すいめんのかば
じぶんでじぶんのことをばかだとわかっているひとは
そんなにばかじゃないとおもうから
じぶんのことをばかだとおもっていないぼくは
ほんとうにばかなんだろう。
まちにはひとがあふれてる。
まちにはおとがあふれてる。
まちにはものがあふれてる。
ぼくはかばだからひとのことはわからないし
ぼくはかばだからおんがくにもくわしくないし
ぼくはかばだからもののこともよくしらない。
みんながぼくをおいぬいていく。
どこへいくの?いそいでるの?
みんなあしがはやすぎるから
ぼくはいつでもひとりぼっち。
みんなたべつくして
ぼくのおなかにいれてやろうかしら。
そんなことできないことくらい
ばかなぼくにもわかってるさ。
そんなにばかじゃないとおもうから
じぶんのことをばかだとおもっていないぼくは
ほんとうにばかなんだろう。
まちにはひとがあふれてる。
まちにはおとがあふれてる。
まちにはものがあふれてる。
ぼくはかばだからひとのことはわからないし
ぼくはかばだからおんがくにもくわしくないし
ぼくはかばだからもののこともよくしらない。
みんながぼくをおいぬいていく。
どこへいくの?いそいでるの?
みんなあしがはやすぎるから
ぼくはいつでもひとりぼっち。
みんなたべつくして
ぼくのおなかにいれてやろうかしら。
そんなことできないことくらい
ばかなぼくにもわかってるさ。

みにくさを広げて
「変わってる」と認識しはじめたのは
羽が生え変わり終えた頃のこと。
全身の色が
明らかに他のクジャクと違っている。
黒い。しかも、ぶつぶつがある。
鮮やかな目と持つ他のオスのそれとは
まるで違う様相だ。
みにくい。
自分から見ても、他者から見ても
それは明白な事実だった。
「きっと変な病気を患ってああなったのだ。
近寄らないほうがいい」
メスはおろか、オスもまた
自分から距離を置くようになった。
しかし自分は、羽の色こそみにくかれ
オスとしての本能はある。
ここで逃げる訳にはいかない。
他のトリの鮮やかな羽を拾い集めて
大恥をかいたカラスがいたそうだから
着飾るのはやめておこう。
では鳴き声で勝負してみようか。
……無理だ。
クジャクのメスは、見た目しか評価しない。
けんかに強くなって、他のオスを
排除してしまおうか。
…どうだろう。
黒い羽をもつ自分との交尾は
クジャクとしての本能が拒絶するだろう。
みにくい羽を広げてみる。
風が起きて、すなぼこりが舞った。
驚いたアリが
「私を食べて」と言わんばかりに
目の前でひっくり返ってみせた。
羽が生え変わり終えた頃のこと。
全身の色が
明らかに他のクジャクと違っている。
黒い。しかも、ぶつぶつがある。
鮮やかな目と持つ他のオスのそれとは
まるで違う様相だ。
みにくい。
自分から見ても、他者から見ても
それは明白な事実だった。
「きっと変な病気を患ってああなったのだ。
近寄らないほうがいい」
メスはおろか、オスもまた
自分から距離を置くようになった。
しかし自分は、羽の色こそみにくかれ
オスとしての本能はある。
ここで逃げる訳にはいかない。
他のトリの鮮やかな羽を拾い集めて
大恥をかいたカラスがいたそうだから
着飾るのはやめておこう。
では鳴き声で勝負してみようか。
……無理だ。
クジャクのメスは、見た目しか評価しない。
けんかに強くなって、他のオスを
排除してしまおうか。
…どうだろう。
黒い羽をもつ自分との交尾は
クジャクとしての本能が拒絶するだろう。
みにくい羽を広げてみる。
風が起きて、すなぼこりが舞った。
驚いたアリが
「私を食べて」と言わんばかりに
目の前でひっくり返ってみせた。

ベランダに海亀
純然たる興味だった。
浜辺で遊んでいる生き物が
空高く投げ合っている
3色の玉が気になった。
ゆらゆら揺れる波の間から
その不思議な玉を目で追っていた。
沖合に船が通り
大きな波が押し寄せたのにも気付かず。
運悪く浜に打ち上げられたワタクシは
無邪気さに連れ去られ
無邪気さに激しく打たれ
無邪気さに焙られ
無邪気さに唾を吐きかけられ
そこから先は覚えていない。
ああ、伝承のあの人は来なかった。
釣竿を持った紳士。
神様も助けてはくれなかった。
神様は、見守ることしかいつもしない。
マァ、助けてもらったところで
お礼の言葉すら伝わらないし
返せるものが何もないのだけれど。
無邪気さのない楽園が
世界のどこかにあるのなら
ワタクシはそこで暮らしたい。
マァ、そこにはそこの理不尽なルールが
あるのかもしれないけれど。
太陽が、傷だらけの私の甲羅を
みしみしと焦がした。
浜辺で遊んでいる生き物が
空高く投げ合っている
3色の玉が気になった。
ゆらゆら揺れる波の間から
その不思議な玉を目で追っていた。
沖合に船が通り
大きな波が押し寄せたのにも気付かず。
運悪く浜に打ち上げられたワタクシは
無邪気さに連れ去られ
無邪気さに激しく打たれ
無邪気さに焙られ
無邪気さに唾を吐きかけられ
そこから先は覚えていない。
ああ、伝承のあの人は来なかった。
釣竿を持った紳士。
神様も助けてはくれなかった。
神様は、見守ることしかいつもしない。
マァ、助けてもらったところで
お礼の言葉すら伝わらないし
返せるものが何もないのだけれど。
無邪気さのない楽園が
世界のどこかにあるのなら
ワタクシはそこで暮らしたい。
マァ、そこにはそこの理不尽なルールが
あるのかもしれないけれど。
太陽が、傷だらけの私の甲羅を
みしみしと焦がした。
