白人コミュニティーの中の黒人の存在 | 黒人夫とのアメリカ生活30年

黒人夫とのアメリカ生活30年

黒人夫との約30年のアメリカ生活で体験した、黒人差別問題など、ありのまま綴っていきたいと思います。より良い未来を願って⭐️




22年前、私たちはロサンゼルス郊外の小さな一軒家を買った。

そこは治安のいい住宅街で、その頃住んでいたのは、ほとんどが白人で、近くの公園にも、YMCAにも、黒人をみることはほとんどなかった。

引っ越してきた当時、黒人である主人はいろんな人から「どうやって、ここに潜り込んだんだ?」とか「1億円だしたら、引っ越すか?」とか、信じられない言葉をかけられていた。


夫は、お酒もタバコもしない、人柄の良い真面目な男性なのに、ただ肌の色が黒いというだけで、嫌がらせをする人の多いことに、本当に驚かされる。

この家を購入する前には、一年間かけて色んな家を見て回ったが、なかなか希望する地域の家は見せてもらえなかった。(恐らく、黒人だから、その地域には住ませたくない、という差別があったのだと思う。)

なので、不動産雑誌でこの家を見つけた夫は、自分は行かずに私だけを見学に行かせ、私は写真を撮って、夫に報告した。

そして、いざ契約、購入段階の時は、夫は誰にも姿を見られないようにと、自分の田舎であるノースカロライナ州に、わざわざ飛行機で行き滞在していた。

そして、全て手続きが完了し、最後に、夫の署名が必要な書類にサインをする為、夫が不動産屋に現れた時の、スタッフの叫びと、やられたと言うような驚きようは凄かった。 

その当時は、夫の慎重すぎるとも言える、この行動を、いまいち理解していなかった私だが、やはり、そうしないと、きっと、その家を手に入れる事はできなかっただろうと、今なら思う。

そして、引っ越した後、最初に書いたように、近所の豪邸に住む人々から、「どうやって、ここに潜り込んだんだ?」とか「1億円だしたら、引っ越すか?」とか、色んな嫌味を言われたが、人懐っこい夫は、そのうち皆んなと仲良くなり、普通に会話するようになっていった。



その家で、2人の子供達も生まれ、頻繁にママ友を呼んで、ホームパーティーをしたりと、専業主婦生活を楽しみ、幸せな毎日を過ごしていた私だった。




だが、夫は、常に、

「誰か見張られ、つけられているような気がする。」

と言っていた。

その当時、リムジンサービスの為にリムジンをカスタムメイドして、我が家の敷地内に停めていたのだが、嫌がらせにリムジンに卵を叩きつけられていたこともあった。


そして、購入して10年後、裏庭で5歳の娘と遊んでいると、白人女性が近づいてきて、「この家は、もうあなたのものではないのよ。」と言われ、突然、マイホームを失う事になった。


家の名義は夫の名前のみで、全てを夫に任せていた私は、寝耳に水だったが、夫に聞くと、この家を担保にして、信頼していたビジネスマンの白人友人に一千万円貸し、1週間で返してくれるはずが、返してくれない、騙されたとの事。裁判で利子付きで勝利はしたが、その男性は破産宣告をした為、一銭も入ってこない。
 
夫は、この家を失ったのは、黒人の自分を追い出そうとしていた人達の、人種差別が原因だ、と言っているが、今となっては、本当の原因はわからない。 

ただ一つ言える事は、やはり白人コミュニティーの人種差別は、少なからず未だに残っているという事だ。

先日も、私の住んでいる町で、白人女性が、去年、近所に引っ越してきたメキシカン家族の車を、ハンマー両手に叩き傷つけ、「この(高級な)住宅地から出て行けー! メキシコに帰れー!」と叫んでいる動画が話題になっていた。(ちなみに、この家族は、アメリカで生まれたアメリカ人だとの事。)




いつになったら、こんな事がなくなるのだろう。
そんな日がくるのだろうか、、、
来て欲しいと願うばかりだ。






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