四年後、この電光掲示板はフツーのありきたりな文言になってしまった。つまらん…
以下、当時の日記
くぅちゃん、兄ぃを送り迎えしてる駅周辺って、このあたりじゃ一番ガラ悪いって言われてる地域だ。
実際、細々した犯罪どころか、とんでもない事件が何件も起こっている。
そしてとうとう駅横のショッピングセンターが廃屋となった。
で、昔からある商店街、これじゃあいかんと奮起した、らしい。
もともと、ショッピングセンターとは反対の出口にある小さな商店街、道路も狭い。でも再開発とかで商店街道路の一本横に駅に通じるおっきな道路ができた。つまり、大きい道路から駅をはさんでクルッと回る流れができたのだ。
で、お店の外装を新しくして、1日三百円の駐車場をわかりやすくして、とあれこれ工夫がなされはじめた。
ずーっと通っているところだからその変化はよくわかる。
うわー、がんばってんなー、と思ってたら、ある日デッカい電光掲示板みたいなのが道路脇に出現したじゃないか。
兄ぃを夜、待つ間、それを眺めていたら文字が次々流れている。
「この先、飲屋街」
へー、そうだったんだ。横道入ったら飲屋街だったのか。全然知らなかったよ。
かれこれ二十年、この駅利用しててしらなかった。電光掲示板、宣伝効果あるじゃないか。
「女性歓迎、安全!」
わざわざ「安全」って書かなきゃいけないとこがなんだかな、地元も辛いよね。
「イケメンの男性客多数」
へー、イケメンの男性客がいっぱいくるんだー
………って、ちょお待て!
イケメンのスタッフがお待ちしてます、ってんだったら宣伝文句としてわかるよ?
その、イケメンの客が多数ってなんなんだ!
客だろ?
そういう宣伝あり?
うちの常連さん、イケメン揃いだから女性の皆さん、飲みに来てねってか?
っつか、それで釣られる女性っているの?
繰り返し流れる宣伝文句を眺めながら、ゼッテー嘘だ、イケメンはいねぇ!と確信したお母さんだよ。
昨日も今日も、雨でお散歩いけないねぇ、むぅむぅ
中猫時代のお写真を