2017年に見た映画総まとめ6月の巻! | 冷やしえいがゾンビ

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めっきりノータッチですが、メインは映画に関する垂れ流し。

6月に見たのは


LOGAN

パトリオットデイ

セールスマン

キングアーサー

ハクソー・リッジ

Raw


の6本。激減したのはオンラインゲームにハマった影響が大きいです(知らんがな)



LOGAN


現代アメコミ映画の先駆けとも言えるX-MENシリーズ、その主要キャラとして常に存在感を発揮してきたウルヴァリン。演じてきたヒュー・ジャックマンにとってはシリーズ最後の出演作。


超人的能力を展開のためのテコにせず、深みとテーマ性の描きこみに活用して物凄く味わい深いシナリオにしている。チルデミー賞の脚本賞を与えたいくらい(権威ゼロ)。特に序盤の状況説明の手順と手法が研ぎ澄まされすぎ。


プロフェッサーXというキャラであんなに鮮烈なシーンを生み出した事も凄いし、終盤の絶望と希望のクロスオーバー感がめちゃくちゃ切ない。


そしてなにしろヒュー・ジャックマンの芝居が。上手いとか渋いとかを通り越して、全身全霊で生きて死のうとしてる。だからこそ「この映画は本気で見なければいけないんだ。これまでのX-MENと同じ気分で見ていてはいけないんだ」と、背筋が伸びる思い。


アクションシーンも、ゴア要素に踏み込むだけでこれほど新鮮に映るとは。単調さから脱却して緊張感の維持につながっている。あるX-MENの死、としていつまでも語り継がれるべき伝説。☆☆☆☆☆

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パトリオット・デイ


マーク・ウォールバーグ主演、ピーター・バーグ監督、実話を映画化したノンフィクション。またこの組み合わせ!? ボストンマラソンのレース会場での爆破事件を巡る警察の捜査を中心に描く。


アメリカの良心的マッチョをやらせたらこの人以外にいないだろ、ってくらい役柄にハマるのがマーク・ウォールバーグですが、それはやっぱりこの監督だからこそ引き出せる面も多いはずで。今後もダブルバーグ定食から目が離せないですね。


それはそれとして、この映画の構成は見事すぎるくらい見事で、見たかったものをちゃんと見せてくれるし、信じていた正義が悪を打倒するカタルシスを期待通りに体現してくれる。


期待通りとは言っても爆破犯がどういう経緯で逮捕されたのかを知らずに見ているので、映画になって然るべきなドラマティック展開に心が踊ります。


ただ、この事件を映画化するのにピーター・バーグ以上に熱く仕上げられた監督はいないんじゃないか?と思うほど、バランス感覚や編集の機微に唸らされました。多くのキャラクターの決断が事件解決につながる展開はシン・ゴジラにも似たテイスト。面白かった!☆☆☆☆☆

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セールスマン


冗長かつ弛緩、キャラクターの行動原理に納得できず、狭い範囲を右往左往するだけの展開。自分には完全に合わない映画でした。こういう作品に面白みを見出せる人って凄いなあとさえ思う。未熟ですみません。☆★★★★



キング・アーサー


チャーリー・ハナム主演でアーサー王伝説をリブート。元々は聖剣無双というサブタイトルが付いていたのですが、いつのまにか剥奪されてました。そのサブタイトルは悪くないと思うんだけどなあ。


この映画けっこう好きです。面白かった。腐ってもガイ・リッチー。作劇も気が利いてるし、アホなCG使いも笑える。ただ、肝心のアクションシーンの編集がチャカチャカしていて爽快感が得られない。残念。


興収が製作費の総額を下回るほどの大オケになったようですが、単純に「今時アーサー王伝説とか興味ねえし」という市場からの回答なんだと思います。それでも見て良かった。楽しめました。☆☆☆★★



ハクソー・リッジ


メル・ギブソン10年ぶりの監督作。第二次世界大戦の沖縄戦においてアメリカ軍兵士の命を救い続けた1人の衛生兵デズモンド・ドスについてのノンフィクション。ドスは信仰を理由にどんな武器も持とうとしなかったが、それでも戦地に行くことを望んだ。


ドスと仲間達が戦地に向けて出発するまでを描く前半、軍法会議の末に戦地に行く事を認められるまでの展開をひとつのクライマックスに設定するところが面白い。前半は完璧な映画だと思います。しかしそのクライマックスって、主人公が地獄へ行くことを許されたのが感動的に描いているだけであり、そこにメルギブの意地悪さも感じます。


後半の戦争シーンは大きな流れでクライマックスに到達するというより、色んなジャンルの緊迫感を戦争という場に持ち込んだみたいな印象。ドスが戦地でやった事はあくまでも救護活動で、要は戦地で死ななかった人命の回収。つまり数字を積み上げていく行為なので、大きな目標を達成する瞬間がある訳ではない。単調にならない為に選んだのがジャンル・ムードの転調なんだと思います。


そこを理解してもなお、やはりクライマックスを体感したかった印象の方が強かった。ラストの余韻そのものについては文句なしなのですが。前半と同じくらい後半にハマっていたなら、年間ベスト級だったと思います。☆☆☆☆★



Raw


有楽町で行われたフランス映画祭にて観賞。正式な上映開始は2018年2月みたいです。女性の新人監督がティーン女優主演で撮った低予算映画。獣医学部に入った新入生が学校独自の通過儀礼を経たのち、自分が変化しているのに気付く…


無駄な説明を省く挑戦的な作劇、先鋭的なセンスの映像、オルガンが特徴的な音楽使いなど、様々な武器を隠し持った映画。とはいえ「どうなるんだろう?」と先の展開が気になるパワーにも事欠かない。


この映画はメタファーとしてこういう事を主張しているのかも?という仮定が少しずつ正解であると確信していく過程がとても気持ち良かったです。新しい世代の感性の爆発、若い女優が妖気を帯びていく姿など、是非映画館で確かめてほしい一作!☆☆☆☆☆

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以上。2017年後半のレビューにもご期待ください。



5月の巻はこちらから読めます!

https://ameblo.jp/ez-chill/entry-12341049982.html


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