2015/7/1(水)テンプレの使い方の悪い例だったのか、プラスティックメモリーズ | くぅちゃんへ

くぅちゃんへ

愛猫を亡くしたショックから何かを吐き出さないとやっていけなくてYahooブログをはじめたのが2014年。そのYahooが閉鎖になるっていうので、ぼちぼちこちらへお引っ越し。過去記事を移動しています。猫とアニメと映画など

四年前の日記を読み返してはじめて思い出したアニメだ。記憶の片隅にも残っていなかった。ってことは、相当しょーもないアニメだったんだな…

 

以下、当時の日記

 

くぅちゃん、結構録画したもの、見られないから大事な番組は取っておいてディスクに焼いてから一気見をする。

だからどーでもいいようなものを消そうと思ってみちゃうことになるんだけど

コイツだけは時間の無駄だったような…
でも、生粋のアキバ系お兄さん達には受けてる気も…

なにやら科学系アニメで評価が高いとかいう方の脚本だっつーから見てみようかと録画したプラスティックメモリーズ

ううむ~~~

正直、つまら~~~ん。

設定はこうだ。

近未来、ギフティアとよばれるアンドロイドが人間のパートナーとして活躍している社会になっている。
このアンドロイド、感情も人間と同じでパッと見はもちろん人間そのもの、だからこそただの労働力ではなく家族として扱われることが多いんだけど、なにせ大元が機械ですから、耐用年数ってのがあるわけだ。

 

車やパソコンが長く使うと壊れちゃうようにギフティアも壊れちゃう。

しかも、耐用年数をこえて放置したら暴走してしまう。

車やパソコンや冷蔵庫は耐用年数をこえて壊れたら動かなくなるだけだが、このアンドロイド、認識能力をなくしてひたすら暴れだすから危険きわまりない。

見た目人間でも中身機械だしね、パワーショベルが暴れだすようなもんだから。

で、主人公が勤めてるのが、そんな耐用年数のきたギフティアを回収する会社だ。
人間とギフティアがパートナーとなって二人一組で回収作業を行うシステムをとっている。
たぶん、不測の事態に対応するためのギフティア、回収相手も機械だからそれ相応の力をもった「機械」を連れていかないと危ないからかな?
ボケっと見てたからちょっと把握しきれてない。

っつか、そのくらいつまんなかったってことなんだがな。


回収されたアンドロイドは初期化されるからそれまでの『人格』も『記憶』もすべてなくなってしまう。

ボディは再利用できそうなら新しいプログラム組まれて『別人』になるから、回収はそのギフティアの「死」になっちゃうんだよね。

 

当然、それまで大事な家族、父や母や息子や孫、そんな存在の家族だからギフティアを回収される側の人間の悲しみたるや、はかりしれない。中には回収拒否して逃げ出す者も出てくる。
うん、やっぱりパートナーにアンドロイド、必要だね。危ない危ない。
現に上司の女の人は片足、やられちゃってるし。


回収会社は淡々と回収のみを行っていくんだけど、主人公の属する支社はちょっと変わっていて、人の悲しみに寄り添うように時間をかけて納得してもらってから回収を行う、本社からは時間と予算ばかり食うワースト支社として認識されてるから部長さん、間にたって大変。

で、まぁ、どんな話かっつったら、新米社員の主人公が組んだパートナー、とっても可愛い女の子の姿をしたギフティアと恋におちて、でもその子の寿命は残り一ヶ月っていう、『泣かせる純愛恋愛物語』なわけだ。

 

うん、普通は泣ける話だよね。

 

主人公と女の子の純愛悲恋も泣けるはずだし、回収先の様々な絆を持った人々のエピソードも別れの話だから泣けるはずだ。

泣ける要素てんこ盛りだ。

泣けん!

何故だ、何故泣けん。

ヒロインは過去の己の心の傷から主人公になかなか打ち解けないギフティアのアイラちゃん、

遊園地のベンチに座ってただひたすら笑顔の人々を眺めるアイラちゃん、

職場ではドジっ子だけどみんなの役に立ちたいってがんばってるアイラちゃん、

もうすぐ回収される個体だから無駄だってわかっているのに訓練を欠かさない頑張り屋なアイラちゃん、

もちろん、容姿は抜群に可愛らしい。

お相手の男の子は大学受験に失敗してそれなりに鬱屈を抱えているけど、常に柔らかい笑顔のツカサ君、

けっして腕っぷしが強いとか優秀とかそういう子じゃないけど、芯がとても強い。

アイラ相手にジタバタして不器用な優しさをみせるツカサ君、

泣きたい時でも笑顔を忘れないツカサ君、

まぁ、男性にとっても女性にとってもある意味、理想的なキャラじゃあないでしょうか。

でもって、泣かせる要素はてんこもりだ。

これでもかってくらいてんこ盛り。

幸せそうな笑顔の人々がたくさんいて賑やかな情景から同じ場所で誰もいないひっそりとした場面をみせたり、

アイラちゃんの日記にしたためられた小さな幸せや小さな温かさをここぞって時に出してきたり、

永の別れが近づいているのにあえて普段通りの生活をしたり、

お掃除したり料理をしたり、そんな小さな思い出を積み重ねていたり、

その合間に恋人達の別れへの恐怖や寂しさをふっとさしはさんできたり、

 

そりゃもう、普通ならここで号泣ですよね、みたいな場面が丁寧に丁寧にしかもよく計算されて積み重ねられている。

でも泣けん!

