしばらく呆然としていた。
男たちは戦い足りなかったのか、その足でどこかに去り、その場には彼女と私だけが残される。
そして、彼女らのいう「アジト」という場所へと招かれた。
そこで思わぬ収穫を得ることとなる。
彼女は、アースワームに食われたアルテイアを知っているというのだ。
「トラスケン?アースワームのことかしら……それなら」
まさにグルーディオの辺りまで来た理由である。
アースワームの討伐作戦に参加していた人間というのが、まさにこの目の前の彼女だったのだ。
今まで穏やかだったはずの私の胸の中で、ささやかな風が強さを持って巻き上がり、嵐となるのを感じる。
あの「悪夢」、大天使は私に告げた。
――人間を討て、と。
身体は瞬時に烈風となり、彼女との距離を一瞬で詰め寄る。
差し出されていた少し苦いフィッシュスープの皿がテーブルから転がり落ち、ガチャンと割れた。
「ハッ」とし、私は我に返る。
衝動的に彼女に襲い掛かっていた。杖を持たずに素手で飛び掛っていたのだ。
だが、それが今では体の自由が利かない。
彼女の魔力によって拘束されていた。
それも成すがまま、宙に浮いた状態で完全に両手足を束縛されている。
これでは復讐を果たすどころではない。
私は絶望すると、同時に束縛が解かれ、落下する。
「ああっ、危ないっ!」
とっさに束縛の魔術を放ったのだろう。彼女も我に帰り、落下する私を受け止めようとした。
しかし彼女の華奢な体躯では受け止めきれず、二人そろって尻餅をつく。
少なからず衝動的に「殺意を持った」私を、彼女は助けようとしたのだ。
人間の行動は不可解だ。
そしてまた、私は彼女の腕の中にいる。
その体温の揺りかごは、穏やかである。
ベノンからシュチュッツガルド、グルーディオへと歩き続けた私は、どっと疲労に襲われた。
あろうことか彼女の腕の中でゆっくりと眠りに落ちていった。


ファグリオはレベル102になりました!(タイタンですが)
大型アップデート & 経験2倍期間のおかげで、一気に駆け上がっちゃいました。
りんごペアで巨人下層に行けるようになったのが大きかったです。
でもスクリーンショットを良く見たら、どうやら上層でレベルアップしてるみたいですね(笑)
今後は一応+10セットを目指しつつ、経験貯めてタイタン103にしたいと思います。
防具は目処が立たないけど、レベルの方は一ヶ月以内にはいけるんじゃないかな?
まあでも2倍期間中みっちりメイン動かしてたから、他のキャラもやりたいで~す。

そまちゃんたちと深夜PTに行くようになってから、95カルを主戦場に活躍中。
はい、つまり……寄生ってヤツだ!
でもそのおかげでレベルも99になりました。
まだまだ装備が不十分なので、アデナの余裕を見てそちらも強化したいですね。
ちなみに現在の装備は……
ケルビムボウ、カデ軽セットなので、もう全然ダメダメな感じ>w<;
まともなATとして貢献できるのは まだまだ先になりそう。

メインとしての活動はないんだけど、ファグ様の巨人クエのおとも & クラハンで稼働中。
といっても、2倍期間中にもブーストしなかったので、まだまだしばらくは101~。
装備は色々といじって、巨人下層でもMP切れないように武器OPなどを調整。
MP維持しながらクエ300こなせるようになりました。

特別には稼動していないけど、釣り放置だったりでジワジワとレベルアップ中。
見た目かわいいから放置するにはいいよね!よくアデンで釣りしています。
リオナが頑張ったのは、おそらく……

どんちゃんの育成を手伝ったのが最後ですね。
そんな、どんちゃんも今では……

立派になられていました。ん~、どんちゃんかわいい。リオナもかわいいけど(笑)
上のスクリーンショット、どんちゃんの方が圧倒的にオムネがふくよかですね……
リオナがんばれ。リオナがんばれよー。
さてさて、リオナが ルドンナさんをフィーチャーしたところで、予告です!
2倍期間が終わって、ハニーのインが薄いぞと思っていたアナタ!
実は、またまたハニーの妄想力が活性化しておりました。
妄想ストーリーが始まりそうですよ~~~(もう出来上がっておりま~す)
もろもろ含めて後日お知らせします!無許可でいきますよ~!(意味深
大晦日ですよ!明日から2016年ですね!来年もリネ2の年ですよ!!
愛用のリネージュ専用マシンが壊れちゃったので、2週間ほどインできませんでしたが……
今はなんとか無事にログインできています。カクカクだけど狩りもできます。
今回から記事のデザインを少し変更しました。

