いよいよ夏休みが始まりましたね!
子どもは大喜び、お母さんは大苦労!そんなご家庭も多いのではないでしょうか?
夏休みに子どもたちを悩ませるものといえば『夏休みの宿題』ですね。
そんな夏休みの宿題も最近は傾向が変わってきているようです。
感染症の影響で学習ペースが崩れたことにより課題の量を増やした学校があったり、『自分で課題を見つけ、解決する力』を養うために宿題を自分で決める学校なんかも出てきたようです。
私は夏休みの宿題といえば漢字の書き取りを思い出します。
私の通っていた小学校では、これまで習った漢字をノート一冊が埋まるまで書いてくる!という宿題がありました。正直この宿題が出されたときは絶望しかありませんでした。
10分と集中して机に向かっていることができない私がノートいっぱいの漢字など書けるはずもありません。
そこでふと思いついたのです!
これまで習った漢字を書けばよいなら、全部『一』でいいじゃないか!と。
ということでノートいっぱいに『一』を書いて意気揚々と提出しました。
結果は当然、引くほど怒られました(´;ω;`)
まぁ当然ですよね笑
前置きはこのくらいで、本題に入ります。
塾の先生をしていると夏休みの宿題でよく相談されます。
特に多いのが、自由研究何したらいい?という相談です。
最近では完全自由ではなく、テーマを与えてその研究をしてくるという形式の自由研究を宿題にしている学校もあるようですが、テーマから自分で決めないといけない学校もたくさんありますよね。
これを読んでくださっている方の中にも夏休みの自由研究何やろ~?と悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
というわけで今回は、これまでの教え子がやった自由研究の中で素敵だなぁと印象に残っているものを2つ紹介します。
一つ目はおばあちゃんのための自由研究です。
この生徒は当時小学3年生の男の子でした。
ご両親が共働きで、夏休みはおばあちゃんと過ごすことが多かったようです。
よく塾にも送迎に来てくれていたので私もよく挨拶させていただいていました。
この男の子とおばあちゃんの家は電車で3駅の距離ですが途中で乗り換えが1回ありました。
時間にして1時間くらいの距離です。
ある日、いつものように男の子が家でおばあちゃんを待っていましたが、なかなか到着しません。
家を出るときに連絡をくれてから1時間30分は経っています。
男の子は心配になり駅に向かいました。すると両手にいっぱいの荷物を持ったおばあちゃんが駅から降りてくるのが見えました。
男の子は何故遅くなったのかを聞きました。
するとおばあちゃんはこう答えます。
『いつものことだよ』
男の子はビックリしました。
お母さんと一緒におばあちゃんの家に行くときは1時間で着くのに、おばあちゃんが一人で僕の家に来ると1時間30分かかる。
男の子はすぐにその意味に気づきました。
なぜなら駅から家に向かう間に、おばあちゃんが何度も立ち止まっているからです。
お家にいる間はいつも元気に見えるおばあちゃんも、炎天下の中歩くのは大変なんだと気づきます。
そして男の子は、『おばあちゃんと住みたい町』というテーマで自由研究をすることにしました。
実際に自分たちが住んでいる町のいたるところを写真に収め、ここがこうなっていたらおばあちゃんが歩きやすい。あれがこうなっているほうがおばあちゃんが買い物しやすい。などを書き加えて一つの理想の町を絵で表現しました。
実際の町の写真と絵の比較や説明文章などを添えた作品は本当に素敵なものでした。
まだ男の子はバリアフリーという言葉を習う前に、バリアフリーの一番大切な気持ちの部分を身につけたのだと思いました。
今回のブログを書く了承を得るため、彼に連絡したところ彼もこの自由研究をよく覚えていました。
それどころか将来の目標を持つためのきっかけだったと言っています。
現在彼は大学の建築学科で街づくりの勉強に励んでいるそうです。
『バリアフリーの街をつくるの?』と聞くと。
『先生、これからはバリアフリーだけじゃもう駄目だよ。今はバリアフリーも含めたストレスフリーな街を作りたい。自分が作った街では犯罪や自殺が起きない。そんな街を作りたいんだ』
と夢を語ってくれました。
教育に携わる者として、生徒が自分の目標を持ち、まっすぐに努力している姿を見ること以上の幸せはありません。
そんな初心を思い出させてくれた彼の素敵な自由研究のお話でした。
では二つ目は弟のための自由研究です。
ですが、今日はここまで!
続きは後編で!!!!!!!