わざわざ見る価値のあるクルマ | モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳

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横浜の日産本社1階にある日産ギャラリーで今、ある意味特別展示が行われている。プリンス1900スプリントと呼ばれるクルマがそれだ。

てっきり日産が復刻したのかと思ったら、実はそうではなくて個人が行い、日産が借用して展示しているもので、今月24日までの期間限定である。だから、この展示が終われば制作した個人の元に帰るわけだから、今しか見れない。わざわざ行く価値があるのはそこにある。

さて、このプリンス1900スプリント。1963年に制作され、その年の東京モーターショーに出品されたが、残念ながら市販は叶わずオリジナルは廃棄処分されてしまった。そうした点の経緯は「プリンスとイタリア」という本に詳しい。

それにしてもこのクルマ、実に斬新なスタイルである。ベースとなっているのはスカイライン1500。そうした経緯も上の本に出ている。リアエンドをのぞき込んだら、リーフスプリングの取り付け部がボディ最後端にあり、これ以上短くすることは不可能だったことがよくわかる。

何故か忠実に復元されたはずのモデルだがリアに着くエンブレムはオリジナルと違っていた。

中々奇麗にプリンス1900スプリントと書かれているが、オリジナルはもっとありきたりのロゴで書かれているし、ご覧のように2段重ねではなく直線状にかかれていた。

会場では制作のストーリーから、昔のモデルの写真などがスクリーンに映し出され、それを見ているだけでも十分に堪能できる。

あと3週間ほどの展示だから、時間が許す人は是非ともつぶさに観察することをお勧めする。