2015年、99 → 101 に成長しました。
得意の短期集中育成で、実稼動時間は少なく、あっという間に育った印象。
さらに下半期にはデュアルのタイタンも 99 にまで成長。
りんごちゃん とのカルインフィペアが可能になったので、そのまま 101 に!
それからはタイタン&りんごイースでクラハンに行くことが多くなり、
メインイースの稼動が激減!(笑)
来年は大型アップに向けて 102 を目指さないとなぁ。。。
巷では釣りイベントもあって、どうやらサブハイエロが量産されていて、
メインでイースや、さらにハイエロ以外をやってる方は少ないんだろうな~……
でも、ま、それでも、おれはあくまでも「歌」であることがアイデンティティなので、
メイン育成頑張らないとね~。
近況は……
ガチャで出た補助石を使って、防具を強化。軽装備も+8セットになりました。
軽装備は主にタイタンでの運用だけど、フレンジーなんかの回転率もアップですね。
ちなみにガチャでは破滅R-daiも出ました。
破滅は売らずに貼る!と決めているので貼ってみたところ……
あっけなく失敗 ^-^;
ガチャの話ばっかりですが……
実は追いガチャで
セブンサイン(もしくはエナジー)狙いで回したんだけど、なかなか会えないね(笑)
ソウルストーンとかアクセの精錬とかも変更できたので、
今回のガチャではそこそこのステータスアップができたんじゃないかな~。
年明けからはガチャ我慢して、コツコツ真面目にアデナ貯めることにしますよ!
それから、ベビメンも不在だったので、お散歩をしていたら……

こんなもの見つけました。
ターゲットすると、これ、どうやら「扉」らしいです。
なにかのクエストのものだと思うんだけど……
色々知らないおれはもちろん知っているはずもなく、ぼーっと眺めて終わり。
どこに繋がっている扉なの?
誰か教えて~!
ちなみに場所は、
このあたりでした。
「ラチーク生息地」……? ラチークって誰www
今度探してみます。ラチークさん。

ハイネスの釣りイベントで1500回ほど釣りw
その結果 Lv95 になって、ファンタ・カデイラグレードの装備を身に付けられるように。
ガチャ産のケルビム武器も多く出回っているようだったので、
以前のガチャで当てた「ボウガン」を売却して、「弓」に買い換えました。
どっちが良いのかイマイチ分からないんだけど、なんか弓のが強そうだね!
今度クラハンでカルにでも連れてってもらって試し撃ちしてみよう。

デュアルクラスのイースが Lv99 になってからは活躍続きです。
ファグ様とのペアカルインフィではバフにデバフにヒールと大活躍です!
しかも最近軽装備を着込んでるファグ様の重を借りっぱなしで、ブルジョワ感出てます。
基本的にパーティー狩りのときは留守番をするようにしているんだけど、
少数クラハンとかでは出撃要請を承ることもしばしば。インフィは多い方が安定するよね。
(りんごちゃん というよりは、ファグ様のタイタンを期待されているというねw)
さらに、りんご垢の2号「ハニーアップル」も釣り+ソロPTカル(何)で Lv99 に。
せっかくのマエストロなので何か製作をしたいですね。
でもホントはアルテイアの「錬金」とかいうやつのが魅力的だよね~(笑)

この年末には久々にリオナも稼動しました。
というのも、久々に復帰された ジェンティー覚醒大作戦 で、火力要員として活躍。

久々のレアキャラ登場(笑)ということもあって、クラン総出でお手伝い。
ど定番の血沼でゴリゴリあげちゃいました。
その後はファグ様にバトンタッチして、
マグメルドあたりのレイドを乱獲。一気に 86 までアップしちゃいました。
次は85カルでも一緒に行けたらいいな~。
さて、2015年もあとわずか。
ベビパラを始め、黒会社の方々にもたくさんお世話になりました。
来たる2016年もよろしくお願いしますね~