なんて地味なホリデーなんだろう。でも遂にスヌーカーワールドチャンピオンシップがシェフィールドで始まって、テレビの前からもっと動きたくない。
日本にいた時にはビリヤードしか知らなかったけど、
イギリスではスヌーカーという、ビリヤード台をさらに大きくして、でも玉は小さくして、入れてく玉に順序があるスポーツが人気。優勝賞金も大きい。前は英国の選手ばかりだったけど、最近では中国からどんどんスターが出てきて、スヌーカー界をもっとおもしろくさせている。
ただ、テレビから出る音が、コメンテーターの単調な解説と観客のたまにの拍手と、いたって静かで、更に両選手守りの状態が続くと、試合時間がどんどん伸び、こっちが寝落ちしてしまうこともたしか。
でも、おもしろい。北アイルランドでも大会はあるけど、いつかこのワールドチャンピオンシップをsheffieldにあるcrucible theatreで生で見てみたい。
この大会の見事なスヌーカーテーブルを見ながら思い出したのが、アパートを貸し出してるおっさん同僚のこと。
以前は、めちゃくちゃキレイ好きな女性が一人で住んでたんだけど、家を購入することになり、その女性の紹介で、若い男の子が入居してきた。
紹介ということで安心感もあったようで、最初の数か月問題はなかった。が、ある時から突然職場にそのアパートの組合のリーダー格の男性からヒステリックな電話が立て続けに入ってくることになる。その電話の向こうのスマホ画面にはツバが飛び散ってそうなほどの男のヒステリックな声は、離れて座る私の耳にも入るほどで、
「あのパーティーアニマルをどうにかしろ!」「明け方に救急車が来て起こされた!」「葉っぱの匂いが上に上がってくる!」
おっさんは最初のうちは、電話でその若者に注意を入れてたんだけど、ヒステリックな組合の男から
「来て直接話せ!」
と怒鳴られ、昼休みに行くことに。
その時、
「僕が1時間半以内で帰ってこなかったら、警察に電話してくれ…。」
と言い残して、負け犬が負け戦に行くようにトボトボとオフィスを出てったから、正体不明の若者と組合の男の間で、かなり追い詰められていたんだと思う。
ドアを開ける前から、噂通り葉っぱの匂いを感じ、チャイムを押すも、若者は居留守をつかい、ドアを開けなかったが、おっさんは合鍵で潜入。若者は何日も洗ってないようなくたびれた服を着て眠そうな様子でベッドルームから出てきて、キッチンのシンクには汚い皿が何枚も重なっていたよう。
しかしおっさんは何を仕出かすかわからない若者の気に障らないように、深夜特に近所迷惑になっていること、借りてる部屋はある程度キレイに保ってほしい、ということを説明するために、若者とリビングに入ったら
奥行き3メートル強、横2メートル弱のスヌーカーテーブルが、眼の前に現れた。
前々から広いとは聞いていたけど、ビリヤードのスティック以上に長いスティックも使うのに、まさかそんなものが入るほど、でかかったのかとびっくりしたわ。
今まで若者と組合の男の間で追い詰められて負け犬化し、参っていたおっさんだったけど、騒音や臭いどうのより、そのスヌーカーテーブルのど太い脚せいで、木材のフロアが丸くえぐられた複数の跡を見て、ブチギレ。
何度も配置を変えたよう。
すぐさま親と連絡を取り、騒音や臭いの件はもとより、えぐられたフロアの修理代と今年の夏には全て片付け出て行かせることを約束させた。
それからはヒステリックな電話も入ることはなくなり、あとはその若者が出ていく夏を待つだけだという。
若者のアパートにあるスヌーカーテーブルがどれだけ本格的なものかわからないけど、今大会のテーブルを見ると、極太の足が計八本生えている。しかしフロア保護の為と見栄えのためだと思うけど、赤いカーペットも敷かれている。
木材の値段は今高騰中だし、親のところに来るだろう修理代も「まぁ初めての一人暮らしだし、しょうがないか〜。ははは〜」と笑って済む額ではなかろう。
初めての一人暮らしで、部屋も大きいし、自分の好きなようにしたかった若者の気持ちもわからないでもないけど、賃貸でそれをやってしまったのは完全にアウトだった。
うちの息子もいつか賃貸で一人暮らしをするときの為にも、「来たときよりも美しく」(私の小学校か中学校時代の自然教室のときの合言葉)と今から刷り込んでおこう。あ、鼻かんだティッシュをテーブルやキッチンに放置する男の隣で刷り込もうとしても効かないか…
折り紙文化もあって、色んな面で丁寧な日本人がスヌーカーやったら、強そうなんだけどな〜、といつも勝手に想像。でも未だに日本人選手は見たことがない。