出るのはアクビの涙だけ…

いや、萌え絵は問題ないんだよ。慣れてるし。
マドマギや氷菓じゃお母さん、泣いてるし!
タマコマーケットでも感動しちゃったりしてるし!
あんな変なトリが騒いでいて商店街にゃおかしな人間が満ち溢れていても感動しちゃってるし!!

うーん、何故だ。

絵は綺麗。

作りも丁寧。

脚本も練られてる。

声優さんは上手。

大好きな津田健次郎さんも出ている。

背景なんて腰ぬけるほど丁寧で美しい。

光の使い方なんてすっごく上手。

背景特集組んでも『買います」っていうくらいレベル高い。

 

なのに何故泣けん。

一ミリも心が動かん。

お母さん、思わず友達に言った。

「やっぱ私、感性がおばさんになって、純粋な愛とかそういうのに感動しなくなっちゃってるのかな。大問題だよね。柔らかい心ってのがなくなっているのかなっ」

友達が言った。

「あれか。つまんないから途中でやめちゃった。まだ見てんの?」
「え、マジ?お前もつまんない?私ら心まですっかりおばさんなのか、ヤバくね?」
「だってさぁ、アレってギャルゲーじゃん?泣けるか、んなもん」

目からウロコ

 

そうだよ、言われてみりゃそうだよ。

あの大げさなテンプレっぷり、ほれここで泣け、ここで笑えっていうお膳立て感、あれは女の子を落としていく過程のイベントだよ。

 

だから泣けなかったのかーーーっ。

ゲーマーがツカサ君で、選択肢がいくつかある中、アイラちゃんのためを思って最良の選択をしていった結果、恋人になることができてゲームクリア、でもって恋人同士の初々しいやりとりと最後の悲しい別れがゲームクリアのご褒美画面、

 

そういうことかー。

 

そういや、二人をとりまくキャラ達はゲーマーに色々アドバイスをくれる友人や上司なんだよね。

「お前すげぇな。よく見ぬいたな」
「だってギャルゲーってどんなもんか、何本か試してみたもん」
「買ったのか!!」
「買うかっ。ほれ、いらなくなった本やゲームソフトをご自由にお取り下さいって例の場所、あそこでもらってきた」
「……だよね」

別にお母さんの心がおばさん化していたわけじゃなかったんだ。
体はしっかりおばさんでも心は永遠の十五歳だからなっ。
……あれ、それって永遠の中二病?
それはそれでヤバイかもしれん。

うーむ、それにしてもな、おばさんはちょっと心配になるよ。
あれを見て感動した、とか泣いたって若造は結構いる気がするんだが、たぶん、そんな若造達は映画や本と縁遠いんじゃなかろうか。

なんたってあのサイコパス二期のあざとさや不自然さに何の疑問も持つことなく感動したって言ってる若造も多いことだし。

好き嫌いっていうのとこれは違う問題だと思うんだよね。
ある一定の表現ができていて、その上で好きか嫌いかっていうのと根本のとこが違うんじゃなかろうかと。

 

例えばだ、村上春樹は好きだけど京極夏彦は嫌いとか(お母さんは京極夏彦の大ファンだけどな)

ジョージ ルーカスは好きだけどヴィスコンティは嫌い、とか

そういうのと問題の根本が違う。作品のクォリティはそれぞれ高いのはわかっているけど好き嫌いがでる、これは単なる嗜好の違いってやつだ。
そしてさらにだな、ギャルゲーが好きでやりこんでいますっていうのは趣味として問題ないと思う。ゲームを楽しんでいるわけだからな。

だけどな、アニメとして何話にもわたって紡がれる物語ならば話は別だ。

上っ面だけの表現にごまかされて、お膳立てされたお手軽な「感動エピソード」に涙するようじゃな、感性ってのがどんどんダメになるんじゃないか?

物事の本質ってのを見抜くのは大変で、お母さんにそれができているかって問われれば全然ダメっす、と土下座するしかないんだけど、それでも言わせてもらうよ。

 

作り手の「ほれ、お前ら、こんなのが好きだろう?感動するだろう?」ってあざとさを見抜く目は大事だよ。

そういうのを見抜けないと、趣味だけじゃなく日常生活の大事な場面でもごまかされちゃうんだよ。

上っ面の言葉や態度にごまかされて判断をあやまるんだよ。
そして、それがもしかしたら国の政策に対して判断をくだす時にも悪い方向に作用しちゃうんだよ。

まぁね、最終回は来週らしいが、最後まで一応みますけどね。
深夜アニメは玉石混交なんだが、あまりに上っ面のあざとさを見せられると腹たってくるね。

なんつーかね、ほ~らほら、大きく目を見開いて口をぽかんとあけた状態でタメてからの恥じらい顔、キュンときただろー、みたいなスタッフを増長させちゃあいかんよ。
ほ~らほら、ここでドジっ子、こけた、かわいかろー、みたいなね。
同じ表現方法を取っても視聴者に媚びない作り手のものはちゃんと『可愛いキャラ』じゃんって認識するから。
だからテンプレや王道は使い方次第なんだってー。


あぁ、いかん、こんなこと叫んでないでやることやらないと。
予定詰まりまくっていたんだった~~
一番バカなのはお母さんだな…

やめてむぅむぅちゃん、帽子かじらないで。
それ、高かったんだよ~~

イメージ 1


今日は雨で退屈だぁよね。これは冬に撮った写真。まだ一歳になってない頃だね。

イメージ 2

これも同じ頃に撮った写真だ。

イメージ 3